農地の集積・集約、ほ場整備による大区画化
揖保郡太子町岩見構地区にある農事組合法人岩見の里営農組合が取り組まれている農地の集積・集約、ほ場整備による大区画化などの経緯を、組合の代表理事にお話を伺いましたので紹介します。
揖保郡太子町岩見構下地区
太子町岩見構地区は、太子町西部に位置し、南西を流れる揖保川の沖積作用によって平野が形成された良質な土地を有し、農耕の発展と共に栄えてきた地域です。
農事組合法人の概要
平成27年4月に農事組合法人 岩見の里営農組合を設立(揖保郡太子町岩見) |
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農地の集積・集約、ほ場整備による大区画化への道
ほ場整備事業のきっかけ
年月 | 取り組み内容 |
昭和58年10月 |
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平成18年 9月 |
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平成26年 5月 |
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合意形成までの過程
年月 | 取り組み内容 |
平成26年 9月 |
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平成27年 3月 |
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平成27年 4月 |
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平成27年11月 |
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平成27年12月 |
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平成28年10月 |
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平成29年 9月 |
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平成29年10月 |
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平成30年 9月 |
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平成30年11月 |
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ほ場整備事業概要
ほ場整備面積 |
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![]() ほ場整備全体計画平面図 |
![]() 第一工区計画平面図 |
水田農業を次世代に引き継ぐために
農作業の省力化・効率化
これまでは、一筆当たり農地面積が約10aと小さく不整形であったが、大区画化により大型農機具「GPS搭載の直線キープ機能付き田植機」が利用でき、労働時間の短縮化が図られた。 |
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ほ場整備が完了した第一工区 |
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令和元年度 ほ場整備中の第二工区 |
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近畿農政局兵庫県拠点は、令和元年6月12日(水曜日)に完成した第一工区(4.6ha)で、GPS搭載の直線キープ機能付き田植機を使った田植えを見学しました。 |
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GPS搭載の直線キープ機能付き田植機 |
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ほ場整備された農地のあぜの傾斜が高く、草刈りに大変な労力が掛かると考えており、神戸の事業者が開発した「雑草の種子の飛来を防ぐシート」の導入を考えている。 |
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![]() 労力のかかるあぜ |
![]() 導入を考えている防草シート |
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令和元年6月下旬に施工された防草シート |
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ほ場整備に伴い水路をコンクリート施工し、給水作業が容易な取付式分水栓(手動)を導入。 |
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管理の省力化が可能な水路 |
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区画が小さく点在していたため収穫時の作業効率が悪かったが、ほ場に沿って4m農道を整備したことにより、収穫作業など効率化を図ることができる。 |
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整備された4m農道 |
高付加価値農産物の生産などについて
(1)ほ場整備が完了した暁には、機械化できる園芸作物があれば栽培に取り組むことも考えている。今のところは自分の目の届く範囲の農地(40a)での野菜栽培で十分である。
(2)農産物の6次産業化については考えていない。そもそも放棄田が増えてはならないとの思いから組織を立ち上げているので、農地保全以外のことをして収益を上げなくても良いと考えている。経営拡大はせず、身の丈のあった、集落にあった取組を今後も実践していきたい。
後継者について
(1)後継者は心配していない。この地域は交通の便が良く阪神間、姫路市など地元産業への就業に恵まれており、就職のために家を出るということが少ない。
平日は会社員などで働き、土日などに農作業を手伝うということが出来る。
この中には経営に詳しい者、機械に詳しい者などがおり、適材適所で役割を担ってもらい、徐々に組合役員、代表理事(組合長)を担ってもらえれば良いと考えている。
また、退職後には組合の仕事を手伝って欲しいとの話をしておけば、退職後の協力を得ることができる。組合を定年退職後の第二の職場としてもらいたい。組織体制をしっかりし、地域内で世代交代すれば、外部から人材を呼ばなくても大丈夫だと考えている。
(2)農作業は、大型機械(クーラー、オーディオ付き)を導入することにより快適となり、若い人が農作業に取り組みやすくなった。
お問合せ先
近畿農政局兵庫県拠点
代表:078-331-9941
ダイヤルイン:078-331-5924
FAX番号:078-331-5177