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近畿農政局

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第三者継承 世代を超え地域の農業を次世代に

「農事組合法人丹新つなぐ」丹波市氷上町上新庄地域

先代経営者の足立正典さんと経営のバトンを受け取った「丹新つなぐ」代表の本庄直樹さんのお二人にお話を聞きました。

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代表 本庄直樹さん

- 将来の農業への想い -

代表の本庄さんは、地域の農業の担い手不足に懸念を抱き、2019年に気の合う幼なじみの仲間と任意の団体「Kクラブ」を結成し、にんにく栽培から農業への第一歩を踏みだしました。
先代の足立さんは、実家の花き農業を引き継ぎ就農。その後、大規模化を進め、水稲や小豆を栽培する地域の中心的な大規模農家として活躍していましたが、自身や従業員の高齢化が進むことで将来に不安を感じるようになっていました。

- 第三者継承のきっかけ -

将来の地域農業を懸念していた本庄さんたちが、中心的存在である足立さんに「今後の地域農業のあり方」について相談したことがきっかけで第三者継承に向けての話が進みました。
相談を受けた足立さんは、地域の農業を次世代に繋ぎたいと思っていたことや懸命に農業に取り組む「Kクラブ」の姿に農業を託す希望を見出していました。足立さんの思いを聞いた本庄さんたちは、農業に打ち込むことを決意し、任意団体から2021年に「農事組合法人丹新つなぐ」を結成し、足立さんの農業を受け継ぎました。

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譲り受けた農業用倉庫兼事務所

- 第三者継承について -

足立さんは「丹新つなぐのメンバーたちは子供のころから知っており、親族にも後継者はいないので農業を引き継ぐことができて良かった」、本庄さんは「足立さんから栽培技術と農業機械や施設を譲ってもらえることに魅力を感じた」とお互いにWINWINの関係であることを話してくれました。
一方で課題もあったそうで、親族継承と第三者継承では、課税される税金の種類や費用が大きく異なり、足立さんは専門家と相談しながらなるべく引き継ぐ側の負担にならない方法を模索したそうです。
※第三者継承とは現経営者の親族ではない者に事業を継承すること。農業の場合、農地、施設などの有形資産、技術などの無形資産を継承すること。

- 丹新つなぐについて -

法人名の由来は、丹波の「丹」、メンバーが生まれ育った上新庄の「新」と地名から文字を組み合わせて「丹新」、「つなぐ」は生産者と消費者を、そして、次世代に農業を、との想いが込められています。現在、足立さんを含めた15人のメンバーで、丹波大納言小豆、コシヒカリ、山田錦などを栽培しています。
栽培面積は15haで、今年で結成4年目となりますが、受託面積は約20haとなっており、地域の担い手として益々の活躍が期待されています。

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農事組合法人丹新つなぐ メンバー

- 今後の展望 -

引き続き、地域の担い手として農業経営を行うとともに、農業を次世代へつなぐため、将来的に地域で農地の大区画化や利便性の高い農道の整備を行い、効率よく農作業が行えるようにしたいと考えています。
また、近年は夏場の高温により、水稲や小豆の生育や品質に悪影響が出てきており、当面は高温対策に取り組みます。

お問合せ先

近畿農政局兵庫県拠点

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