「アス→ノウ」プロジェクトの現地調査に同行しました(1)
「アス→ノウ」プロジェクトとは、農林水産省の若手職員による、「明日(あす)に向かって農に取り組む選手たち(アスリート)を応援する」ため、新しい政策の検討を進めるプロジェクトです。兵庫県拠点では、 3月12日、13日の2日間、プロジェクトメンバーとともに、神戸市で農業との連携を進める方々や就農した元アスリートにお話を聞きました。
3月12日は、神戸市役所にてビーツ専門の食品メーカーBETTE(ベッテ)と意見交換を行った後、楽天ヴィッセル神戸株式会社を訪問し、意見交換を行いました。

【 意見交換の様子 】
プロサッカー選手から食の世界へ
ビーツ専門の食品メーカー BETTE (ベッテ) の創業者である山田 真輝さん(代表) 、酒井 高聖さんと、アスリートと農業に関する意見交換を行いました。
代表の山田さんは、地域農業の課題解決に取り組む中で、「アスリートの活躍を農業の力で支えたい」という強い思いを抱いていました。
一方、元プロサッカー選手の酒井さんは、ドイツでプレーしていた際、トレーナーから栄養価の高いビーツ (※) の摂取を勧められ、その健康効果を実感。帰国後、国内ではビーツが手に入りにくい現状を知り、「日本でもビーツの魅力を広めたい」と考えるようになりました。

【 右から、BETTE 創業者
山田 真輝さん (代表) 、酒井 高聖さん 】
共通の知人の紹介で出会った2人は、ビーツの力でアスリートを支援したいという志を共有し、2023年に食品メーカー「さかいのびーつ」を設立。2025年に屋号を「BETTE (ベッテ) 」へ変更し、現在の体制に至っています。
意見交換では、アスリートが農業に関わることの可能性や課題など多角的な視点から活発に議論しました。
特に、現役アスリートが個人で農業に携わることの難しさが指摘されました。スケジュールや怪我等のリスク管理の面での課題が大きいことから、チームとして農業プロジェクトを立ち上げ、選手が交代で関わる仕組みをつくるなど、組織的な取組の必要性が示されました。

【 BETTEが展開するビーツの加工品
(水煮や甘酒、スムージー等) 】
また、セカンドキャリアで就農を目指す際の課題として、現役中に経営知識を学ぶ機会が限られていることや農業を始める際の初期投資が大きいことといった点が障壁になっていることも共有されました。
(※) ビーツは、葉酸や鉄、カリウム等のビタミンやミネラル、食物繊維を含む栄養価の高いヒユ科の根菜類で、「食べる輸血」とも呼ばれています。

【 練習場「いぶきの森球技場」クラブハウス 】
クラブチームによる農業への関わり
楽天ヴィッセル神戸株式会社を訪問し、チームマネジメント部 部長 松澤 拓さんと、今後のアスリートと農業の関わりについて意見交換を行いました。
ヴィッセル神戸では、練習場「いぶきの森球技場」クラブハウス内のカフェテリアやアカデミー寮で提供する食材を、地元JAの直売所「農協市場館 六甲のめぐみ」 (神戸市西区) 等から仕入れており、積極的に地産地消へ取り組んでいます。

【楽天ヴィッセル神戸株式会社
チームマネジメント部 部長 松澤 拓さん (右奥)、
「アス→ノウ」プロジェクトメンバー (左) 】
意見交換では、アスリートが農業に携わる際の課題や今後の展望について、様々な観点から議論しました。
現役アスリートがシーズン中に農作業に参加する場合、怪我のリスクや補償制度の整備、トレーニングや試合日程によるスケジュールの制約といった点から、現状ではハードルが高いことが共有されました。
また、クラブ運営においてはスポンサー企業との信頼関係が重要であり、チームとして農業に取り組む場合には、ロゴや着用物等に関するスポンサー企業への配慮が不可欠であるとの意見が寄せられました。
これらの意見交換を通じて、「アス→ノウ」プロジェクトメンバーにとっても今後の政策を検討する上で貴重な視点が得られ、大変有意義な時間となりました。
「アス→ノウ」プロジェクト (農林水産省ウェブサイト)
お問合せ先
近畿農政局兵庫県拠点
ダイヤルイン:078-331-5924




