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近畿農政局

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はんなりとしたキノコを自然が多く残る南丹市美山町から!

合同会社ハンナリシェ(京都府南丹市)

従来の菌床製造に必要なボイラーの熱源を使用せず、環境負荷軽減に配慮した菌床製造装置を使い、これまで培ってきた再生可能エネルギーのノウハウを農業分野に活かし、ゼロカーボンを目指した経営の実現に取り組む「合同会社ハンナリシェ」を訪問し、お話を伺いました。(取材:令和7年6月)

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アグリ事業部 室長 西原晴生さん(写真右)と
工場長 川村宗己さん(写真左)

自然豊かな美山町から食卓へ

南丹市美山町は自然が多く残る所です。かやぶきの屋根が特徴的なかやぶきの里もあり、空気も水もきれいです。
このきれいな環境の下で合同会社ハンナリシェは、キノコを栽培しています。


脱炭素型発酵菌床製造機 (マッシュファメンタ)

脱炭素型発酵菌床製造機
(マッシュファメンタ)

脱炭素型発酵菌床製造機(マッシュファメンタ)

脱炭素型発酵菌床製造機(マッシュファメンタ)は、高い圧力や熱をかけ原料を滅菌する必要がないため、従来の製造方式に比べて温暖化ガス排出量を大幅に削減できます。この機械で製造したたもぎたけとひらたけの菌床は、菌床の育成を1か月、キノコの育成を1か月、合わせて2か月で収穫でき回転が早いのですが、複数回収穫できるしいたけと違い、2回目以降は収穫量が減るので、収穫が見込めるのは1回のみとのことです。


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有機稲わら

菌床は国産材料を使用

有機稲わら:新潟県より仕入れ(無農薬栽培にこだわり有機JAS認証を申請中)
コットンハル:綿実を脱穀した際に分離した殻
ビートパルプ:北海道産ビート(砂糖ダイコン)の搾りかす
種菌:新潟県より仕入れ

収穫後の菌床は自然発酵して堆肥となり、循環型農業を実践しています。

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コットンハル
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ビートパルプ


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培養中の菌床

オール電化にて栽培環境を維持

キノコ培養室や栽培室はヒートポンプを使わず、冷暖房エアコンを設置し、湿度・温度を管理しオール電化にて栽培環境を維持しています。

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栽培室
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栽培中のたもぎだけ


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たもぎたけ

商品1 たもぎたけ

「たもぎたけ」は有黄色のカサの色が美しく、見た目も鮮やかなきのこです。天然ではニレの倒木などに生え、夏の短い期間にしか収穫できないことから「幻のキノコ」とも呼ばれます。
免疫機能の向上や抗酸化作用が期待できる、エルゴチオネインやβグルカンが豊富に含まれています。
また、うま味成分やアミノ酸、多糖類を多く含むため「だしの王様」とも呼ばれており、パスタやオムレツ・すき焼きや炒めモノなど、洋食・和食を問わずさまざまな料理で活躍します。

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ひらたけ

商品2 ひらたけ

「ひらたけ」は、平たい傘を持つキノコの一種で、食用として親しまれています。肉厚で弾力があり、コリコリとした食感が特徴です。クセがないので、鍋やスープ・炒めモノや炊き込みご飯・天ぷらなどさまざまなジャンルの料理でお楽しみいただけます。風味にすぐれており、しめじに似た味わいが特徴です。


今後の展開

しいたけ栽培において、しいたけの菌床(兵庫県の業者から仕入れ)作りには高圧殺菌が必要となり、それが環境負荷に繋がるため、栽培を断念し、たもぎたけ、ひらたけの生産に移行しました。
「たもぎたけ・ひらたけ」は知名度が低く、販路が確立できていないため、各種マッチングフェア(農林水産省協賛のフェアにも参加予定)などに積極的に参加し、販路を開拓していくそうです。
希少種の「たもぎたけ」のおいしさや成分・効能などをアピールし、今後の販売に繋げていきたいとおっしゃっていました。


※ハンナリシェの「たもぎたけ・ひらたけ」は、南丹市美山町鶴ヶ岡にある「ムラの駅たなせん」でも販売しています。

★参考
ハンナリシェ ⋮ 農業と再エネの融合を目指して(ホームページ)
https://hannari-che.net/


お問合せ先

京都府拠点

担当者:総括班
電話:075-414-9015