農家の知恵と技術に触れる貴重な機会~水稲の再生二期作を学ぶ校外学習~
中川望さん(亀岡市)、京都府立農芸高等学校農業生産科作物コース(南丹市)
京都府立農芸高等学校農業生産科作物コースで、研究課題として水稲の再生二期作(※)に取り組む3年生の生徒たちが、校外学習を行いました。
地元生産者の中川望さんが講師となり、水稲の再生二期作をテーマに座学から圃場での生育調査まで一貫した学びの場となりました。
(※)再生二期作(さいせいにきさく)とは、1回目に収穫した稲の「切り株」から再び伸びてくる新芽(ひこばえ)をそのまま育てて、同じ年に2回目のお米を収穫する栽培技術です。
(取材日:令和8年7月)

(写真左から)京都府立農芸高等学校 細尾 勝副校長、小寺 弘佑教諭、生産者 中川 望さん
京都府立農芸高等学校 川勝 浩輝さん、藤本 悠世さん、平岩 虹水さん、近畿農政局京都府拠点 森 裕司地方参事官

熱心に説明する中川さん
挑戦のきっかけは「ひこばえ」の観察から
中川さんが水稲の再生二期作に取り組み始めたきっかけは、稲刈り後に伸びる「ひこばえ」の観察でした。植付け時期が早い稲ほど実入りが良いという経験から、再生二期作の可能性を実感したと言います。
15haの広大な農地を管理する中川さんは、水の確保が遅れて植付けが遅れる課題を抱えており、年々植付けを早める工夫を重ねてきました。
そうした中で情報を集め、昨年から本格的な取組を開始しています。

意見交換の様子
地元生産者のリアルな声
意見交換会では、まず生徒たちの質問に対して中川さんから丁寧に回答していただきました。
再生二期作の仕組みや栽培の工夫、地域農業における可能性など、現場の経験に基づいた実践的な知識が伝えられました。
最後に中川さんは、昨年の収穫量は想定を下回ったものの、低コストで追加の収穫を得られる再生二期作の可能性を語り、質疑応答を締めくくりました。

圃場でも質問をする生徒たち
圃場での生育調査
生徒たちは、出穂、開花期の状況や株間、雑草の発生状況について、自分たちで管理する学校の田んぼと比較しながら丁寧に調査を行い、単純な比較は難しいものの、生育状況はおおよそ同程度であることが確認されました。
生徒たちが口をそろえて感心したのが、圃場の管理状況であり「中川さんの田んぼは雑草が少なく、管理が非常に行き届いている」との声が相次ぎ、農地を高い水準で維持、管理する中川さんの技術と努力に、改めて敬意を示す場面となりました。

校外学習を振り返る生徒たち
農業の厳しさと可能性、両方を実感
生徒たちから、現場ならではの体験を通して感じた率直な感想が次々と語られ、実家が兼業農家である生徒は、「中川さんも兼業農家と聞き、農業の厳しさを改めて感じた」と語り、家族と中川さんの経営実態が重なり、農業を取り巻く現実を改めて見つめ直す契機となりました。
ドローンをはじめとする機械の積極活用については、「効率化を図っていることが印象的だった」との感想も聞かれ、最新技術を取り入れながら広大な農地をほぼ1人で管理する中川さんの姿が、生徒たちの目に強く焼き付いたようです。

水稲の再生二期作に取り組む生徒及び先生
「一般農家が追加投資なく実施できる農法」の確立へ
振り返りの場では、中川さんが汎用型コンバインで二期作目を収穫されたのに対し、農芸高校では自脱型コンバインを使って収穫を行っていることが紹介されました。
この違いの背景には、「一般の農家が追加の設備投資をすることなく実践できる農法を目指す」という明確な目標があります。
小寺先生からは「再生二期作の普及には、特殊な機械を必要とせず、誰もが取り組みやすい農法として体系化することが欠かせない」との補足がありました。
「京都府立農芸高等学校」については、こちらのURLをご確認下さい。
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