100年先においしいをつなぐ~株式会社MALU~

大阪府貝塚市で体験農園「MALUファーム」と地元泉州野菜を使ったおばんざい屋「MALU 。-農家のえんがわ-」を運営する株式会社MALUを訪問し、代表取締役の縣 紀子(あがた のりこ)さんにお話を伺いました。
(令和6年11月)

【縣さん(右)と岩本さん(左)】
会社概要
株式会社MALUは、体験農園「MALUファーム」、おばんざい屋「MALU 。-農家のえんがわ-」の運営のほか、地元の生産者の農作業サポートや新鮮野菜セットの全国発送をしています。現在、縣さんと料理人の岩本有希さんのお2人で活動をされています。

【体験農園で】
農業に携わるようになって気付いたこと
ご実家が専業農家の縣さんは、地元で中学校教員、東京でパン屋経営などを経験された後、本格的にご実家の農業を手伝うことになり、作物を育てる難しさから生産者の凄さやまちなかの農地がどんどん少なくなっていること、小さな畑が点在するエリアでは生産効率があがらないこと、近隣住宅への臭いや音に配慮が必要なこと、農業の担い手がおらず高齢化が深刻なこと、土や自然に触れることの大切さやそれを必要とする人が多いこと、など多くのことに気付かれたそうです。

【地元野菜を使っています】
100年先に「おいしい」をつなぎたい
おいしくて新鮮な野菜を食べられるのは当たり前のことではなく、作ってくれる人のおかげであることを痛感した縣さんは、まちなかの農業を守り、100年先に「おいしい」をつなぐため、また、地元の野菜を新鮮なうちに食べてもらいたいとの思いから、体験農園とおばんざい屋を始めました。

【ポテト部活動の様子】
人と人とがつながる体験農園
体験農園では、種まきから、栽培、収穫、食べることまでを一緒に体験する部活を取り入れ、現在、ポテト部(じゃがいも)、CLUB PEANUT(落花生)、米米クラブ(米)、スイートポテト部(さつまいも)、おにんじん倶楽部(玉ねぎ・人参)の部活動をしています。多世代の部員が一緒に作業をし、「おいしい」を共有し合うなかで、部員同士の新たなコミュニティが生まれています。

【収穫の様子】
休耕地を市民の手で守り耕していく未来
縣さんは、体験農園で部員達が笑顔で交流している姿や部活以外の日に通園前の親子が草引きをしている姿を見た時、まちなかで暮らす人々の生活の中に「農」とのつながりをつくれたことに感動するそうです。今後もまちなかの休耕地を体験農園として有効活用し、部員の中から就農を希望する方がでてきた時は、地元の生産者とともにサポートできればと抱負を語られました。
お問合せ先
大阪府拠点
TEL番号:06-6941-9062