明治から続く伝統を守りながら、大阪産ぶどうの魅力を未来へ ~かねおく農園~

令和8年9月8日(火曜日)、大阪府柏原市でぶどう栽培をしている、かねおく農園を訪問し、園主の奥野成樹さんに農園の歩みや今後の展望などについてお話を伺いました。
明治36年創業、4代続くぶどう農園

かねおく農園は、現在の園主である奥野さんの曽祖父がぶどうの苗木販売を開始した明治36年を創業年とし、120年以上にわたり、この地でぶどう栽培に携わってこられました。農地の総面積は約1.8ヘクタールを有し、大阪府の東部、奈良県との府県境に近い柏原市の信貴山の麓にあります。
収穫したぶどうは、直売所、ECサイト(オンラインショップ)で販売しているほか、ふるさと納税の返礼品としても提供されています。また、8月下旬からはぶどう狩りを実施し、親子連れをはじめとする多くの方でにぎわいます。
栽培品種とこだわり


ぶどうの栽培品種は育成中の品種を含め約20種で、総面積の6割ほどがデラウェア、残りの4割が大粒品種です。大粒品種の中では、シャインマスカットが約7割を占めます。 シャインマスカットは完熟時の甘さや知名度、価格面において優位とのことですが、奥野さんはぶどう専門店としての面白みを出すため、他の皮ごと食べられる黒系・赤系の品種も含め色々なぶどうを栽培されています。
奥野さんによると、ぶどうは「大粒・皮ごと・分かりやすく甘い」がトレンドとのことで、シャインマスカットの後継品種として「富士の輝」や「ほほえみ」、「マイ・ハート」などに注目しているそうです。
ただし、品種転換には品質が安定するまでに5年、大粒化には6~7年を要するなど、栽培には長い年月と工夫、そして先を見据える力が求められます。
オーナー制ぶどう園「OKUNARY」

「OKUNARY(オクナリー)」は、かねおく農園が運営する体験型オーナー制ぶどう園です。
栽培品種はワイン用の「ビジュノワール」で、会員数は約90名。3~6月を中心に芽かき・誘引・摘心、収穫など、防除以外の農作業を体験できます。「会員自身が作業することに価値がある」という考えから、奥野さんはあえて個々の作業に関与しない姿勢を貫いており、それが8~9割という高い継続率につながっているそうです。
年1回の収穫祭で収穫したぶどうは、柏原市のカタシモワイナリーで醸造され、完成したワインが翌年に会員1人あたり2本届けられます。
この取り組みは、かねおく農園が2017年の「おおさかNo-1(のうワン)グランプリ」受賞を機に耕作放棄地を開拓して開始しました。 かつて全国有数のぶどう産地として知られた大阪は、都市開発や担い手不足により生産量の減少が続いています。このプロジェクトには、実際に現地へ足を運び、大阪産ぶどうの現状と魅力に触れてほしいという想いが込められています。
今後の展望

奥野さんは、現在の取り組みに磨きをかけながら、大阪産ぶどうの知名度をさらに高めていきたいと語ります。そして、ぶどうの産地である柏原市を、地域全体で盛り上げていくことにも貢献したいと考えています。
伝統を受け継ぎながら、常に新しい挑戦を続ける奥野さんと、かねおく農園。今後のさらなる活躍に注目です。
お問合せ先
大阪府拠点
TEL番号:06-6941-9062




