原種にこだわり、500年の歴史を受け継ぐ
滋賀県日野町|JAグリーン近江 日野菜生産部会
令和2年11月20日、JAグリーン近江日野菜生産部会の方々と意見交換を行いました。
近江の伝統野菜、日野町原産の「日野菜」は、赤紫色と白色の鮮やかな2トーンカラーが特徴のかぶの一種です。室町時代に日野町を治めていた蒲生貞秀公が発見したと言われ、500年以上の栽培の歴史があります。蒲生氏の国替えのお伴として、また、近江商人により全国各地に伝わった日野菜ですが、日野町では原種を大切に守り、地域の伝統野菜として栽培し続けています。
  左: 日野菜生産部会長 岡澤利雄さん 右: 同 副会長 寺澤清穂さん
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目指せ、10ha!
JAグリーン近江 日野菜生産部会の現在の会員数は59名、栽培面積は約8ha、全て原種の日野菜を栽培しています。 地域の伝統野菜である日野菜の生産振興を図っており、地道な活動の結果、会員数・栽培面積は増加しています。
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 左 :秋の景色、紅葉と収穫期の日野菜畑 右上:日野菜の歴史を伝える看板 右下:ひとうね運動のほ場の看板
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歴史を繋げ、守る
日野町鎌掛(かいがけ)の長野地区では、特に日野菜が多く栽培されていますが、担い手の減少や高齢化は深刻な問題です。 そこで、部会員の技術指導のもと一人一畝の日野菜を栽培する「ひとうね運動」が行われています。
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 「日野菜名人」こと岡保次さんのほ場
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風土が育む
鎌掛地区は、昔の琵琶湖に堆積した「古琵琶湖層」と言われる土壌が広がる日野町の中でも、水捌けのよい砂質土壌であること、朝霧が多いこと、風による適度なストレスがあることなど、地域の風土が日野菜を育んできました。
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 名人の日野菜。 赤紫と白のコントラストが鮮やかで、スラリとした美人。
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デリケートで手がかかる
スラッと伸びるためには、堆肥をたっぷり入れて土をフカフカに。病害虫に弱く、定期的な防除は欠かせません。 また、機械化が難しく、畝立てと播種以外のほぼすべての生産工程を人の手で行っています。 手をかけて大切に育てた日野菜は、土やひげ根を取ったあと、加工施設へと運びます。
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 平成30年に完成した、日野菜の加工施設
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日野町産の原種100%! 「原種」としての差別化 → 付加価値
他の産地では大きく、生長が早いF1種を育てていますが、日野町では発祥の地として原種を栽培。 原種として差別化しつつ、他産地との価格競争に耐えるためには、漬物等に加工することで付加価値をつけて販売し、その量、年間40トン! 甘酢漬けやピクルス、ドレッシング、キムチ、醤油漬けなどに加工しています。
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~日野菜の切漬が出来るまで~
 1 日野菜を洗浄後、根と茎に分けて切って
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 2 塩漬け2日、甘酢の本漬け4日
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 3 根と茎を混ぜてから、袋に入れて
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 4 美味しい「日野菜切漬」のできあがり!
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収穫最盛期のお忙しい中、お話を聞かせていただき、ありがとうございました。 これからも、伝統の日野菜を作り続けてください!
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お問合せ先
滋賀県拠点 地方参事官室
TEL:077-522-4261