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近畿農政局

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集落をあげての獣害対策で地域と人を活性化

  滋賀県長浜市|鳥羽上北町防護柵設置委員会委員長  北村富生さん 

長浜市鳥羽上北町は、長浜市の南東部の山麓に位置する農村集落です。当該集落では獣害に悩まされていたことから、北村富生さんは、防護柵設置委員会を立ち上げ、2011年から獣害対策として防護柵(ワイヤーメッシュ2m)の設置が完了しました。防護柵設置の共同作業を通して、助け合う集落の「連帯意識」と住みよい町にしようという気風を高めることとなり、防護柵設置後のメンテナンス(除草作業、柵の補修等)にも多くの住民が参加し、設置後10年が経過した現在も美しい姿が保たれています。
また、同氏は、近隣の防護柵未設置の集落に対しても設置を働きかけるなど防護柵設置の促進や他県からの視察、研修なども受け入れています。これらの活動が評価され「令和2年度鳥獣対策優良活動表彰」において、農林水産大臣賞を受賞されていることから、530日、獣害対策に係る課題などについて、同氏にお話を伺ってきました



北村さん感染防止に配慮して距離をとって撮影しています。)


防護柵設置に
取り組むきっかけ
北村さんが獣害対策に取り組むきっかけは、燃料としての薪の採取がなくなり、人と山との行き来が少なくなった頃から、イノシシ等が農耕地帯に出没するようになり、農作物等に被害を受けていたことから、被害を防ぎたいとの思いで始められました
設置前におよそ250万円あった被害額が今ではほぼ「ゼロ」となっています。



 


意見交換の様子
意見交換会の様子


「段取り八分」作業準備が設置の出来を左右
防護柵の設置方法の中でも特に重要なのは「段取り」で、作業に入るまでの準備です。
設置場所の現地確認と設置ラインの測量や、防護柵のさび止めや柵上部の「忍び返し」などの加工等、実際の設置作業に入るまでに準備を十分に行うことで作業効率が上がりました。

 

 





防護柵設置作業を進める中で、地域住民の知恵により、「忍び返し」加工時の差し込溝や廃材利用による省力化、防護柵支柱の打ち込み時に活躍する筒状の打ち込み道具「通称:バズーカー」等安全性に優れた「便利グッズ」が生まれました。

打ち込み作業便利グッズ 通称「バズーカー」(左)
忍び返し(角度つけ)作業(右)(鳥羽上北町防護柵設置委員会提供)

 




川からの侵入を防ぐ滑車付きの可動式遮断柵や山での作業の出入りを考え設置された門扉型防護
柵など、住民の知恵が生かされています。

可動式遮断柵(左)
防護柵設置前(左下)伐採整地後、防護柵設置(下)(鳥羽上北町防護柵設置委員会提供)

 


設置前

     設置後


  

雑草や自然災害との闘い
防護柵を維持するためにはメンテナンスが重要となっており、積雪で防護柵が倒伏しないよう除草作業に取り組んでいます。
3回程度の除草作業を住民有志で行っています。根気のいる蔦の除去作業は「女性蔦取ったり隊」が活躍します。

 


除草作業前
除草作業前(左)(鳥羽上北町防護柵設置委員会提供)

     除草作業後
     「女性蔦取ったり隊」が活躍する除草作業(右)(鳥羽上北町防護柵設置委員会提供)

 


倒木


悪天候のあとは、農地の見回りもかねて、防護柵の見回りを行い、必要箇所の修理を行います。
倒木や被害柵の撤去、再設置等の作業を速やかに行います。


(左)竜巻による倒木被害(鳥羽上北町防護柵設置委員会提供)

 


情報紙による情報共有の役割
情報紙
鳥羽上北町防護柵設置委員会情報紙「獣害防護柵設置ニュース」(鳥羽上北町防護柵設置委員会提供)



設置作業等は自主参加(任意)であり、被害
の状況、防護柵の設置による効果、作業の進捗状況(作業者の奮闘)や次回作業計画を情報共有するために情報紙を発行し、地域の問題としての意識を高めています。
現在まで100号を発行しています。

  


      獣害対策の継続に向けて


設置後10年が経過した開閉式防護柵の前で事務局長:時田さん(左)と北村さん(右)



多数の地域住民と防護柵設置後のメンテナンスを行うことで、防護柵に関する知識の継承を行うことができ、現在も
10年前と同じ美しい姿が保たれています。
助け合う集落住民の心が活動の源」という北村さんの言葉どおりに、今後も多くの住民の知恵と知識を生かした取組の継続が期待されます。

 

お問合せ先

滋賀県拠点 地方参事官室
TEL:077-522-4261