「おうみ海老」を通じて地域を活性化

陸上養殖のきっかけ

ワボウ産業株式会社では、コロナ禍での事業縮小や定年延長に伴う高齢社員の雇用確保のために新規事業を検討することとなり、食や健康を支えていきたいとの思いから、食に関わる分野での地域貢献・地域活性化ができる特産品の開発を目指すこととなったそうです。
以前に他の事業で活用していた、伊吹山系の地下50メートルから湧き出る水温・水質が安定した地下水を有効活用し、成長が早く、様々な水質に耐えられる等養殖に適したバナメイエビの陸上養殖を始められました。
同社では、抗生物質などの薬品を一切投与しない安全性の高いバナメイエビを「おうみ海老」と名付け、地域活性化を目指して陸上養殖に取り組んでおられます。

エビ養殖の水槽

飼育法

飼育法は、環境への負荷が少ないバイオフロック方式（※）を採用されています。
縦・横14mの水槽に伊吹山系の地下水を汲み上げ、海水環境を整えるためにフランス産の岩塩を使用しています。循環装置を設置し、水槽内の水を循環させて水質を保つことにより、抗生物質などの薬品を一切投与しない安全性の高いエビを育てています。また、高濃度の酸素を注入してエビの活動を促進し、身を引き締めることで食味の向上を図っています。
（※）バイオフロック方式とは、水槽内に微生物を浮遊させ水質を浄化させる方法。

出荷する前には、きれいな水槽で2～3日泳がせて、餌抜きが行われます。

出荷時には、急速冷凍機で冷凍し出荷されます。
社内には、直売所も併設されています。

                                                                                            おうみ海老の串焼き


おうみ海老アヒージョ

今後の目標
養殖するエビの個体差の改善と歩留率の向上を目指し、養殖環境をいろいろと試行しながら、エビの自給率の向上を目指し、将来的には陸上養殖のノウハウを各地に広げていきたいと語っておられました。
また、SDGsの考えを取り入れた環境にやさしい陸上養殖による「おうみ海老」の生産販売を通じて、たくさんの人に、おいしさと安全、笑顔を届け、加工品のラインナップも増やしながら、地域活性化を目指したいと考えておられます。