滋賀県高島市の畜産事業者及び有機農家と意見交換
近畿農政局渡辺次長と滋賀県拠点は、令和5年5月26日に滋賀県高島市の有限会社宝牧場、大吉商店株式会社及び針江のんきぃふぁーむと意見交換を実施しました。滋賀県高島市|有限会社宝牧場
【沿革について】
昭和46年に乳用牛の飼養を始められ、その後、平成14年から豚の飼養、平成16年から和牛の飼養、平成22年からは食肉販売業も行われています。現在は、牧場周辺で焼肉レストランやスイーツショップなども営業されています。
![]() 有限会社宝牧場 |
![]() 意見交換の様子 |
【牛への思い】
社長自ら分娩に立ち合うことも多く、子牛担当の従業員を決め、専業で牛の個体管理と衛生管理に注力されています。また、導入した哺乳ロボットも問題なく使われています。今後の取組や課題などについて、生産者、経営者としての視点で貴重なお話をいただいたほか、育成牛舎を見学させていただき、構造なども説明していただきました。
![]() 店舗の様子 |
![]() 店内の様子 |
【6次産業化について】
搾乳した生乳を使用し、ソフトクリームやパン、バームクーヘンなどの商品を自社で製造し販売されています。商品の開発・研究は、関係者や従業員ではなく、社長自ら行われています。
有限会社宝牧場HP
滋賀県高島市|大吉商店株式会社
【沿革について】
大吉商店株式会社は、1896年から120年以上続いており、現社長で4代目になります。元々は食肉販売業のみを行っていましたが、肉牛の飼養に興味を持ち、牛舎を借りて肉牛の飼養を始められました。肉から見た牛づくりが大事だと感じられ、美味しさを追求し融点が低いなどの特徴のある但馬牛の血統で肉質の良い牛を追求されています。
![]() 大吉商店株式会社 |
![]() 店頭の様子 |
【輸出について】
アジア8か国に輸出されているほか、試験的にサウジアラビアなど中東地域14か国にも進出しています。販売促進のため、海外での商談会も活発に行われています。ドバイでは、ランプ肉を焼き、わさびや山椒をのせて提供したところ大盛況だったそうです。シンガポールのレセプションでは、有名シェフとコラボして肉料理を提供されたそうですが、炭などを使い、調理の方法まで教えることで、これまで使われなかった部位も使えるようになり、サーロインしか売れなかった外国でも、違う部位を使ってもらえるようになったことなどをお聞きしました。
![]() 意見交換の様子 |
![]() 永谷武久代表取締役社長 |
【今後について】
和牛は日本が世界に誇れるアイテムだと考えておられること、現在の輸出先はアジア8か国だが、今後、中東地域への輸出は顕著に伸びると考えておられることなど、貴重なお話を聞かせていただきました。また、最新鋭の給餌設備を備えた牛舎も見学させていただきました。
大吉商店株式会社HP
滋賀県高島市|針江のんきぃふぁーむ
【沿革について】
高島市針江地区で有機栽培を中心とした農業を営まれています。全体の経営面積は約21haで、うち有機JAS認証ほ場は約14haだそうです。代表は、農業以外に有機JAS認証検査員をされているほか、成安造形大学(大津市)で農業に関する講義もされています。父親から農地を受け継いだ時に有機栽培に転換し、有機栽培8割、減農薬栽培2割の方針で経営しているそうです。元々、有機栽培は今後伸びる可能性があると考えていたところ、国がみどりの食料システム戦略を打ち出したことに大きな期待を寄せられていました。
![]() 石津大輔代表(左側)と渡辺次長 |
![]() 意見交換の様子1 |
【有機農業について】
有機農業において販路は最大の課題となっています。のんきぃふぁーむとしては、現状以上の活用は考えていないとのことでしたが、業界全体として、学校給食等への販路が広がってくれることを希望されていました。
![]() あいがもロボット作動中 |
![]() 意見交換の様子2 |
導入間もない「あいがもロボット」が作動するほ場も見学させていただきました。
針江のんきぃふぁーむHP
お問合せ先
滋賀県拠点 地方参事官室TEL:077-522-4261