農地を守り次の世代へ
滋賀県高島市|ファームひらい
高島市の安曇川は、琵琶湖への流入水量が全体の約4分の1を占める河川です。山麓からの雪解け水に恵まれたその流域の水田地帯で、米を中心に麦や大豆等を生産するファームひらいを訪問し、意見交換を行いました。
安曇川流域にあるファームひらいの農場(写真はファームひらい提供)

代表の平井翔さん
就農6年目で経営を継承し、20代で代表に
代表の平井翔さんは現在26歳で、昨年までは父親と経営を別にして水田農業を営んできましたが、今年からは翔さんが代表となり、親子で農業をされています。
現在は53haを経営しており、米はコシヒカリを中心に滋賀県の環境こだわり米”みずかがみ“など、売り先別に多くの品種を栽培しています。
周囲には大規模牧場も多く、堆肥を受けて稲わらを提供する耕畜連携が成り立っているほか、近隣県から仕入れた鶏ふん等を投入するなど、土づくりに力を入れ、生産する米の約半数で環境こだわり農産物の認証(※)を取得しています。
(※)化学合成農薬及び化学肥料の使用量を慣行の5割以下に削減し、環境への負荷を削減する技術で生産された農産物で、滋賀県が認証

化学肥料・化学合成農薬不使用のきらみずき
(写真はファームひらい提供)
「環境に優しい」農業への気づき
2年前からは、食品工場から排出される豆や昆布など植物由来の残渣を堆肥として活用し、滋賀県の新品種である“きらみずき”の生産も始めました。
農業は「植物を育てているからCO₂を吸収していて地球に優しい」と漠然と思っていたある日、「化学肥料を使用した水田はメタンガスを排出してる」という話を聞いて、農業分野の環境負荷を知り、衝撃を受けたそうです。

土づくりで生育が良くなったり、お米が甘くなると評判です
(写真はファームひらい提供)
それまであまりピンとこなかった「環境に優しい」というフレーズに、反応を示す消費者の方が少なからずいることに気づいたこともきっかけとなり「今ある環境を未来に繋がねば」と意識するようになったとのこと。
「色々な方に協力してもらって勉強中ですが、他の品種でも試しながら、畜産由来、植物由来の肥料をうまく活用して、生産を続けていきたい」と話されていました。
米づくりのほか、小麦、大豆、イチジクと、やりたいことが沢山あります
地域では高齢化で離農される生産者から農地を任されることもあり、年々経営面積が広がっているそうです。
「安曇川上流からの冷たい水が流れ込むこの地域ではお米が美味しく育つんです。生まれ育ったこの地が大好きで、この豊かな農地を30年後も同じ景色で維持していきたい!」と笑顔が頼もしい平井さん。これからの益々のご活躍が期待されます。
お問合せ先
滋賀県拠点 地方参事官室TEL:077-522-4261