施肥方法を改善し小麦の収量増加を実現
滋賀県草津市|杉江 善博さん
令和5年度東海・近畿ブロック麦作共励会で近畿農政局長賞を受賞された滋賀県草津市の耕種農家である杉江善博さんを訪問し、意見交換を行いました。 「麦作共励会」は生産技術の向上、経営改善の面から創意工夫を持ち、先進的で他の範となる麦作農家及び麦作集団を表彰し、その業績を広く紹介するものです。
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代々続く農業を継承し規模拡大 杉江さんは、一度は民間企業に就職しましたが、農業に魅力を感じ、平成5年に実家の農業を継承。現在は地域を代表する担い手として活躍されています。 就農当時は水稲のみ10haほどの生産でしたが、麦・大豆の生産が増え、現在は、水稲20ha、小麦11ha、大豆11haと規模拡大を進めておられます。 |
小麦の収量向上を目指して 小麦の栽培を始めた当時は、水田で小麦を栽培することは難しく収量が上がらないことが課題でしたが、排水対策に力を入れるとともに、基肥や追肥を減らし初期成育を抑え、穂肥に重点を置いて施肥をすることで、有効茎歩合や登熟歩合を向上させ、収量の増加を目指す「生育後期重点施肥」を県内に先駆けて令和元年から導入し、成果をあげています。 |
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![]() 令和5年度東海・近畿ブロック麦作共励会近畿農政局長賞表彰式での記念撮影 |
担い手の経営改善に大きく貢献 今では、草津市管内全ての生産者が「生育後期重点施肥」で小麦栽培に取り組み、地域全体の生産性向上に貢献しています。 また、小麦の技術研修では、自らの持つノウハウを惜しみなく地域の担い手に提供することにより、他の担い手の経営改善にも大きく貢献したことが評価され今回の受賞となりました。 |
旨味を極めた米づくり
草津市内の9名の農家がこの取組に参加しており、統一した栽培基準で生産し、1等米かつ食味値85点以上という非常に厳しい基準をクリアした米だけが、「匠の夢」として認定され、草津ブランド推進協議会が認証している「草津ブランド」として販売されています。 |
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![]() 茎立ち期を迎えた小麦のほ場 (令和6年3月上旬撮影) |
需要に応じた生産をめざして 草津市産の小麦は、「農林61号」を長年作付けしていましたが、令和7年産以降は需要の高い「びわほなみ」へと全面品種転換が予定されています。 今後も小麦の作付面積を拡大するとともに、小麦の栽培技術では排水対策の徹底や土づくりの実践を通じて一層の品質向上、収量増加を目指し、国産小麦の需要の高まりに応えていきたいと語っておられました。 |
〇 草津ブランド 匠の夢 (草津市ホームページより)
https://www.city.kusatsu.shiga.jp/citysales/tokusanhin/tokusan/norin22016031617.html
お問合せ先
滋賀県拠点 地方参事官室TEL:077-522-4261