里山を守り、未来へつなぐ
滋賀県大津市|京阪ホテルズ&リゾーツ株式会社・琵琶湖ホテル
京阪ホテルズ&リゾーツ株式会社では、ホテル従業員が自らの手で、農業を中心に、土地環境や人の心を豊かにする活動に取り組み、地元の原風景や食文化を守り、育て、再耕する「TAGAYASE PROJECT」を実施しています。
同社が運営している琵琶湖ホテルを訪問し、オペレーション部長の前田芳昌氏から、同プロジェクトの一環としての取組に関する説明を受け、その内容について意見交換を行いました。
琵琶湖ホテルでは、平成14年から「食べることが守ること」を合言葉に、お客様・地元の方々と共に「里山の食彩プロジェクト」に取り組んでいます。 |
![]() 里山の食彩プロジェクト(琵琶湖ホテル提供) |
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「環境負荷低減のために空調温度・照明の調節等で我慢を強いるだけではなく、食を通じて地域の農業や環境を守る取組をすることが、ホテルと環境保全が繋がる最良な方法だと考えています。」とお話しいただきました。 |
美しい棚田を保全したい 「琵琶湖に多くの恵みをもたらす棚田を守りたい」との考えから、「つなぐ棚田遺産(ポスト棚田百選)」に認定されている高島市畑地区及び大津市仰木地区の農家と専属契約を締結し、棚田米を館内の全レストランで提供しています。 |
![]() 仰木の棚田(写真提供:琵琶湖ホテル) |
![]() 棚田米を原料とした日本酒(写真提供:琵琶湖ホテル) |
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棚田米を使用した鮒ずしをお客様に提供する取組も行っています。 |
![]() ホテル内のレストラン「日本料理 おおみ」で提供される鮒ずし (写真提供:琵琶湖ホテル) |
四季を彩る山野草 ホテル敷地内のボードウォーク(散策路)横に、田んぼの畦をモデルにした「山野草ガーデン」を設置し、四季折々の山野草を栽培する「山野草プロジェクト」に取り組んでいます。 |
![]() 愛らしい小花が咲く山野草ガーデン |
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琵琶湖ホテルのスタッフが中心となり、地元大津市の造園会社「勝村造園」の指導・助言等を受けながら日々の管理を行っています。 |
自ら生産し消費する体験 ホテル内の「小さな里山の畑」で野菜(サツマイモ、タマネギ、トマト、ハーブなど)を栽培し、地元の保育園児によるサツマイモ掘りや、地元こども食堂によるタマネギの植付け、草抜き、追肥、収穫体験を行う等、食育活動にも取り組んでいます。 |
![]() ホテル内の畑の様子 |
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自ら農産物を生産し消費する「自産自消」の取組として、スタッフが栽培・収穫した野菜を毎月11日開催の「いただきますの日」(※収穫状況により不開催も有り)にお客様へ提供しています。 |
今後の展望 「作物の栽培は天候により左右され、ホテルで提供できるだけの農産物を自分たちで揃えるのは難しいことから、本格的に農業に参入することは、現時点では考えていない。会社としては、『TAGAYASE PROJECT』という新たな活動体のもとで、地元や農業者に貢献するためのさまざまな取組を企画・推進し、ホテルと地元との新しい関係を構築していきたい。」とお話しいただきました。
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お問合せ先
滋賀県拠点 地方参事官室TEL:077-522-4261