女性茶師として「朝宮茶」の産地を守る
滋賀県甲賀市|カネヨ製茶麗和園 北田麗子さん
甲賀市信楽町朝宮で「朝宮茶」を栽培し、地域ブランドの維持や煎茶の魅力発信に取り組むカネヨ製茶8代目麗和園代表の北田麗子さんと意見交換を行いました。 「朝宮茶」の歴史は1200年と古く、日本最古級の茶産地で採れる煎茶は日本五大銘茶の一つに数えられています。昼夜の寒暖差の大きい山間地で栽培され、香りが高く深い味わいが特徴で、「香り朝宮」と称され緑茶の最高峰とも言われています。 現在は、生産者の高齢化により生産量は極めて少なく、産地の維持が課題となっています。
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茶農家を継ぐつもりはなく就職された北田さんですが、就職2年後に自然災害により実家が大打撃を受けたことから、故郷を守りたいと帰郷されました。その後、結婚・出産を経て家業を手伝い始めた矢先に、立て続けにご両親が亡くなられたため、若くしてカネヨ製茶を受け継ぎ女性茶師として1人奮闘してこられました。 |
煎茶の魅力を広めていきたい
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同じ茶木でも、味わいは多様 |
標高400mに広がる茶畑 朝宮の茶畑は山道を進んだ山間地に広がっています。急斜面に連なるきれいに刈り揃えられた茶園の景色は圧巻で、取材に訪れた冬でも趣がありました。 北田さんは年に2回ほど、「茶畑ハイキング」も実施し、お茶に親しんでもらう企画に取り組まれています。
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![]() 山の斜面に広がる茶畑
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収穫したその日に荒茶加工 収穫した生葉は、放置すると発酵し熱を帯び品質が低下するため、摘採後すぐ荒茶に加工します。 |
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女性の手だけでお茶づくり |
1200年続く茶産地を守りたい 現在、朝宮で茶業を営む生産者の高齢化は深刻で、耕作放棄地も増え、産地の存続のためには、新規就農者の確保・育成が喫緊の課題となっていますが、茶の栽培や荒茶加工の技術は職人技であるため普及・継承は難しいのが現状です。また、集落内には保育園や学童保育もなく、若い世代が地域に定住しにくい環境にあります。
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![]() 意見交換の様子 |
北田さんは、そのような現状を何とかしたいと地域の活性化、歴史ある茶産地の存続に意欲的に取り組まれているほか、甲賀市の市議会議員としても活動されています。 |
〇 カネヨ製茶 麗和園
https://reiwaen.base.shop/
お問合せ先
滋賀県拠点 地方参事官室TEL:077-522-4261