近江の伝統野菜を守り続ける努力と工夫
滋賀県湖南市|株式会社やまじょう
湖南市下田で昔ながらの製法により、近江の伝統野菜の漬物を製造・販売している株式会社やまじょうを訪問し、上西宗市代表取締役会長、上西宗太代表取締役社長と意見交換を行いました。
株式会社やまじょうはつけものづくり一筋八十九年。素材である野菜の「持ち味を活かした」技術で、本物の美味しいを作り出されています。
株式会社やまじょうはつけものづくり一筋八十九年。素材である野菜の「持ち味を活かした」技術で、本物の美味しいを作り出されています。


漆畑地方参事官(左)、上西宗市代表取締役会長(中)、 意見交換の様子
上西宗太代表取締役社長(右)
下田なすを「近江つけもの」の代名詞へ
初代宗八 氏が漬物を造り始めてから八十九年。下田なすを「近江つけもの」の代名詞にすることを目標に、平成20年6月、本社工場の敷地内にあった初代の漬物蔵を改装して、直営の近江つけもの地漬けの店「山上本店」が誕生しました。


山上本店(店内)
(写真提供:株式会社やまじょう)
下田なすへの想い(お漬物の素材に対するこだわりは強く、長い歴史を守るため日々精進されています。)
湖南市下田の伝統野菜である「下田なす」を百年を越えて在来種のまま守り続け、丹精を込めて漬け上げています。
出来栄えをチェックする四代目社長(上西宗太 氏)
(写真提供:株式会社やまじょう)
旨味と甘みがぎっしり詰まった下田なす
(写真提供:株式会社やまじょう)
下田なすの自社農園

下田なすの自社農園
(写真提供:株式会社やまじょう)
しかしながら、近江の伝統野菜である下田なすは、
生産者の高齢化や栽培の難しさもあり、年々収穫量が
減少しています。
そこで株式会社やまじょうでは、伝統野菜を守るべく
約20年前から自社農園で下田なすの栽培を始め、漬物に
加工・販売することにしました。
現在では約8反の農地で3000本の下田なすが栽培
されているとのことです。
地元とのつながり
地元の小学生にも伝統野菜「下田なす」を身近に感じてもらえるように、定期的に収穫体験を実施しているとのことです。
自社農業での収穫体験風景(写真提供:株式会社やまじょう)
伝統野菜の日野菜

もう一つの伝統野菜である「日野菜」。
800年以上の歴史がある、日野町原産の野菜。
独特の風味と旨味のある滋賀県を代表する伝統野菜
です。
令和4年10月には「近江日野産日野菜」として、
地理的表示(GI)に新たに登録されました。
日野菜漬は日野菜をそのまま姿漬けにします
(写真提供:株式会社やまじょう)
(写真提供:株式会社やまじょう)
いかにして素材の持ち味を活かすか
野菜は生き物であり、一つ一つ異なります。切り方から、塩加減、押し加減、漬け込む時間に至るまで、細心の注意が必要です。株式会社やまじょうは今後も丁寧な仕事を続けるとともに、新しい角度からのブランディングに取り組み、「下田なす」や「日野菜」の知名度を上げていきたいとのことでした。

素材により一つ一つの味や性質も異なる

下田なす漬
(写真提供:株式会社やまじょう)
株式会社やまじょう https://www.yamajou.co.jp/
お問合せ先
滋賀県拠点 地方参事官室TEL:077-522-4261