絶滅危惧の植物(紫草(ムラサキ))を絶やさない
~令和2年度近畿「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」~
滋賀県東近江市|株式会社みんなの奥永源寺 前川真司さん
2021年7月7日、東近江市の株式会社みんなの奥永源寺 代表取締役 前川真司さんにお話を伺いました。前川さんは、奥永源寺地域活性化の取組により、令和2年度近畿「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」(個人部門)に選定されました。
今回は、その取組内容について紹介します。
前川さんは、兵庫県宝塚市生まれ。中学時代は高知県大川村に山村留学の経験があります。
2011年、八日市南高校(東近江市)の農業科の講師となり、在勤中に出会った紫草(ムラサキ)に魅了されました。
2014年には、高校講師を退職し、地域おこし協力隊として高齢化や耕作放棄地等の課題を多く抱える東近江市奥永源寺地域(君ヶ畑集落)に移住しました。紫草を栽培・商品化することで、地域を活性化しようと日々頑張っておられます。
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【紫草(ムラサキ)とは】 ムラサキ目ムラサキ科ムラサキ属の多年草で、2007年に「東近江市の花」に選出。紫草は、万葉集に詠われるほど歴史が古く、その根を紫根(シコン)と言います。 |
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栽培の歴史が長いにも関わらず栽培技術が未だ確立していないため、収穫率は僅か5%程度。また、冷涼な気候を好むため、温暖化による環境変化に伴い生育数が減少し、絶滅危惧1B類に指定されている貴重な植物です。 ※絶滅危惧とは、環境省が公表しているレッドリストに掲載され、近い将来に絶滅危険度の高いものもしくは絶滅の意見が増大しているものを示しています。 |
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【紫根(紫草の根)】 染織すると紫色になりますが、収穫した紫根は赤色に近いものとなっています。また、絹を染めると濃紫色になりますが、麻や木綿などは淡紫色になります。
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【紫草を絶やさない】 絶滅危惧1B類ではあるものの全国で栽培されている紫草。前川さんは全国の生産者と積極的に情報交換を行い栽培技術を高めていきたいと考えています。
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【みんなの奥永源寺】 2017年、奥永源寺地域をはじめ地元住民から出資を募り、株式会社みんなの奥永源寺を設立しました。 |
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【将来の目標】 前川さんの目標は、持続可能な紫草の栽培を通して奥永源寺地域を元気にしていくこと。 |
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株式会社みんなの奥永源寺 ホームページ
http://okueigenji.co.jp
MURASAKIno ORGANIC ホームページ
http://www.murasakino.organic/
お問合せ先
滋賀県拠点 地方参事官室TEL:077-522-4261