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近畿農政局

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耕作放棄地を活用したそばの栽培(田辺市)-「ええとこねっと龍神村」による地域活性化の取組-

 田辺市龍神村で活動するNPO法人「ええとこねっと龍神村」の竹内理事長、返町理事から、そばを活用した地域振興の取組についてお話を伺いました。

○NPO法人「ええとこねっと龍神村」について
  「ええとこねっと龍神村」は、「地産地消」及び「地域資源の有効活用」を基本理念として地域資源を守り活かす取組を地域住民とともに推進し、地域の魅力や活力の向上など地域振興に寄与することを目的として平成17年に設立されました。

NPO法人が運営する「そばと農園  和わく」

○そば栽培について
  少子高齢化が進む田辺市龍神村では、増加する耕作放棄地対策として平成27年からそばの栽培を開始し、令和7年で11年目を迎えました。現在、そばは殿原、甲斐ノ川、安井の3地区で合計1.8haを栽培しており、品種は「常陸秋そば」。
  地場産品の生産を通じた魅力ある地域づくりを推進するにあたり検討を重ねた結果、さまざまな食べ方が可能なそばに着目しました。収穫したそばは製粉し、NPO法人が運営する「そばと農園 和わく」や道の駅の飲食店、龍神村の温泉旅館に「龍神そば」として提供しています。
  「龍神そば」は地元産のそば粉だけでは十分な量を確保できないため、「日本三美人の湯」というご縁をきっかけに島根県出雲産のそば粉や群馬県産の小麦粉を取り寄せ、ブレンドして使用しています。令和7年産のそばは7月下旬~8月上旬に播種し、収穫は10月上旬に実施しました。

龍神そば(もりそば)

「そばと農園  和わく」の近くにあるそば畑

そばの花

○そばの収穫と乾燥作業について
  使用しているコンバインは小型のそば専用機で、前方のローターを回転させながら刈り取る仕組みです。そばは畝があるうえ、倒れてしまうこともあるため、刈り取りには細やかな調整が必要です。当日は作業を確実に行うため、コンバインの操作は農機具メーカーの職員に委託しました。
  また、収穫したそばの実は、カビの発生を防ぐためすぐに乾燥施設で乾燥させています。その後、異物が混ざらないよう丁寧に選別し、袋詰めを行うことにより品質を維持しています。

○そば栽培の課題と工夫について
  そばは湿害に弱く生育が気象条件に大きく左右されることに加え、シカやイノシシなどによる獣害も多いため収量が安定しないことが課題。獣害対策としては主にネットや防護柵の設置により被害の軽減に努めています。
  また、圃場が分散しており、移動距離が約40kmに及ぶことから農機具の運搬に苦慮しているほか、除草や草刈りなどの日常的な管理作業は1人で担っており、負担が大きい状況です。
  一方で、農地の利用効率の向上を図るため、小規模な水田の畦畔をトラクターで撤去し整地作業や除礫作業を進めるなど、生産性向上に向けた工夫をしています。

○今後の展望について
  そばは播種後65日程度で収穫可能で粗放的に利用できる作物として活用されていますが、実際には相応の手間がかかり、農地の管理や作付準備などで毎年6月頃から作業が忙しくなるそうです。また、高齢化も進んでいることから栽培面積の拡大は容易ではありませんが、景観の保全や「龍神そば」ブランドの確立に向けて地域が一体となって取り組んでいるところであり、可能な限り継続していきたいと伺いました。
  NPO法人「ええとこねっと龍神村」による地域振興の取組によって、今後益々地域が活性化し活動が継続・発展していくことが期待されます。

収穫間近のそばの実

トラックで運搬されるコンバイン

コンバインによるそば収穫の様子

コンバインが刈り残したそばは、手刈りします

収穫したそばの実

収穫作業に参加された関係者のみなさん


 ええとこねっと龍神村:https://www.eetokonet.jp/(外部リンク)

(取材日:令和7年9月25日、
収穫:令和7年10月6日)

お問合せ先

近畿農政局和歌山県拠点

ダイヤルイン:073-436-3831