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近畿農政局

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「なっ茶フレンズ」 ~農業女子と愉快な仲間たち~






和歌山県田辺市
新規就農女子  倉谷夏美さん
料 理 人  小澤  聖さん
パティシエ  矢倉実咲さん


【倉谷さんの故郷】

倉谷さんが生まれたのは、熊野三山のひとつ「熊野本宮」が鎮座する和歌山県田辺市本宮町。2004年に世界遺産登録され、海外から訪れる人も多い地域(現在はコロナにより減少)です。
かつては、林業が盛んでしたが輸入材との競合等により今は低迷しています。
他の1次産業としては、限られた平坦な農地の水稲や野菜作、傾斜地ではお茶が栽培されており、銘茶「音無茶」の産地として知られています。


【祖父母の茶畑】

倉谷さんは、高校卒業後、大阪で管理栄養士の資格を取得し、就職を検討していた5年前に祖父が他界。高齢の祖母ひとりでは茶の生産が維持困難になりました。
「祖父母が苦労して開墾した茶畑を守りたい」
悩みぬいた結果、Uターン就農を決意されました。
農業技術は祖母や近隣の農業者から教わったり他産地に出向いて習得、また、倉谷さんは農薬を使用しない栽培法に切り替え、「なっ茶」の愛称で販売しています。
本宮町も生産者の高齢化が著しく、現在、地域で販売用にお茶を生産している農家は倉谷さん1人となってしまい、JAの煎茶施設も老朽化のため廃止されました。


【新たなコミュニティービジネス】

6月21日(火曜日)、料理人である小澤さん、パティシエの矢倉さんの呼びかけで、「なっ茶フレンズ」~「なっ茶」を知り、つながろう!~ を合言葉に、料理人3名、流通関係者1名、報道関係者1名、消費関係者3名が集まりました。

「なっ茶フレンズ」からのメッセージ
地域の伝統製茶手法(釜炒り番茶)を受け継ぎながら工夫を加え、1番茶を丁寧に選別して作られた倉谷さんの番茶は、料理人が惚れ込む逸品です。
料理人の素材目利きは、自ら農産物生産に携わったり、生産者と直に結びつくことから培われます。その作物を使って調理する際には、キチンと価値を認識し購入しなければ、持続的な関係は成り立ちません。
「使う」「使ってもらう」関係から「ともに学び未来に歩んでいく関係」を創りましょう!


【なっ茶の可能性】

小澤さんから、なっ茶を使用した創作料理5点の試作品が
披露されました。




矢倉さんからは、期間限定で販売しているなっ茶を使ったシュークリーム等が披露されました。




試食した参加者からは、
食味の良さと他の料理との親和性、未知の可能性を秘めている。
自らの調理に使いたい。
販売をしてみたい。
「Aレストランに使われているのはB農家さんの野菜!」というような、買い手(料理人)が優位な関係ではなく「なっ茶」を楽しむなら!
D料理店の○○(メニュー名)
Eレストランの○○(メニュー名)
F洋菓子の○○(メニュー名)
というように、なっ茶を中心にした今回のようなコミュニティーを作って、食べ歩きができる環境を創ることができれば来訪者も増え、地域振興にもなるのではないか。

といった感想や意見が出されました。

(編集後記)
釜炒り番茶の製法を守る若い農業者を、地域の仲間たちが支え合う心温まるイベントでした。

お問合せ先

近畿農政局和歌山県拠点

ダイヤルイン:073-436-3831
FAX番号:073-436-0914