「販路開拓の機会になると期待してフードストアソリューションズフェアに参加」
「農事組合法人 古座川ゆず平井の里(以下、「ゆず平井の里」という。)」代表理事の宇田篤弘氏からゆず平井の里の現状とゆず平井の里のゆず果汁を使用したプライベート商品を和歌山県の地場スーパーが発売した経緯をお聞きしました。

ゆず平井の里の組合員は 89 名。限界集落である古座川町平井地区において、過疎の村を活性化させる取り組みとして特産品のゆずを使い、生産・加工・販売までの6次産業化を実現していますが、農家の高齢化による栽培管理や防除の難しさに加え獣害などから単収は、最盛期の頃に比べると下がっているのが現状です。

ゆずの収穫期間は 11 月から始まり、11 月末までには終了します。ゆず平井の里の年間生産量は 100~120 トンです。
販売先は、生果では約1割程(10 トン)を紀ノ川農協(販売農協)を通じ全国の生協産直などで冬至用として販売していますが、生果で販売する以外は搾汁して果汁に加工しています。
ゆずの果汁割合は、生果の重量比で 17%。
年間では 17 トン程度の果汁を絞っています。

このプライベートブランド商品は、フードストアソリューションズフェア2022の参加がきっかけで、大手食品商社がゆず平井の里のゆず果汁を使用した缶チューハイ(果汁2%)を製造・販売を行った。地場スーパー直営の全店舗で7万 2 千本限定で販売されました。
今年9月に開催のフードストアソリューションズフェア 2023 にも参加しました。新たなパートナーとなる事業者等との商談を楽しみにしています。

今回はスポット取引でしたが、平井地区の明るい話題となり、組合員にも喜んでもらえ、頑張ろうという活力が生じるなど、この地区の地域振興に多少なりとも役立ったと考えています。
ゆず平井の里には加工施設があり、作業場で働く従業員は16人程ですが、小ロットでの食品の製造加工が可能なことが強みであることから、地場スーパー等からの新たな商談に応えたいと思っています。

今回のプライベート商品の発売をきっかけに、新たな取引にも繋がっていければと期待しています。
例えば、ゆずの搾汁後に発生するゆずの皮は、現在、果樹園地のたい肥として利用していますが、重量比で約25%を占めることから、ゆずの皮を活用した新商品が作れないかをスーパー等と協同して開発を進めていければと思っています。

また、連携先の紀ノ川農協から「八朔」の搾汁作業を請負、搾った八朔果汁を使用した商品(ゼリー)を製造するなど、連携する事業者と協同した商品作りにも取組みたいと考えています。
* 古座川 ゆず平井の里 ホームページ
https://www.yuzusato.jp/
お問合せ先
近畿農政局和歌山県拠点
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