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近畿農政局

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持続可能な林業~木を伐らない林業~


「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」(第10回)で、ビジネス・イノベーション部門に選定された(株)中川を訪問し、お話を伺いました。

(株)中川は、和歌山県田辺市で「木を伐らない林業」を提唱し、育林に特化した林業を行っています。また、地域の子供たちや高齢者が拾ったどんぐりを活用して里山の再生を行い、環境に配慮した持続可能な林業を実践しているほか、田辺市との災害時資材運搬協定締結等の地域貢献活動、林業用大型ドローンの開発による資材運搬の省力化など、重労働のイメージがある林業の働き方を一新し、働きやすい林業の構築による雇用創出に貢献しています。

また、森林の所有者が収益を得られる仕組みを作るため、J-クレジットの創出にも積極的に取り組むなど、いま林業界で注目されている会社です。


(株)中川【左:代表取締役の田中さん、右:森林施業プランナーの中川さん】






【林業用大型ドローン】


2019年に林業用大型ドローンの開発により、労働の省力化や資材運搬時の安全性の向上とともに、現場の女性雇用も可能になりました。
現在、ほとんどの社員がドローンの免許を取得しており、オペレーターとして活躍しています。




【晴雨を繰り返しどんどん成長するドングリの苗】


(株)中川では、2017年から地元の中小企業や障がい者雇用施設、地元の中学校、工務店等とも協力し、耕作放棄地や空き地を利用して、地域で拾ったドングリの育苗を行っています。




【自社駐車場で自動潅水のもと育苗中】


上段が2年目の苗で今年の秋以降に出荷となります。下段は昨年秋に、は種した苗で、発芽までは直射日光が当たらないように遮光シートを被せ、自然に近い状態を作り、光と水を管理して発根を促しています。




【しっかり根を生やすドングリの苗】


ドングリの苗は、未来の山を作る原点となり、30年後の地下水を育む大切なもの。だからこそ、一切の農薬を使わずに育てることにこだわっています。

出荷前には植林する山の土を足して微生物の状態を合わせて、苗の活着率を上げているなど、手を抜くことはありません。





「トトロが住むような森を和歌山に増やしていきたい」という中川さんのお言葉が印象的でした。子供たちの未来を一番に考え、柔軟な発想と行動力で林業界に新しい風を吹かせている(株)中川の取組みに今後も注目しています。

お問合せ先

近畿農政局和歌山県拠点

ダイヤルイン:073-436-3831