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近畿農政局

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「ゼロからの挑戦!」 ~若い力で「有田みかん」を守っていく~

和歌山県有田市  竹内農園  竹内  算浩さん

  有田市で、温州みかん、清見オレンジ、レモンなどの柑橘類を栽培している「竹内農園」の竹内 算浩さんにお話を伺いました。

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〇就農したきっかけ
 農業とは全く異なる仕事に就いていた竹内さんですが、体調を崩し、療養のため地元の有田市に戻りました。
 その後、療養を兼ねてみかん農家でアルバイトを始め、「自然の中で働く心地よさ」を感じました。また、太陽の下で体を動かすことで心身ともにリフレッシュし、体調も次第に回復していきました。そして、「この仕事を天職だ」と感じた竹内さんは、農業の道に進むことを決意しました。

〇「竹内農園誕生!」独立までの道のり
 みかん栽培について、全く知識がなかった竹内さんでしたが、知り合いの農業者のすすめで農業法人に就職しました。農業法人では、土づくりから収穫までのノウハウを学び、自身でもみかんに関する専門書を読むなど独学を重ね、熱心に技術の習得に励みました。
 8年間の経験を積み、栽培方法に自信が持てるようになった竹内さんは、「自分の手で一からみかんを作りたい」という思いから、農業法人を退職して独立し農業を始める準備を進めました。

takeuchi_2.JPG※独立当初から使用している剪定道具一式

 独立当初は園地や農機具はなく、「収穫ばさみ1本」からのスタートでしたが、将来への不安よりも、「これから、更に頑張って自分の農園を作っていくんだ!」という思いの方が強く、やる気に満ち溢れていました。
 その後、行政機関に新規就農の相談をするとともに、知り合いの農業者から園地の管理を任され、多忙な日々を過ごしました。その間、農業者との人脈づくり等に努めました。また、資金を貯め、売り出されていた園地や高齢者が手放した園地を引き継ぐなど、徐々に面積を拡大させ、農機具も揃えていきました。

〇現在の竹内農園

takeuchi_3.JPG※たわわに実った温州みかん

 竹内農園は、年々園地を拡大しており、2026年には5haに達する予定です。
 園地の管理は、竹内さんを中心にアルバイト3名とともに日々農作業に汗を流しています。

takeuchi_4.JPG※温州みかんを収穫する竹内さん

 「自分の園地なので、好きな時に休み、思い立ったら行動できるという自由があります。しかし、木は正直で、かけた手間はすべて自分に返ってきます。収穫する果実は、これまでの仕事への姿勢を映す通信簿のようなものです」と話されました。


〇竹内さんの心強い相棒

 2月以降に収穫する清見オレンジは、ヒヨドリなどによる鳥害が多くなります。そこで竹内さんは、鳥害対策として、北米産の鷹(ハリスホーク)を飼育することにしました。
 まだ、幼いため本格的な訓練はこれからですが、鷹がいる園地にはヒヨドリやカラスは近寄らないそうです。
takeuchi_5.JPG※竹内さんは、愛情をかけて育てています。今後の成長が楽しみですね。

〇「やりたいと思うことは全部やりたい!」~これからの抱負~


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 竹内さんが目指しているのは、
 「将来、みかん農家になりたい人たちの受け皿となり就農を支援すること」
 「障がいを持つ人たちが農業分野で活躍できる場を作ること」です。
 そのために、園地の規模拡大や整備、人脈等をフル活用して、「竹内農園の法人化」を目指しています。

 「就農して苦労したことは何ですか?」と尋ねると、「苦労と感じたことはあまりないです」と、にこやかな表情で答えてくれました。
 「やりたいと思うことは全部やりたい。そのための努力は惜しまない」竹内さんの挑戦はこれからも続いていきます。



(取材日:令和7年11月18日)

お問合せ先

和歌山県拠点地方参事官室

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