
秋田ふき R4.5.26
秋田の知り合いから「秋田ふき」をいただきました。 秋田ふきは、葉の直径が1~1.5メートル、草丈が1~2メートルにもなる大型ふきで、秋田の伝統野菜です。 積雪の多い寒冷地に適していて、関東や西日本などの暖かい地域では大型に育たないとのこと。
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雪解けの3月頃、ふきの蕾部分の「ふきのとう」が顔を出し、花が終わって地下茎から出てきた葉の柄の部分(茎)が秋田ふきです。 葉の形はハート型にも見えますね(*^_^*)
収穫期の6月になると、秋田ふきの主な産地である秋田市仁井田地区や鹿角市花輪地区では、かすりの着物にもんぺ姿の秋田おばこ(秋田の方言で若い年頃の娘のこと)による刈り取り撮影会があり、多数のメディアやカメラマンが駆けつけるのだとか。 テレビなどで見たことはありませんか?
こんなエピソードもあります(^O^) 江戸時代、秋田藩主佐竹公が江戸城で、傘の代わりにもなるふきの大きさを自慢したところ、諸大名から信じてもらえなかったことから、秋田ふきを江戸に運ばせて名誉を挽回したというもの。 秋田ふきが全国に知られるきっかけとなったと言われています。
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茎の太さは3センチほどで、空洞が大きいのが特徴。 ふき特有の風味がありますが、普通のふきよりも硬めなので砂糖漬けや佃煮などに加工されることが多いとのこと。 また、ふきの姿を直接摺り染めにした「秋田蕗摺(あきたふきずり)」による屏風やふすま、風呂敷などが作られ、現代でもその伝統が引き継がれているそうです。
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かさばるので、葉を取り除き茎を短く切った状態でいただきました。 茎は本当に太いです(^^ゞ 収穫直後から時間の経過とともににアクが強くなるので、早めに下処理します。
【下処理】 1.秋田ふきは、フライパンや大きな鍋などに入る長さに切り、まな板にのせて大さじ山盛り1杯位の塩を振りかけ、ふき同士をこすり合わせるように板ずりをします。 2.お湯をたっぷり沸かして、塩がついたままの秋田ふきを入れ、5分程度茹で冷水にとります。 3.秋田ふきの太い方の端から5cmほど皮をむき、一周したら全部まとめてひっぱって皮をむきます。 4.むき終えたふきを米のとぎ汁に30分浸してアク抜きをし、洗ったら下処理終了。
すぐ使わない場合は、水を入れた保存容器に浸したまま冷蔵庫で保存します。 秋田ふきの炒め煮にしてみました。
【秋田ふきの炒め煮】 〇材料 秋田ふき(茹でたもの)200グラム、椎茸2枚、こんにゃく半分、さつま揚げ2枚、 調味料(しょうゆ、酒、みりん各大さじ2、 砂糖大さじ1、和風だしの素少々、水100cc)
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1.秋田ふき、こんにゃくは食べやすい大きさに切り、椎茸、さつま揚げは薄切りにします。 2.鍋にサラダ油を熱し、秋田ふきから順に食材を入れて炒め、調味料を加えて弱い中火で汁気がなくなるまで炒め煮して出来上がり。 *食材や調味料はお好みに合わせて加減して下さい。
ふきは、言わずと知れた食物繊維が豊富な野菜。他にはカリウムや、ポリフェノールを含み、抗酸化作用があり生活習慣病の予防に効果があると言われています。 通常のふきでも同様に作れますので、参考にしてくださいね(^-^)
令和4年5月26日
山形の郷土料理「おかひじきの辛し和え」 R4.5.20
今回は山形県村山地域、置賜地域の伝統野菜を使った郷土料理「おかひじきの辛し和え」をご紹介します。
スーパーなどでも山形県産のおかひじきを見かけますが、皆さん、食べたことはありますか?
おかひじきは、もともと海岸に自生する野草で、見た目が海藻のひじきに似ていることからこの名が付いたとのこと。 江戸時代の初期、山形県庄内浜に自生していたおかひじきの種が、最上川を船で上り船着場のあった砂塚村(現南陽市)に植えられたのが栽培の始まりとされており、南陽市がおかひじきの発祥の地と言われています。
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近年はハウス栽培やトンネル栽培が主流で、3月下旬から10月頃にかけて数回に分けて収穫されています。 露地物は4月から6月まで食べられるので、まさに今が旬ですね♪
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おかひじきには、カルシウムやカリウム、鉄、マグネシウムなどのミネラル分が多く含まれています。 またキャベツと比較すると、カロテンが172.2倍、ビタミンAが170倍も含まれているそうですよ。 栄養豊富な食材ですね(^○^)
茹でると色鮮やかな緑色で、シャキシャキ食感が特徴のおかひじき。 クセもなく、どんな料理にも合いますが、昔から山形で食べられてきたのは「辛し和え」なのだそうです。 辛し和えは、おかひじきの美味しさが最も引き立つ、シンプルな食べ方なのだとか。 マヨネーズで和えたり、卵焼きや味噌汁に入れても美味しいそうですよ♪
旬のおかひじきを買って、辛し和えにしてみました。
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【おかひじきの辛し和え】 〇材料 おかひじき1袋(100グラム)、 しょうゆ(または麺つゆ)大さじ1、 和辛し少々 *お好みで調味料を調整します。
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1.おかひじきは、塩少々を入れた熱湯で1分半~2分程度色よく茹で、ザルに取り冷水にさらして水気を切ります。 2.ボウルにしょうゆと和辛しを混ぜ、1.のおかひじきを入れ、からめて出来上がり。
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茹でて混ぜるだけなので、とても簡単です♪ シャキシャキ食感がクセになります。 ピリっと辛くて美味しいですが、お子様にはマヨネーズ和えの方が良いかもしれません(^^ゞ
山形のおかひじきは、栽培の難しさなどから後継者不足が課題となっていて、地元有志の方々が保存活動に取り組んでいるそうです。 これまで長く親しまれてきた貴重な伝統野菜ですから、いつまでも大切に継承していってほしいものですね。
令和4年5月20日
アスパラガス R4.5.12
皆さん、ゴールデンウィークはどのように過ごされましたか?
かえって疲れたという方もいらっしゃるかもしれませんね。
アスパラガスがおいしい季節です♪ 先日、お店で3種類のアスパラガスを見つけました。 緑色の「グリーンアスパラガス」と白色の「ホワイトアスパラガス」、紫色の「紫アスパラガス」です。 普段よく見かけるのはグリーンアスパラガスですね。
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グリーンアスパラガスとホワイトアスパラガスは、実は同じ品種で栽培方法が違うだけってご存じでしたか? グリーンアスパラガスは、日光をたくさん浴びさせて光合成をすることによって緑色になり、ホワイトアスパラガスは、盛り土などで日光が当たらないように栽培するため白いまま成長します。 紫アスパラガスは、ポリフェノールの一種であるアントシアニンという色素を含んでいる別の品種です。
アスパラガスの原産地は地中海東部で、江戸時代に観賞用として日本に伝わりました。 明治初期、北海道開拓に伴い食用の種が導入され、本格的な栽培が始まったのは大正時代のこと。 当時、北海道の農学博士が、冷害にも耐え得る強い作物としてホワイトアスパラガスの栽培に成功し、缶詰を輸出用に生産するようになったそうです。 昭和20年以降、寒冷地に向く加工野菜として脚光を浴び、北海道、東北、中部高冷地を中心にホワイトアスパラガスの栽培が盛んになりました。 昭和30年代にはグリーンアスパラガスが登場し、ホワイトアスパラガスよりも手間がかからず、ビタミンAやカロテンなどを多く含み栄養価が高いこともあって生産量が増え、今ではグリーンアスパラガスが主流となっています。 紫アスパラガスが栽培されるようになったのは、近年のこと。 アスパラガスに歴史あり、ですね。
それぞれの特徴としては、グリーンアスパラガスはやや青臭みがある甘さ、ホワイトアスパラガスは食感が柔らかくほんのり甘みがあります。
また、紫アスパラガスは、形や大きさはグリーンアスパラガスとほとんど同じで、グリーンアスパラガスよりも甘味と香りが強め。 加熱すると、紫色から緑色に変色しグリーンアスパラガスのようになります。 鮮度がよいものは生でも食べられるそうですよ(^O^)
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【茹でた紫アスパラガス】 |
アスパラガスはシンプルに茹でても、炒めても美味しいですが、それぞれの素材を生かしたレシピを見つけたのでご紹介します。
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【ホワイトアスパラガスのフライパン茹で】 〇材料 ホワイトアスパラガス5本、水500㏄、 茹で(塩、レモン果汁(酢でも加)各小さじ半分)、 調味(オリーブオイル、塩、こしょう各適量)
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1.アスパラガスは根元の硬い部分を切り落とし、穂先の下からピーラーで皮をむきます。 2.フライパンに水、1の根元と皮、塩、レモン果汁を入れて火にかけ、沸騰したら1のアスパラガスを加え、蓋をして弱火で15分位茹でます。
 3.2のアスパラガスを皿に盛り、オリーブオイル、塩、こしょうを振りかけて出来上がり。 *ゆで汁は捨てずに、お好みの調味でスープにすると美味しくいただけますよ♪
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【紫アスパラガスのオリーブオイル漬け】 〇材料 紫アスパラガス3本、 オリーブオイル大さじ2、塩適量 *アスパラガスは生のまま調理します。
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1.アスパラガスは根元の硬い部分を切り落とし、根元から半分位のところからピーラーで皮をむき、斜め薄切りにします。 2.ジッパー付きのポリ袋に1のアスパラガス、オリーブオイル、塩を入れ、全体に馴染ませたら袋の空気を抜き、冷蔵庫で1時間以上冷やして出来上がり。

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【グリーンアスパラガスの豚肉巻き】 〇材料 グリーンアスパラガス5本、 豚バラ肉10枚、塩、こしょう各少々、 合わせ調味料(酒、みりん、しょうゆ各大さじ2、砂糖大さじ1)
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1.アスパラガスは根元の硬い部分を切り落とし、根元から半分位の皮をピーラーでむき、半分の長さに切ります。 2.豚バラ肉に塩、こしょうを振り、1のアスパラガスを巻きます。 3.フライパンに油をひいて熱し、2の巻き終わりを下にして並べ、火が通るまで焼きます。 4.合わせ調味料を加えて、照りが出るまで中火で熱して出来上がり。
アスパラガスにはアミノ酸の一種であるアスパラギン酸という成分が含まれていて、新陳代謝を促し疲労回復やスタミナ強化の働きがあるそうです。 アスパラガスを食べて、ゴールデンウィークの疲れを吹き飛ばしましょう(^^♪
令和4年5月12日
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