 
凍り豆腐を作ってみました R5.1.27
寒の季節です。 今週はこの冬一番の寒波が流れ込み、全国的に大雪や強い冷え込みに見舞われています。 路面の凍結、体調管理にはくれぐれもお気を付けくださいね(^-^)
今回は、寒さ厳しい季節に作られ、古くから保存食として重宝されてきた日本の伝統食材「凍り豆腐」についてお伝えします。
凍り豆腐には「高野豆腐(こうやどうふ)」と「凍み豆腐(しみどうふ)」の2系統があり、この二つの統一名が「凍り豆腐」と呼ばれるそうです。 |
 手前:高野豆腐、奥:凍み豆腐 |
高野豆腐の由来は、鎌倉時代、高野山の僧侶が精進料理として食べていた豆腐を外に置き忘れ、冬の寒さで凍ってしまい、翌朝溶かして食べてみて美味しかったことから広まったのだとか。 一方、凍み豆腐は、信州や東北で鎌倉時代から冬の食材として作られ、宮城県では伊達政宗公が兵糧に最適な保存食として目を付けたとの言い伝えがあるそうです。
当初はどちらも豆腐を凍らせた同じような作り方でしたが、江戸時代には、凍った豆腐にお湯をかけて溶かし水を絞ってから乾燥させる高野豆腐と、自然乾燥させる凍み豆腐の製法に分かれました。 凍ることで氷の結晶が豆腐の中にでき、溶ける際にその結晶部分が空洞になるため、スポンジのように水分が染み込む状態になるのが凍り豆腐の特徴です。
東北では「凍み豆腐」が馴染みのある呼び名ですが、地域によって「連豆腐(れんどうふ)」「ちはや豆腐」「一夜凍り(いちやごおり)」と呼ばれることも。 現在では、天候に左右されない製法により工場などで作られるようになりましたが、宮城県大崎市岩出山では今でも昔ながらの手作りで独自の製法を守り続けており、岩出山凍り豆腐として国の地理的表示(GI)*にも登録されています。
豆腐(凍り豆腐)の原料である大豆は、「畑の肉」と言われるほどタンパク質が豊富。 そのほか、大豆イソフラボンや、カルシウム、鉄、食物繊維などが多く含まれており、食後の血糖値の上昇を抑えたり中性脂肪の値を下げる働き、免疫効果を高める効果があると言われています。 凍り豆腐は、ヘルシーでありながら栄養成分がギュッと濃縮された食材なのですね(^o^)
凍り豆腐について調べていたら、なんと冷凍庫でも作れることを発見したので、豆腐から凍り豆腐を作ってみました♪ 木綿豆腐と絹ごし豆腐の両方で試してみることに(^O^)
【凍り豆腐 冷凍庫で自家製バージョン】 1.豆腐をキッチンペーパーで包み、軽めの重しを乗せて水気を切ります。 *よく水を切ることがポイント! 2.保存用袋に入れて、冷凍庫で凍らせます。
3.使用する際に冷凍庫から出して、半日程度冷蔵庫で半解凍にします。 4.食べやすい大きさに切り、手のひらで押さえるように水気をしぼって出来上がり。
右側が木綿豆腐、左側が絹ごし豆腐です。 木綿豆腐はスポンジ状、絹ごし豆腐は湯葉状に。 豆腐の水切りが足りなかったせいか、少々目が粗くなりました(^^ゞ 通常、乾燥してある凍り豆腐はぬるま湯で戻して使用しますが、お手製凍り豆腐は、このままお料理に。木綿豆腐と絹ごし豆腐を半分ずつ使って、含め煮にしてみました♪
【お手製凍り豆腐の含め煮】 ○材料 お手製凍り豆腐(豆腐1丁分) 水400cc 調味料 (砂糖、薄口しょうゆ、みりん各大さじ2、 酒大さじ1、塩少々、和風だしの素小さじ2) *お好みで、塩茹でしたさやえんどうを適量
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 左:絹ごし豆腐製、右:木綿豆腐製 |
1.鍋に水と調味料を入れて火にかけ、煮立ってきたら凍り豆腐を入れます。 2.再び煮立ってきたら落とし蓋(クッキングシート)をして、弱めの中火で 15分程度煮て出来上がり。お好みで、さやえんどうを添えます。

見栄えはともかく、どちらも煮汁の優しい味がジュワッと口の中いっぱいに広がり、美味しいです。 木綿豆腐の方が少し弾力があって歯応えがあり、絹ごし豆腐は柔らかめ。
実は、凍り豆腐は小さい頃から苦手だったのですが、手作りの凍り豆腐で作った含め煮は絶品で、概念が変わりました(^^)v 含め煮、おすすめです♪
令和5年1月27日
どんと祭 R5.1.19
「食育ブログをみんなで書いてみよう」第ニ弾は、食育ブログのために食材や話題など度々提供してくれるTHさんからのお届けです。今回は、全国各地で行われているどんと祭についてご紹介します(*^o^*)
宮城県では「どんと祭」と呼ばれていて、1月14日に行われていますが、他の地域では、「左義長(さぎちょう)」「どんど焼き」「おさいと」などと呼ばれていて、小正月(1月15日)頃に行われているようです。
正月飾りで出迎えた年神を、それらを焼くことにより炎とともに見送る意味があるとされています。
山形市の郊外にある「本沢地区」の湯田という集落では、一度途絶えたどんど焼きを30数年前に復活して、これまで続けているとのこと。 そこでは「湯和湯和(ゆわゆわ)」と呼んでおり、1月第2日曜日(成人の日の前日)に行われるようになり、今年は1月8日(日曜日)に行われました。
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【準備】 田んぼの跡に長い竹を4本組んで、その周りに乾燥させ稲わらを積み上げて、三角錐の本体を作って「湯和湯和」の準備が完了します。
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【祭り開始】 すっかり暗くなった18時に、集落の地蔵尊のろうそくの松明に火を移し、その松明を先頭に、「六根清浄(ろっこんしょうじょう)」と唱えながら、護摩木を持ち、地蔵俵を担ぎながら行列を作って会場まで進んでいきます。会場では松明を積み上げたわら(さいと)に点火して「湯和湯和」が始まります。 護摩木を焚きあげ、そのあと各家庭から持ち寄った「注連(しめ)飾り」「お札」「お守り」などを焼いていきます。
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今年は、風が強くわらが乾燥していて、一気に燃え上がりました。
その後、無病息災や家内安全を祈願しながらの恒例の火渡りも行われ、無事終了しました。

【おまけ】 ここ本沢地区のコミュニティーセンターでは、毎年地元の小学生と一緒に「だんご木」飾りが行われています。 「だんご木」(ミズキ)は、一年の福を呼ぶ縁起物です。家内安全・年祝い・学業成就・無病息災・厄払い・火難除け・五穀豊穣等を祈願し、縁起物のえびす・大黒・千両箱・宝船・小判・鯛などの「ふなせんべい」や紙飾りで飾りつけます。 そして、枝についている4色のだんご(餅)が表しているのは春夏秋冬とのこと。 今年も大きなだんご木が飾られました。山形市では、毎年1月10日に初市が催され、だんご木や飾りを購入することができるそうです。

令和5年1月19日
ちぢみほうれんそう R5.1.13
寒い日が続いています。 仙台では、昨日今日と日中は10℃を超え、束の間の冬の休息という感じです。
皆さんは、冬の野菜「ちぢみほうれんそう」をご存知でしょうか。 見た目は、名前のとおり普通のほうれんそうよりも葉っぱが縮んでいます。 |
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冬に出回るほうれんそうは、一般的にはハウスやトンネル栽培で生産されますが、ちぢみほうれんそうは、路地で寒さや霜にさらす「寒締め栽培」で育てるのが特徴です。 そうすることで、ほうれんそうが寒さから身を守るため地面に張り付くような姿で育ち、厚めの葉っぱにぎゅっと縮んだようなシワが入るとのこと。
 葉の表面 葉の裏面
さらに、寒さで凍らないように、ほうれんそう自身が水分を減らし糖度を蓄えようとするため、ほかの時期に比べ甘みが強くなり、糖度は最も高い時でなんと14以上にもなるそうです。 果物並みの甘さですね!
ほうれんそうは、ビタミン類やミネラルなどをバランスよく含んだ栄養価が高い緑黄色野菜といわれています。 中でもβ-カロテン、ビタミンC、鉄、カリウムが豊富で、冬場のほうれんそうのビタミンCは夏場の3倍も含まれているのだとか。
ちぢみほうれんそうは全国で栽培されていますが、もともとは宮城県東松島市(矢本地区)が発祥の地とされており、旬は11月から2月とのこと。 甘みの基準を満たしたものだけが出荷され、寒ければ寒いほど甘みやうまみ、栄養価が増すそうです。 また、葉先より根元の方が甘くて栄養も多く含まれているそうなので、捨てずに根元まで食べましょう(^O^)
近くのスーパーで、宮城県東松島市産のちぢみほうれんそうを見つけたので買ってみました♪ 一般的なほうれんそうは根本を揃え束ねて袋詰めされていますが、ちぢみほうれんそうは葉が横に綺麗に広がった状態で2株、パンパンに袋詰めされていました。 束には出来ないのですね。袋詰め作業が大変そう(^^ゞ) 袋から出したら葉っぱがお花のようにフワっと広がりました(^O^)
食べ方としては、ごま和えやおひたしが定番ですが、炒め物やみそ汁、スープにしても美味しくいただけます。 今回は、ちぢみほうれんそうでパスタを作ってみました♪
【ちぢみほうれんそうの和風パスタ】
○材料(2人分) パスタ200g、ちぢみほうれんそう1株、 厚切りベーコン3枚、しめじ1株、 バター10g、オリーブオイル適量、 にんにく(チューブ)3センチ、 塩、こしょう適量、しょうゆ大さじ1、 和風だしの素小さじ1、 パスタの茹で汁大さじ3 |
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1.ちぢみほうれんそうは葉を1枚ずつよく洗い、水気をふきとり適当な幅に切ります。ベーコン、しめじは食べやすい大きさに切っておきます。 2.鍋にお湯を沸かし、パスタを表示時間で茹でます。 3.フライパンにオリーブオイル、にんにく、ベーコンを入れ中火にかけます。 4.ベーコンがしんなりしてきたら、 しめじ、ちぢみほうれんそうの順に加えて炒め、塩、こしょうし、バターを加えて溶かし、さらに和風だしの素、茹で汁大さじ3、しょうゆを加え炒めます。 5.4.にゆであがったパスタを加えて混ぜ合わせ、出来上がり。 *お好みでしょうゆ、塩、こしょうで味を調整します。
ほうれんそうは、動物性タンパク質のベーコンと合わせることにより、鉄分をより効率よく吸収することができます。 パスタでも美味しくいただけましたが、ちぢみほうれんそうの甘みがより感じられるのは、おひたしが一番かもしれません(^^ゞ うまみが凝縮された冬ならではの「ちぢみほうれんそう」、お店で見つけたらぜひ食べてみてくださいね(^O^)
令和5年1月13日
お正月の郷土料理「氷頭なます」 R5.1.6
明けましておめでとうございます。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。
3年ぶりに行動制限のない年末年始を迎え、ご家族や友人と久々に再会できた方もいらっしゃるのではないでしょうか(*^_^*) |
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今回ご紹介するのは、岩手県に伝わるお正月の郷土料理「氷頭なます(ひずなます)」です。
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「なます」は、全国でもおせち料理の定番として親しまれていますが、かつて、生魚に大根、人参を加え酢の物として食べられていたことから「なます」と名付けられ、その色合いがお祝いの水引のように紅白であることから縁起物とされています。
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「なます」に組み合わせる素材は地域によってそれぞれ特色がありますが、岩手県をはじめ、北海道や北東北、北陸などでは「氷頭」をスライスして加えた「氷頭なます」が食べられています。 「氷頭」とは鮭の鼻先の軟骨部分のことを言い、氷のように透き通っていることからこの名前が付いたとのこと。 秋鮭の水揚げが盛んな岩手県。宮古湾に注ぐ清流「津軽石川」は鮭の遡上する川として有名で、この地域で獲られる鮭の雄は、11月中旬から1月下旬頃に産卵の時期が近づくと口先が曲がり、「南部鼻曲がり鮭」と呼ばれ「県の魚」に制定されています。 氷頭は、一匹から少ししか取ることができない希少部位で高級品。平安時代には氷頭が朝廷へ奉納されたと言う記述もあるそうですよ。
また、氷頭にはコラーゲンやコンドロイチン、プロテオグリカンなど、肌や軟骨に大切な成分が豊富に含まれているとのこと。 お肌が乾燥しがちな今の季節には、嬉しい食材ですね(*^_^*)
氷頭調理の下処理のポイントは、生鮭の頭の鼻先を半分に切って固い骨を取り除き、それを薄切りにして透明感が出るまで数回水洗いした後、酢に漬けておくことで生臭みが消えるそうです。
年末にスーパーで、スライスされた氷頭の酢漬けを見つけたので、そちらを使って氷頭なますを作ってみました♪
 【氷頭なます】 ○材料 氷頭スライス1袋(140g)、大根150g、人参30g、 調味料(酢大さじ3、砂糖大さじ1、塩小さじ2分の1) *お好みで、いくら少々。
1.大根とにんじんは千切りにして、塩水(分量外)につけてしんなりさせ、水気を切ります。 2.1.に水気を切った氷頭を合わせ、調味料を加えて混ぜ合わせます。 3.2.を器に盛り、お好みでいくらを散らして出来上がり。
 見た目が華やかで、お正月にピッタリ♪ 氷頭のコリコリとした触感が独特で、なますとの相性も良くさっぱりといただけます。
 柿なます |
ちなみに私の出身、宮城県県南地域では、干し柿を加えた甘めの「柿なます」を作ります。 味わいは全然違いますが、それぞれに美味しいです(*^_^*)
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昨年末の食育ブログで「玉紙」についてご紹介したところ、宮城出身の方には馴染み深いものでしたが、東北でも他県出身の方々からは初めて聞いたとの声ばかり。「玉紙」にしろ「なます」にしろ、地域によって文化が異なることを改めて知りました。
これからも「地域あるある」の情報もお届け出来ればと思っております。 食育ブログで取り上げてほしい話題、郷土料理などがありましたら、ぜひお寄せください♪ |
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令和5年1月6日
青森の郷土料理「きんかもち」 R4.12.23
今年も残すところあと一週間あまりとなりました。 何かと慌ただしい時期ですが、心にゆとりを持って過ごしたいものですね(*^_^*)
今回は、年取り(大晦日行事)や送り盆のお供えとして伝わる青森県南部地方の郷土料理「きんかもち」をご紹介します。
きんかもちは、くるみ、みそ、黒砂糖を混ぜたあんを小麦粉の生地で包み茹でたもので、半月状の形が特徴です。
古くから「やませ」による冷害に悩まされた南部地方では、稲作の不作対策として小麦や雑穀が栽培され、きんかもちは、そのような食文化から生まれた料理のひとつとのこと。 年取りやお盆以外にも、農作業の合間の小昼(こびる:休憩のこと)や人が集まる時のおやつとしても食べられてきました。 |
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きんかもちの名前の由来は、黒砂糖が高価だったことから「金貨」、贅沢品であったことから「金華」など諸説ありますが、地域や家庭によって作り方や呼び名が様々なようです。 穀物を入れる袋の「かます」に似ていることから「かますもち」、農作業の時に被る「ばぼり笠(編み笠)」の形に似ていることから「ばぼりもち」、耳の形に似ていることから「みみっこもち」。 岩手では、草を刈る鎌に形が似ていることから「かまもち」、火打石の形に似ていることから火打が鈍って「ひゅうずもち」などなど。 同じような料理なのに、こうも名前が違うと面白いですね(^o^)
ネットであれこれ調べ、見よう見まねで「きんかもち」を作ってみました♪ 果たして、これで合ってるのかしら(^^ゞ
【きんかもち】 ○材料 約6個分 生地(小麦粉220g、塩少々、熱湯250 g) あん(くるみ20 g、みそ10 g、黒砂糖20 g) |
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1.くるみを細く刻み、みそ、黒砂糖と混ぜておきます。 2.小麦粉に塩を入れふるいにかけます。
3.2.の小麦粉に熱湯を2~3回に分けて入れて混ぜ合わせ、耳たぶ位の硬さになるまでこね、生地を60gずつ分けます。 4. 3.の生地に小麦粉をつけて丸めて手のひら大に伸ばし、1.のあんをのせ、あんが出ないように包み半月形に整えます。
5. 鍋にたっぷりのお湯を沸かして4.を茹で、浮き上がったら2~3分茹でて差し水をし、さらに2~3分茹でたら冷水にとり軽く洗って出来上がり。
くるみの風味と食感に、黒砂糖とみその甘辛さがよく合いますね。 噛んだ時に口の中に溶け出るあんが美味しいです。 食べる際に失敗してあんが飛び出し、手や服を汚してしまうのも「きんかもち」あるあるなのだとか。 ほっこりする情景ですね(*^_^*)
さて、今回が今年最後の食育ブログとなります。 「楽しみに読んでいます」「参考になりました」との温かいお声がけに、とても励まされています。今年も食(ク)リックひろばをご覧いただきありがとうございました。 どうぞ良いお年をお迎えくださいませ(^o^)
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【おまけ】 左の画像は、何だかご存知でしょうか。 これはお正月に神棚に飾る「玉紙」というものです。 宮城では年末が近づくとスーパーなどで売られているのですが、宮城県を中心とした岩手県、福島県の一部の文化とのこと。
中央に描かれる赤いものは、願いが叶う不思議な玉と言われる宝珠の玉。 ほかに、縁起が良いえび、鯛などが描かれています。
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令和4年12月23日
メカジキ R4.12.16
このたび「食育ブログをみんなで書いてみよう」という新企画のもと、東北農政局食育担当スタッフによる食育ブログをランダムに掲載することになりました。 いつもとはひと味違う、新しいカラーの食育ブログをどうぞお楽しみください♪ 第一弾は、我が食育推進班の頼れるリーダー、K Kさんからお届けします(*^o^*)
今回は、秋から冬に最も脂がのって食べ頃になる魚「メカジキ」をご紹介します♪
メカジキは、スズキ目メカジキ科唯一の現生種(※1)です。日本で獲れるカジキの仲間には、ほかに「マカジキ」「バショウカジキ」「フウライカジキ」「クロカジキ」「シロカジキ」がいますが、これらは全てマカジキ科の魚です。 なお、昔はスーパーなどでカジキを「カジキマグロ」という名称を表示して販売されていたこともありましたが、分類学的にはカジキとマグロは全く違う種類の魚です。 |
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(※1)「現生種」とは生きている個体が存在する種のこと。
メカジキの最大の特徴と言えば、顔の前方に両刃の剣のように長く扁平に突き出している上顎ですが、この部位は「吻(ふん)」と呼ばれ、カジキの中でも最長と言われています。 その形状がメカジキの英語名「Swordfish(剣魚)」の由来となり、学名の「Xiphias gladius」も古代ローマ時代の剣「グラディウス」から名付けられました。
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漢字ではメカジキを「目梶木」などと書きますが、船の舵を取る木材「梶木」をも吻で突き通すことから、元は「梶木通し」と呼ばれたのが省略されて「カジキ」になったという説が有力です。
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また、メカジキはカジキの中でも目が大きいことから「目梶木」と書かれるようになったとか。
メカジキはカジキの中でも最も体が大きく、成魚は体長4~5メートルほどになり、大きい個体だと体重が500キログラムを超えるそうです。 こんなに巨体なメカジキですが、カツオやマグロよりも速く泳げる魚界のスプリンターなんです。最速だと、時速100キロメートルを超えるスピードが出せるとか。そんな魚にぶつかって来られたら、小さな船だとひとたまりもないでしょうね (^0^;)
そして、メカジキの漁獲量日本一の地は宮城県だと言うことを、皆さんご存じでしょうか。 令和3年度の漁獲量約5,500トンのうち、約2,100トン(38.2%)を宮城県が占めており(※2)、その主な水揚げ地は気仙沼市です。 気仙沼市では「気仙沼メカジキブランド化推進委員会」を結成し、官民一体となってメカジキの魅力を発信しています。なんと、気仙沼市のデニムメーカーでは、メカジキの吻の粒子をオーガニックコットンに混ぜて作ったデニム生地でジーンズを作っているそうですよ! (※2)農林水産省「海面漁業生産統計調査(令和3年度)」による。
メカジキには、中性脂肪やコレステロールの低下などの効果が期待されるDHAやEPAなどの多価不飽和脂肪酸、体内のナトリウムを排出する効果があるカリウム、カルシウムの吸収を助けるビタミンDが多く含まれるほか、必須アミノ酸も豊富です。そして、高タンパク低カロリーで、うま味成分のグルタミン酸の含有量が多いため、ヘルシーで美味しい料理を作るのにうってつけの食材ですね。
メカジキのうま味成分をじっくり味わえる、しかもフライパンひとつでできる簡単な煮込み料理を作ってみました!
【メカジキソテーのピペラーダ風ソース添え】
○材料(2人前) <メカジキソテーの材料> メカジキ2切れ、塩・コショウひとつまみ、オリーブオイル小さじ1 <ピペラーダ風ソースの材料> タマネギ1個、ピーマン2個、パプリカ(赤色、黄色)各2分の1個、トマト中3個(大の場合1個)、ニンニク1片、イタリアンパセリ1束(又はパセリ1枝)、オリーブオイル大さじ1、白ワイン70cc、食塩小さじ2分の1 |
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○作り方 1.メカジキは塩(分量外)を軽く振って10分ほど置き、水分が染み出てきたらキッチンペーパーで軽く押さえて吸わせ、食べやすい大きさに切り、塩・コショウする。 2.タマネギ、ピーマン、パプリカを1センチ角のさいの目に切る。トマトは皮を湯むきしてから、同様にさいの目に切る。ニンニクはみじん切り。イタリアンパセリは、飾り用に小さめの葉を数枚取りおいてから、残りの葉をみじん切りにする。
3.<メカジキソテー>フライパンにオリーブオイル小さじ1を入れて熱し、1のメカジキの両面をきつね色になるまで焼いてから取り出す。 4.<ピペラーダ風ソース>フライパンの油を拭き、新しいオリーブオイル大さじ1を入れ、弱火でタマネギとニンニクを炒める。タマネギが透き通ってきたらピーマン、パプリカを入れ中火でしんなりするまで炒め、トマト、イタリアンパセリ、白ワイン、塩を入れてざっと混ぜ、2~3分煮る。 5.3のメカジキをフライパンに戻し、落とし蓋をしてソースと一緒に5分蒸らす。 6.皿にソースを敷いてメカジキを盛り付け、取り置いていたイタリアンパセリを飾ってできあがり。
ちなみに、ピペラーダ(Piperrada)とは、バスク地方の郷土料理で、タマネギとピーマンを炒め煮にした赤唐辛子入りのトマト味ソースです。 通常は、トマト以外の野菜は細切りにしますが、今回は野菜の食感を楽しむためにさいの目に切ってみました。 トマトはあっさり味が好みなら生を、しっかり味が好みなら缶詰を使うのがお勧めです。また、辛味が苦手な方でも食べやすいように、今回は赤唐辛子を入れずに作ってみましたが、メカジキには野菜の、野菜にはメカジキのうま味がじわ~っと染み込んで、とても滋味深い味わいの料理でした。
【おまけ】 今回の料理に使用した食材は、コショウ以外は全て国産品を使用しています。 タマネギは北海道産、ピーマンは高知県産、赤色と黄色のパプリカやトマトは宮城県産、イタリアンパセリは福島県産、ニンニクは青森県産、白ワインは岩手県花巻市のワイナリーで醸造され、塩は宮城県石巻市で製塩された物です。 そして、メイン食材メカジキの原産地名は「日本太平洋北部」と表示されていました。なんだか長くて難しい原産地名ですよね(^_^;) これは、「食品表示基準」に、一般用生鮮食品を販売する場合は、水産物の原産地名は原則として「国産品にあっては水域名又は地域名(主たる養殖場が属する都道府県名をいう。)」を表示すると定められていることや、水域名は水産庁の「生鮮魚介類の生産水域名の表示のガイドライン」で決められているためで、お店ではそれを守って表示しているのですね。 でも、どこの港で水揚げされたのか気になって、メカジキを購入したスーパーの店員さんに聞いてみたところ「気仙沼港ですよ」とのことでした。やっぱりね!(^▽^)
令和4年12月16日
キウイフルーツ R4.12.8
12月に入り、東北各地で例年より遅い初雪の知らせが聞こえてきました。 今年の秋は暖かかったので、よけいに寒さが身にしみる気がしますね(>_<)
先日、お店で国産のキウイフルーツを見つけました♪
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スーパーなどではニュージーランド産のものをよく見かけますが、元々は中国が原産で、ニュージーランドに伝わり品種改良され栽培されたのが始まりと言われています。
日本には1960年頃にニュージーランドから伝わり、外国産ほど多くないものの、東北から九州まで広く栽培されているようです。
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国産のキウイフルーツの旬は秋から冬とのこと。品種にもよりますが、保存性に優れているため、11月頃から収穫されたものが春先まで出回るそうですよ(^O^)
収穫してすぐのキウイフルーツは、未熟なため果肉が固くて酸味が強い状態ですが、追熟することででんぷんが分解し甘みが増します。
市場に出回っているものはある程度追熟されているそうですが、果肉が固い場合には、ビニール袋の中にりんごやバナナと一緒にキウイフルーツを入れて2、3日常温に置くことで追熟が促進され、より美味しくなるそうです。 これは、りんご(特に王林、ジョナゴールド)やバナナから出るエチレンガスの影響なのだとか。自宅に「ふじ」とバナナがあったので入れてみました(バナナの画像はありません(^^ゞ) |
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キウイフルーツには、ビタミンC、ビタミンE、食物繊維が豊富に含まれており、風邪予防や疲労回復、肌荒れ、整腸作用に効果があると言われています。 また、糖、カリウム、マグネシウム、カリウムのミネラルがバランス良く含まれていることから、キウイフルーツに塩分を加えた「塩キウイ」は、「食べる点滴」とも言われ熱中症予防に効果があるそうです。
一般的に流通しているキウイフルーツは、国産、外国産とも果肉が緑色のグリーンキウイですが、果肉が黄色のものや赤っぽいもの、形が小さいものなど様々な品種があります。私が行ったお店では「福島県産キウイフルーツ」と「宮崎県産サンゴールド」が売られていたので、両方とも買ってみました。
 福島県産キウイフルーツ 宮崎県産サンゴールド
福島県産キウイフルーツは全体に産毛があり果肉は緑色、宮崎県産サンゴールドは産毛がなく果肉は黄色で、どちらも外国産のキウイフルーツよりも形が大きめ。 お味は、緑色の果肉の方は少し酸味がある甘さ、黄色の果肉のサンゴールドの方が甘みが強くまろやかに感じました。
 産毛あり(左)と産毛なし(右) |
ちょっとわかりにくいですが、左の画像の左側のキウイフルーツ(福島県産キウイフルーツ)には産毛があります。
国産キウイフルーツは外国産より痛みが少なく、甘さと酸味のバランスが優れているものが多いそうですよ♪
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キウイフルーツは生のまま食べられるので、輪切りにしてサラダやフルーツサンド、ケーキのトッピングにすると見た目も綺麗です♪ ヨーグルトと一緒に食べたり、横半分に切ってそのままスプーンですくって食べるのもお手軽でおすすめ(*^_^*) また、キウイフルーツでお肉を漬け込むと、キウイフルーツに含まれる酵素がタンパク質を分解する作用があるため、加熱調理したお肉がやわらかくなるそうですよ。
キウイフルーツのカブレーゼを作ってみました。 カプレーゼといえばトマトが定番ですが、キウイフルーツの甘酸っぱさとモッツァレラチーズの組み合わせも絶品です♪
【キウイフルーツのカブレーゼ】 ○材料 キウイフルーツ(緑色、黄色)各1個 モッツァレラチーズ1袋 オリーブオイル適量 塩、黒こしょう、乾燥バジル各適量
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1.キウイフルーツは皮をむき、お好みの厚さに切ります。モッツァレラチーズも同じくらいの厚さに切ります。 2.お皿に1.のキウイフルーツとモッツァレラチーズを交互にならべ、オリーブオイルを回しかけ、塩、黒こしょう、乾燥バジルを振りかけて出来上がり。 *お好みでミニトマトやレモンを添えても。
実のところ、キウイフルーツは酸っぱくて舌がピリピリするのであまり好きではなかったのですが、りんごとバナナの追熟効果のおかげか、しっかり熟したキウイフルーツはとても甘くて、今までこの美味しさを知らずにいたのが勿体ない限りです(^^ゞ
【おまけ】 毎月8日は果物の日。子どもの果物離れを防止するため、全国柑橘宣伝協議会と落葉果実宣伝協議会によって制定されました。「おやつ(8つ)に果物を」という意味を込めて、語呂合わせから毎月8日になったそうです(^o^) みかんやりんごなど、美味しい季節ですから、普段の食事に果物を取り入れてみましょう♪
令和4年12月8日
とんぶり R4.11.17
先週に引き続き、今回も秋田県の特産品をご紹介します♪ 皆さんは「とんぶり」をご存知でしょうか。 見た目や食感がキャビア(チョウザメの卵)に似ていることから「畑のキャビア」とも呼ばれています。 |
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とんぶりは、アカザ科ホウキギ属の一年草「ホウキギ」の実を加熱加工したもので、10月から11月にかけて収穫され、秋田県大館市の生産量は日本一を誇ります。 とんぶりの加工はとても手間がかかり、収穫した実を一週間ほど乾燥させてから釜で茹でた後、実を揉み外皮を取り除いて作られるそうです。
「大館とんぶり」は国の地理的表示(GI*)にも登録されています。
とんぶりの名前の由来は諸説あり、「ハタハタの卵のぶりこに似た、中国の唐伝来のもの」で「唐ぶりこ」。それが鈍って「とんぶり」になったという説が有力とのこと。
とんぶりは、直径1~2ミリの深緑色の粒で無味無臭。
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この小さな粒の中に、なんと、タンパク質や脂質、炭水化物、食物繊維、β-カロテン、ビタミン類、ミネラルなど、様々な栄養素が含まれているそうです。 また、昔から利尿、強壮に効果があると言われています。 栄養満点、万能選手ですね!
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とんぶりの食べ方は、納豆に混ぜたり、短冊切りや細切りにした長芋にかけるのが定番です。 クセがないので、サラダやパスタなどに和えたりトッピングするなど、様々な楽しみ方ができるんですよ(^O^) プチプチした食感が料理の味を引き立たせてくれる、とても魅力的な食材です♪
 【納豆とんぶり】 【長芋とんぶり】
秋田県内のスーパーでは、袋詰めされたとんぶりが必ずと言っていいほど売られています。 真空パックや、瓶詰めされたものもありますので、県外にも流通しているようです。 高級食材のキャビアと違って、リーズナブルなお値段が魅力ですよ(^O^) 洗わずにそのままお手軽に使えますので、ぜひ、色んな料理に取り入れてプチプチ食感をお楽しみください♪
【おまけ】 ホウキギは「コキア」とも呼ばれ、古くから掃除用の「ほうき」として栽培されていたとのこと。 10月初め頃、宮城県某所で観賞用のコキアが紅葉し始めているのを見ました。 何の草木かもわからず、丸くて可愛らしいので写真を撮ったのですが、後からコキアと知りました(^-^)v |
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令和4年11月17日
秋田の郷土料理「きりたんぽ鍋」 R4.11.10
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明日11月11日は「きりたんぽの日」♪ 囲炉裏(いろり)できりたんぽを焼く様子が「1111」に見えることから、きりたんぽ発祥の地とされる秋田県鹿角市の「かづのきりたんぽ倶楽部」によって制定されました。
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そこで今回は、秋田県県北地域に伝わる郷土料理「きりたんぽ鍋」をご紹介します。
きりたんぽ鍋は、つぶしたご飯を棒に巻き付けて焼き、鶏肉や野菜と煮込んだ鍋料理のこと。 新米の時期に作られることが多く、秋田県の大館や鹿角地域周辺では、新米の収穫が終わるときりたんぽ鍋を囲んで農作業の労をねぎらう習慣があります。 おもてなしや冠婚葬祭の際にも振る舞われるそうです。 |
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きりたんぽの由来は諸説あり、炭焼きや伐採のために山ごもりした際に残り飯をつぶして焼いて食べたのが始まりとか、冬に熊などを狩猟する猟師(マタギ)が保存食として持ち歩き、獲物の鳥や野菜と一緒に鍋に入れたのが始まりではないかと言われています。 また、つぶしたご飯を棒に巻き付けた形が、多年草のガマの穂(たんぽ)や稽古用の短穂槍に似ていることから「たんぽ」の名前が付いたとされています。 一般的には「きりたんぽ」の名前で広まっていますが、実はきりたんぽは「たんぽ」を切ったもので、食べやすい長さに切って鍋に入れることから「きりたんぽ鍋」と呼ばれるそうですよ(^O^) ご存知でしたか?
きりたんぽ鍋の具材は、鶏肉、ごぼう、舞茸、ねぎ、せりが一般的で、鶏がらで出汁を取ったしょうゆ味で作ります。 秋田では贈答用として、日本三大地鶏の一つである比内地鶏と野菜、きりたんぽ、比内地鶏スープなどを詰め合わせたきりたんぽ鍋セットも発送・販売されています。
秋田で出来たてのきりたんぽを見つけたので、きりたんぽ鍋を作ってみました♪
【きりたんぽ鍋】
○材料 鶏肉、ごぼう、糸こんにゃく、舞茸、長ねぎ、せり、きりたんぽ *分量は適宜 水1,000cc 調味料(しょうゆ、酒、みりん、各大さじ2、鶏がらスープの素大さじ1~2、さとう小さじ1) *味をみて調整します。 |
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1.ごぼうはささがきにして水にさらし、糸こんにゃくは下茹でしてアク抜きし適当な長さに切ります。鶏肉は一口大に切り、舞茸は食べやすい大きさに裂き、長ねぎは斜め切り、せりは5センチ位に切ります。 2.きりたんぽを電子レンジで温めて(1本あたり約30秒)、斜め3つ切りにします。3.鍋に水、調味料を入れて火にかけ、煮立ったら鶏肉、ごぼうを入れ、火が通ったら糸こんにゃくと舞茸を加えます。 4.3.の鍋に2.のきりたんぽと長ねぎを加え、ひと煮立ちしたら仕上げにせりをのせて出来上がり。 *火を通しすぎるときりたんぽが煮崩れするので注意!
香ばしい焼き餅のような風味ともっちりとした歯ごたえのきりたんぽ。 鶏と野菜の旨味がきりたんぽに染み込んで、ほっこりするお味で美味しいです(*^o^*) 主食のごはんとおかずが一緒に摂れる感じですね(^^ゞ
きりたんぽは秋田県以外でも売られているようですので、これからの鍋の季節、身も心も温まるきりたんぽ鍋をぜひお試しください(*^o^*)
【おまけ】 先日、秋田の小安峡に紅葉を見に行ったら、近くでみそたんぽが売られていました。 みそたんぼは、炭火で焼いたたんぽに甘めの味噌をぬったもの。 「きりたんぽ」と言ったお客さんに、売り場の方が「これは、みそたんぽ。きりたんぽは、たんぽを切ったもののことを言うんですよ」と説明していました(^^ゞ 買って食べたら、あつあつで美味しかったですよ♪
令和4年11月10 日
食育セミナーを開催します♪ R4.11.4
今回は、イベントについてのお知らせです(^○^) 農林水産省では、「新たな日常」やデジタル化に対応した食育の推進に向け、食育活動について食育実践者間で共有し全国での横展開を図るため、地方農政局と全国食育推進ネットワークが連携した食育イベント全国キャラバンを実施しています。
その全国展開事業の一環として、東北農政局では、令和4年11月28日(月曜日)に「山形で継承されてきた伝統的な食材を次世代に伝えるセミナー」をオンラインで開催することになりました。
山形には、地域の人々が古くから守り受け継いできた伝統野菜が数多く残っています。
本セミナーでは、山形県内外の在来作物の研究や保存活動などに積極的に取り組まれている江頭宏昌氏(山形大学農学部教授)から基調講演を、在来野菜や地元産食材を独自の理論で調理する料理が話題を呼び人気店となった「アル・ケッチァーノ」のオーナーシェフ 奥田政行氏から調理実演を行っていただきます。
また、江頭氏、奥田氏に藤沢カブの生産者 伊藤恒幸氏を交えて、「伝統野菜を通じた食文化の継承について」をテーマにパネルディスカッションも行います。
セミナーチラシ(PDF : 672KB)
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このパネルディスカッションに出演いただく御三方は、在来作物と種を守り継ぐ人々を描いたドキュメンタリー映画「よみがえりのレシピ」に出演されています。 「やまがた伝統野菜」が持つ歴史や品種・栽培法などの特長、さらには文化的な価値など、興味深いお話が繰り広げられることでしょう(^o^)/ この機会に、山形の伝統野菜の魅力に触れてみませんか? 皆様のご参加を心よりお待ちしております(*^_^*)
【開催日時】令和4年11月28日(月曜日)13時00分~15時00分 【開催方法】オンライン(Zoom)配信のみ 【開催会場】アル・ケッチァーノ アカデミー(山形県鶴岡市遠賀原字稲荷43番) 【募集人数】オンライン(Zoom)先着150名 【申込締切】令和4年11月24日(木曜日)
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【基調講演】 テーマ:「山形県の伝統野菜の現状と課題」 講 師:江頭 宏昌 氏(山形大学農学部教授)
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【調理実演】 テーマ:「伝統野菜の特徴を生かした調理」 講 師:奥田 政行 氏 (アル・ケッチァーノ オーナーシェフ) |
【パネルディスカッション】 テーマ:「伝統野菜を通じた食文化の継承について」 ファシリテーター:小野 愛美 氏(合同会社Maternal代表社員) パネリスト:江頭 宏昌 氏(山形大学農学部教授) 奥田 政行 氏(アル・ケッチァーノ オーナーシェフ) 伊藤 恒幸 氏(藤沢カブ生産者)
詳しくは、東北農政局ホームページをご覧ください。https://www.maff.go.jp/tohoku/press/syouan/syouhiseikatsu/221028.html 参加申込はこちらから↓ https://www.secure-cloud.jp/sf/1666331754SseciNjw[外部リンク]
そのほか、全国の地方農政局等でも様々な食育イベントを予定しています。 オンライン開催で行う企画もありますので、自宅にいながら全国の食育イベントに参加することができますよ。 ぜひご参加ください(*^_^*)
詳しくは、農林水産省ホームページをご覧ください。 (食育イベント全国キャラバン)https://www.maff.go.jp/j/press/syouan/hyoji/220930.html (全国食育推進ネットワーク)https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/network/index.html

令和4年11月4日
生きくらげ R4.10.27
先週の昼休みに、宮城県庁の玄関ホールで催していた地場産品販売会で「生きくらげ」を見つけました。
売り場の方から「この生きくらげは、新規就農者の若者がひとりで暗いハウスの中で頑張って作っているんですよ」と聞いて感銘を受け、応援したい気持ちも相まって購入しました(^o^) |
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きくらげは、名前に「くらげ」と入っていることや食感から海の食材と思われがちですが、実は「きのこ」の一種です。 広葉樹の倒木や枯木などに生え、人の耳の形に似ていることから、漢字では「木耳(きくらげ)」と書くそうですよ。
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きくらげと言えば、かつては中国産の乾燥きくらげが一般的でしたが、近年では国内でも栽培されるようになり、生のきくらげがお店に並ぶようになりました。 施設栽培されているため、通年流通していますが、旬は夏から秋にかけてとのこと。
きくらげは食物繊維が豊富で、便秘の改善・整腸作用が期待できるほか、カリウムや、鉄分、カルシウムなどのミネラル、骨を丈夫にするビタミンDが豊富に含まれています。
また、きくらげはキクラゲ科キクラゲ属に分類され、通常は黒っぽいこげ茶色ですが、形が似ている「白色のきくらげ」も実は同じ品種で、黒っぽいきくらげを栽培中に1万分の1の確率で突然変異したものを固定化したとのこと。 ちなみに、薄い花びらのような形の「白きくらげ」は、白色のきくらげとはまた別の種類で、シロキクラゲ科シロキクラゲ属になります。
生きくらげは、乾燥きくらげよりも肉厚でぷりぷりした食感が特徴でクセがなく、サラダや酢の物、スープ、炒め物、ラーメンのトッピングなどどんな料理にも合わせやすいのが魅力です。
きくらげの定番料理とも言える「豚肉ときくらげの卵炒め」を作ってみました!
【豚肉ときくらげの卵炒め】
○材料 豚薄切り肉150g、生きくらげ50g、長ねぎ 1本、しょうが1片、小松菜1株、卵4個、 水溶き片栗粉(片栗粉、水各小さじ1)、 合わせ調味料(しょうゆ、酒、砂糖各大さじ1、オイスターソース、鶏がらスープの素各小さじ2分の1、こしょう少々)、 ごま油適量 |
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1.豚肉は一口大に切り、きくらげは石づきを切り落とし一口大に切ります。長ねぎは斜め切りに、小松菜はざく切りに、しょうがは千切りにします。 2.卵をボウルに割りほぐし、水溶き片栗粉を入れ混ぜ合わせます。合わせ調味料を別の容器に合わせておきます。
3.フライパンに油を熱し、卵を軽く混ぜながらふんわり炒めボウルに取り出します。 4.3.のフライパンにサラダ油を足し、豚肉、長ねぎ、しょうがの順に入れて炒め、豚肉に火が通ったらきくらげと小松菜を加えてさらに炒めます。 5.取り出しておいた3.の卵をフライパンに戻し、合わせ調味料を混ぜ入れて絡め、ごま油を回してかけて出来上がり。
きくらげのプリプリ、コリコリ食感が良いですね(*^◯^*) 味がなじんで、卵と豚肉との相性が抜群です♪ きくらげは、ビタミンCを含む長ねぎや小松菜と一緒に食べることで、鉄分の吸収も高まりますよ。
【きくらげときゅうりのポン酢和え】
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白色のきくらげは、黒いきくらげ、きゅうりと一緒にポン酢和えにしてみました。 きくらげは、鍋にお湯を沸かし30秒ほど湯がいて冷水にさらし、細切りにすればOK。
シンプルに、わさび醤油で食べても美味しいですよ。
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生きくらげは、乾燥きくらげとはまた違った食感と美味しさが楽しめます。 皆さんも、生きくらげを見つけたらぜひお試しくださいね。
令和4年10月27日
岩手の郷土料理「さんまのすり身汁」 R4.10.20
秋の味覚「さんま」が旬を迎えています♪ 皆さんは、今シーズンのさんまを食べましたか?
今回は、岩手県三陸沿岸地域に伝わる郷土料理「さんまのすり身汁」をご紹介します。
岩手県では60年ほど前からさんまの漁獲量が増え、現在では全国2位のさんまの海面漁業漁獲量を誇ります。 かつて三陸沿岸地域では、さんまの定番料理は塩焼きなどで、すり身といえばイワシで作られるものでした。 さんまのすり身汁は、お茶の時間に集まった主婦たちによって考えられたのが始まりとのこと。
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新鮮なさんまをすり鉢で練って、それに味噌やしょうゆ、酒などの調味料をたっぷり加えてさらに練り込み、大ぶりの団子型にして煮出し、野菜や豆腐などを加えたさんまのすり身汁。 さんまが獲れる時期には、三陸沿岸地域の各家庭で作られ、スーパーなどでさんまのすり身も販売されるそうですよ(^O^)
汁物といえば、汁に味付けするのが一般的かと思いますが、このさんまのすり身汁は、調味料をたっぷり練り込んだすり身を煮出すことで、さんまの旨味と共に調味料が汁に溶け出すという作り方が特徴です。 まるで、魔法のような作り方ですよね(^O^)♪
さんまには、DHA・EPAをはじめ良質なタンパク質や鉄分などのミネラル・ビタミン類が豊富に含まれているとのこと、野菜や豆腐を加えることでさらに栄養満点な一品に。 熱々のさんまのすり身汁は、身も心も温まりそうですね(*^o^*)
さんまを買って、さんまのすり身汁に挑戦してみました。 すり身作りは手間がかかりましたが、やれば出来るものです(^^ゞ
【さんまのすり身汁】 ○材料 さんま2尾、大根250g、人参40g、 ねぎ1本、豆腐小1パック、水1,800cc、 調味料(みそ50g、卵1個、 塩小さじ2分の1、しょうゆ大さじ1、 酒大さじ2、片栗粉小さじ2、しょうが少々)
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1.さんまは頭と内臓を取り除いてから、皮を取り、三枚におろします。
2.さんまの身を包丁で細かくたたいてから、すり鉢で粘りが出るまでよく練り、調味料を加えてさらにすり混ぜます。
3.大根、人参は乱切り、ねぎは斜め切りに、豆腐は厚めの短冊切りに切ります。 4.鍋にお湯を沸かし、沸騰したら2.のすり身をスプーンですくって大きめの団子状にしお湯の中に落とし、15分程中火で煮ます。 ※すり身に練りこんだ調味料やさんまの旨みが溶け出し、さんまの香りとともに、透明な汁が薄茶色く色付きます。 5.4.の鍋に3.の大根と人参を加えて軟らかくなるまで煮込み、さらに豆腐とねぎを加えてひと煮立ちしたら出来上がり。 ※味が薄ければ、しょうゆを加えて調整します。
さんまの風味とねぎの香りが何とも言えません♪ みそが入っているのに、汁は透き通っています。 ふんわりと柔らかいすり身団子は味がよく染みていて、不思議なことに薄味の汁とのバランスがちょうどいい感じ(^-^)v 素朴で優しいほっこりするお味です(*^_^*)
近年、さんまは深刻な不漁が続き高級魚となりつつありますが、旬の味覚は美味しい時期に味わいたいものですね。
令和4年10月20日
さつまいもの日 R4.10.13
実りの秋です。秋の味覚の代表格のひとつ「さつまいも」♪ 本日10月13日は「さつまいもの日」です。 10月はさつまいもの旬であること、「栗よりうまい十三里」という言葉から、埼玉県川越市の「川越いも友の会」によって1987年に制定されました。
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この十三里とはさつまいものことで、江戸時代に江戸の焼きいも屋さんが同じ秋の味覚「栗(九里)より(四里)うまい十三里」(9+4=13)という看板を掲げたこと、江戸からさつまいもの名産地で知られる川越までの距離が十三里であったことに由来しているそうです。 何ともユニークなシャレが利いた発想ですね(^o^)
さつまいもの原産地は中南米で、日本には中国から沖縄(琉球)、鹿児島(薩摩)へと伝わり全国に広がったことから、薩摩にちなんで「さつまいも」と呼ばれるようになり、「唐芋(からいも)」「琉球芋」とも呼ばれます。
さつまいもは痩せた土地でも栽培でき、暑さや台風などにも強く、かつて日本各地で凶作や飢饉が頻発した際にさつまいものおかげでが人々が救われたことから、全国で栽培されるようになりました。 ちなみにさつまいもと言えば、江戸時代の蘭学者青木昆陽が有名ですが、その業績を称えた昆陽神社(芋神様)が千葉市幕張にあるそうです。
デンプンが豊富なさつまいもは、エネルギー源になるだけでなく、食物繊維やビタミンC、ビタミンEが多く含まれ、整腸効果により免疫力がアップし風邪などにかかりにくいそうですよ(^O^)
野菜は採れたてが一番というイメージがありますが、さつまいもは収穫してから2ヶ月前後貯蔵して熟成させることで甘味が増すとのこと。 お店で売られているものは熟成済みかもしれませんが、購入したら新聞などに包んで冷暗所で保管しましょう。冷蔵庫に入れると低温障害を起こすのでNGです。
さつまいもは種類が多く、ねっとり系、しっとり系、ホクホク系、また果肉の色も白色、オレンジ色、紫色など様々な特色があります。 食べ方も、焼きいもやスイートポテト、天ぷら、炊き込みご飯、みそ汁、大学いも、栗きんとんなどバリエーション豊かですね(*^o^*) 皆さんは、どんな食べ方がお好きですか? スーパーなどでは、品種ごとの特徴やおすすめの料理が紹介されていたりするので、参考にしましょう(^o^)
テレビで、電子レンジを使って焼きいもが出来るテクニックを紹介していたので作ってみました♪ 焼きいもは、さつまいもの中心温度を70℃位に加熱するとデンプンが糖化され甘くなり、その後ゆっくり加熱することで全体が甘くしっとりと仕上がるとのこと。 スーパーなどで見かける電気式の焼きいも機も同じ原理だそうですよ。
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【焼きいも】※電子レンジ編 1.さつまいもを水で洗い、ラップでふんわりと包み、電子レンジの600Wで1分間加熱します。 2.1.のさつまいもを、200W(解凍モードでも可)で8分間加熱して出来上がり。 ※ 硬い場合は、さらに加熱して調整します。トースターで焼き色を付けると、さらに焼きいも感が増すそうですよ(^o^)
甘味があって美味しいですが、どちらかというとホクホク系な出来上がり。 ねっとり系がお好みな方は、オーブンや炊飯器で作った方がいいかも(^^ゞ
新米でさつまいもご飯も作ってみました♪
【さつまいもご飯】 ○材料 米2合、さつまいも200g、 塩小さじ1、酒大さじ1 黒ごま(白ごま)適量
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1.米は研いで30分浸水し、さつまいもは一口大に切り10分位水にさらしアクを抜きます。 2.炊飯器に米、塩、酒、分量までの水を入れ、よく混ぜ合わせた後にさつまいもを乗せ、普通の白米コースで炊いて出来上がり。 器に盛って、黒ごまをふります。(無かったので白ごまにしました(^^ゞ)
さつまいもの日の今日、さつまいもを料理するのはちょっとハードルが高いという方は、スーパーに立ち寄って焼き芋を買ってみてはいかがでしょうか。 石焼きいも屋さんの車を見つけられたらラッキーですね (^O^)♪☆
令和4年10月13日
新生姜 R4.10.6
先日、産直で宮城県産の新生姜(シンショウガ)を見つけました。 私が知る限り、スーパーで売られている生姜はほとんど高知県産のもの。 宮城県でも作られているんですね~。 しかも新生姜にお目にかかれるとは、なんてラッキーなこと(^O^)♪☆
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生姜といえば、茶色っぽい皮のものを思い浮かべる方が多いかもしれませんね。 一般的には収穫してすぐの生姜が「新生姜」、通年出回っているお馴染みの生姜は新生姜を一定期間貯蔵したもので、「根生姜」「ひね生姜」「生姜」などと呼ばれます。
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また、新生姜が育ち始めた小さいうちに、葉を付けたまま若取りしたものを葉生姜と呼ぶそうです。
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新生姜は全体に白色でみずみずしく、茎の部分が薄紅色で辛みが弱いのが特徴。 一方、根生姜は皮が茶色で硬く、繊維質で辛みが強くなっています。
この独特の辛み成分はジンゲロールによるもので、強い殺菌作用を持ち、加熱するとショウガオールという成分に変わり、身体を温めたり新陳代謝を良くする働きがあると言われています。 そのほか、生姜に含まれるシネオールという香り成分は、食欲増進、疲労回復効果が期待できるとのこと。 生姜は、薬味に調味料、香辛料、食材にと大活躍の万能食材! ちなみに、飲み物の「ジンジャーエール」は生姜(ジンジャー)エキスで風味をつけており、お寿司のお供の「ガリ」は、新生姜の甘酢漬けだそうですよ♪
数年前に、埼玉の知り合いの農家から葉生姜をいただき、佃煮にして食べると美味しいと教わりました。 とても美味しくて、それ以来、葉生姜や新生姜を見つけると佃煮用に買うようになりました(*^_^*) 今回は、そのお気に入りのレシピをご紹介します(^O^)
【新生姜の佃煮】 ○材料 新生姜300g、 砂糖95g、しょうゆ75g、酢小さじ1、 炒りごま大さじ2弱、鰹節15g
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1.新生姜をよく洗い、薄切りにします。 2.鍋にお湯を沸かし、1.の新生姜を入れひと煮立ちしたら20秒ほど湯がいてざるにあげます。 ※辛味を和らげたい場合は、茹でこぼしを2回繰り返します。 
3.鍋に2.の新生姜、砂糖、しょうゆ、酢を入れて中火にかけ、ひと煮立ちしたら火を弱め、少し水分が残るくらいまで煮ます。 ※結構な砂糖の量です(^^ゞ 
4.3.に炒りごま、鰹節を加え水分がなくなるまで煮詰めて出来上がり。
先日まで厳しい残暑が続いていたのに、急に涼しくなりました。
食事などに生姜をうまく取り入れて、夏の暑さで疲れた身体を癒し、身体の内側からポカポカ温めましょう(^O^)♪
令和4年10月6日
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