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東北農政局

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「農園カフェから石川町の魅力を発信」大平周一さん・美代子さん(石川町)(2025年8月)NEWアイコン

福島県の県南地方に位置する石川町は、阿武隈山地の森林が広がる自然豊かな町です。

この石川町で水稲やミニトマトを栽培しながら古民家で農園カフェと農業体験のできる農家民泊「農園Caféやい子ばぁちゃん」を営む大平 周一(おおひら しゅういち)さん、美代子(みよこ)さんご夫妻を訪ねました。

ご主人の周一さんは、地元のJAで働いていた経験や知識を生かし農業体験を、また、妻の美代子さんは、介護施設などで管理栄養士として働いていた料理の腕を活かし、農園カフェの経営をしています。

農園カフェでは、石川町産の牛肉を使った料理を提供しており、里山での食事を楽しみに訪れるお客様も多いとか。

農業体験では、春には田植え、野菜の収穫や山菜取り、夏には収穫したブルーベリーでジャムやケーキ作り、秋には収穫した野菜で特製の石窯ピザ作り、お正月には餅つきなど豊富な体験メニューとなっています。
一番人気は、石川町産の大豆を使った味噌づくり体験で、町外などから訪れるお客様に大好評です。

このほか、大平さんは、移住者向けに畑で白菜など野菜の定植を行う農業体験のほか、収穫した野菜を朝市でなどで販売しています。

昨年からお米の価格が高くなったこともあり、お米の大切さを知りたいと、およそ30名の高校生が農業体験の田植えに大平さんを訪れました。高校生たちは、今年の秋に収穫するお米を自分達で販売したいと楽しみにしていて、中には、農業に関心があり将来農業をやってみたいという生徒もいて、ご夫妻はとても嬉しく感じているとのことです。

大平さんご夫妻は、今後も農園カフェや農家民泊の農業体験を通して、たくさんの方に農業や石川町の良さを伝えたいと笑顔で話してくださいました。

「農園Caféやい子ばぁちゃん」ホームページ
          https://farm-yaiko.jimdofree.com 
        

大平周一さん 美代子さんご夫妻 農園カフェの様子
田植えの農業体験
(画像:大平さん提供)
おもてなしのお料理
(画像:大平さん提供)

「データを駆使していちごを生産」須田 紀之さん(伊達市)(2025年6月)

福島県北部に位置する伊達市梁川地区で、いちごとももを生産している須田 紀之(すだ のりゆき)さんにお話を伺いました。

伊達市では、農作物の栽培に係るデータを集積し活用を図ることで、高品質化、生産性の向上を図るとともに、新規就農等へのハードルを下げ、基幹産業である農業を持続可能な産業にするための実証事業を行っています。須田さんはその趣旨に賛同し、いちご栽培のデータ収集に協力しています。

須田さんは従来から、葉の大きさをノートに記録するほか、環境測定装置を設置し、データを収集し活用してきました。環境測定装置によるデータにより、今までの栽培方法の答え合わせが可能になり収量の増加につながったそうです。特に、蒸散量についてのデータを見て、今まで光合成に必要な水を十分に入れてきたつもりでも、実際には全然足りなかったことに気付いたそうで、現在では大量の水を入れてより良い栽培条件を実現しています。

須田さんは「近い将来、データ駆動型の農業が普及して、育成者や各生産者がお互いのデータを持ち寄り比較・検証することで、より効率的に生産性や品質の向上が実現できるようになることを期待している」とお話くださいました。

お話を伺った須田 紀之さん パソコンでデータを確認する須田さん
環境測定装置 施設の全景

「伝統ある会津地鶏を皆様にお届けするために」会津養鶏協会会長(有限会社会津地鶏みしまや代表取締役)小平 和広さん(三島町)(2025年5月)

会津地鶏は、平家の落人が愛玩用として会津地方に持ち込んだ会津地鶏の原種「純系会津地鶏」が始まりといわれており、その美しい尾羽は1570年代に伝承の郷土芸能「会津彼岸獅子」の獅子頭に使用されています。また、「純系会津地鶏」は、他の品種との交配を避け小集団で維持されたため、会津地方固有の品種となっていましたが、他の鶏に比べて体が小さく産卵性も高くないため、飼養者が減少し絶滅寸前のところまでいきました。

しかし、昭和62年に現在の福島県農業総合センター畜産研究所が、会津地方の農家が飼養する「純系会津地鶏」を譲り受け、原種保護と繁殖に乗り出し、「純系会津地鶏」の肉質と食味を重視しつつ、生産性の向上を踏まえ改良を重ねました。その結果、平成4年から会津地鶏として県内外の高級飲食店などに販売されるようになったとのことです。

多くの関係者が熱意をもって改良を重ね生まれた地鶏なので、会津養鶏協会会長で有限会社会津地鶏みしまや代表取締役の 小平 和広(こだいら かずひろ)さんたちは、そのブランドを守るため、令和2年度に地理的表示(GI)保護制度への登録申請を行い、令和7年3月に登録されました。「申請から登録までは長い道のりでしたが、美味しい会津地鶏を消費者へ提供できるよう三島町の食鳥処理施設も拡張したので、会津地鶏の更なる発展のため、生産者や流通業者とともに協力し広くアピールしていきたい。」と話されていました。

福島県には「ふくしま三大ブランド鶏」と称し、「会津地鶏」「川俣シャモ」「伊達鶏」があります。また、三島町、川俣町、伊達市でつくる協議会では、毎年、「ふくしま三大鶏フェス」を開催していて、今年は、伊達市で開催する予定です。ぜひ一度、足を運ばれてはいかがでしょうか。

会津養鶏協会会長の小平 和広さん

会津地鶏の雄雌
(画像提供:福島県農業総合センター)

地理的表示(GI)保護制度登録証

「最適なほ場で特産品の畑わさびを栽培し続けたい」菅野 泰さん(伊達市)(2025年4月)

福島県北部に位置する伊達市月舘地区では、冷涼で適度な日陰と湿度のある気候を活かし、特産品として畑わさびが栽培されてきました。
今回お話を伺った菅野 泰(かんの ひろし)さんは、父親の代から月舘地区で畑わさびを生産しています。

畑わさびとは、よく私たちが目にする根の部分だけではなく、地上に出ている花や葉、茎部分を食べるわさびのことです。主に月舘地区から出荷されるのは、1年半から3年ほどかけて栽培され、3月の初めごろから1ヶ月ほどの短い期間に収穫される「花わさび」と呼ばれる畑わさびです。

月舘地区では、東日本大震災以前は多くの生産者が畑わさびを栽培していましたが、原発事故の影響で一時出荷停止となりました。
平成30年に一部出荷制限が解除となりましたが、栽培に適した日陰が多く涼しい山際や山林の落ち葉がかかる場所での栽培は、現在も規制されており、高温に弱い畑わさびのために夏をどう乗り切るか、菅野さんを始め生産者の皆さんは、試行錯誤しながら取り組まれています。

菅野さんは「畑わさびは手間が少なく、こんなおじいちゃんでも農業を続けられる。規制が解除されれば、最適なほ場でもっとたくさんの畑わさびを栽培できるので、地域の特産品を絶やさないためにも、まだまだ頑張って次世代に繋げていきたい。」とお話くださいました。

お話を伺った菅野 泰さん 花わさびは花(つぼみ)、葉、茎を食べます
自生していた山の環境に近づけるのが一番と
語る菅野さん
濃い緑色が鮮やかな畑わさび
まだまだ大きくなります

お問合せ先

福島県拠点地方参事官室

代表:024-534-4141
ダイヤルイン:024-534-4142