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北海道農政事務所

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「女性活躍推進セミナー~農業の未来を共に考える~」の開催

理事・参与に就任した経緯と周囲の反応

 
小内
   

   どのような経緯で理事・参与になったのですか。また、その際の家族や周囲の反応はどうでしたか。
 
丹羽
   JAさっぽろの女性理事は、女性部の部長を退任された方が引き受けることになっていたのですが、その方が体調を崩したため、他の人を理事にするということになり、私がご指名いただいたので、理事を引き受けることにしました。
   周りからは「部長経験者ではなくても理事になれるよ」と背中を押していただいたり、夫からは「勉強になるからやってみたら」と言ってもらえました。
 
椿
   私は3代目の女性理事です。JAむかわでは20年前から当時の組合長や常務が女性登用に前向きな考えを持っていたため、その当時から女性理事がいました。
   私が理事になった経緯は、JAむかわでは理事の女性部枠があり、女性部の中で私を推薦していただいたので就任しました。農協関係者の中には、無理して女性部から理事を出さなくてもいいという意見もありましたが、女性部としてはその枠を絶やしたくないという思いがあったため、誰も選出しないという選択肢はありませんでした。
   家族からは、「必要としてくれるなら引き受けてもいいと思う」、「家庭のことは分担して行おう」など、とても温かい反応を得られました。個人的にも、常に向上心を持っていたため、できることは経験したい、理事をやってみたいという思いが強かったです。
 
   私は平成24(2012)年にNPO法人のスタッフとして地域に入り、その後新規就農をしました。当初は分からないことが多かったため、地域の人に様々なことを勉強させてもらっていました。このように自ら人脈を広げていたこともあり、すぐに地域の方から受け入れてもらうことができました。
   私が理事になった経緯は、推薦会議の委員の方々から理事にならないかとお声をかけていただいたことにあります。推薦会議の方々が私を推薦してくださった理由は、女性視点での意見や、新しい風を吹かせる意見を言ってくれる人が必要であると思っていたためだと理解しています。     当町のワイン農家は農協に出荷しておらず、原料の出し入れの際も農協を通さないため、農協との関わりがとても薄いのですが、推薦してくださった方はおそらく、ワイン農家と農協の関係を取り持つキーパーソンになってほしいという思いもあったと理解しています。このようなお声をいただいたからには、お世話になった地域の方々への恩返しというつもりで理事を務めています。
   家族の反応は、「作業に支障ないだろうし、子供の世話なども役割分担してもいい」と言ってくれました。また、地域の人たちに子供を預かっていただくなど、多くの方のバックアップを受けられる環境であったため、現在まで理事を務められているのではないかと思っています。
 
佐藤
   私は参与という立場で就任しました。JAとまこまい広域では男女共同参画が謳われ始めた頃から、女性役員登用の話が出ていました。その話が女性部にも入ってきたのですが、当農協は合併農協であり、他支部の女性の方との面識があまりなかったため、女性部から女性役員を出すということについて、当時は賛成することが出来ませんでした。これを受けた当農協から、理事ではなく参与ではどうかと提案され、参与であればということで引き受けました。
   私が参与になった経緯は、女性の1代目の参与の方が辞めることとなり、次の参与を見つけなければならないというときに、私が女性部の部長をしていたことから、声がかかりました。ここで断ると、当農協の女性役員登用に向けての動きを止めることになってしまうという思いなどがあったため、参与になることを引き受けました。しかし、いざ参与になってみると、参与という立場は義務はあるけれども権利はないといった、とても微妙な立場であるということを感じました。
   当初、農協としては女性がいきなり理事というのはハードルが高いため、初めは参与という立場で理事会に出てもらい、理事会の雰囲気などを経験してから理事になってもらいたいという考えでしたが、結局農協からは理事登用の打診はありませんでした。
   しかし次期改選から当農協の地区割が再編されることに伴い、理事の女性枠が設けられることになりました。推薦会議では、この結果に至る経緯の中で、女性に理事を任せるのは気の毒だという意見もありました。これは裏を返せば、女性に理事は任せられないということだと感じ、そのような審議員の考え方が変わらない限り、この先女性理事は誕生しないと思い、女性枠を設けてもらえるように働き掛けました。
 
小内
  
   JAさっぽろは女性役員登用に関して、他の農協よりも理解があると思いましたが、他の農協はいかがでしょうか。
 
丹羽
  
   JAさっぽろ篠路支部では合併する以前に、家族全員20歳になったら組合員になると決められていました。そして現在、支店の正組合員に占める人数は全体463名のうち女性が193名、総代数は全体89名のうち女性が19名となっています。女性総代数の目標値としていた19名を達成できたのは、支店長など農協の方たちのおかげだと思っています。
 
小内
   
   トップに立つ男性に理解がある農協だということが分かりました。また、総代になるためには正組合員である必要があることから、20歳以上の家族全員を正組合員にするといった土台の仕組みづくりに力を入れていることが分かりました。 客観的にみると、なぜ他の農協ではこのような仕組みになっていないのかが不思議に思えるのですが、他の地域ではどうですか?
 
椿

   当農協も以前は、組合員は一家に一人でした。しかし、私は研修に参加し初めて家族から何名でも正組合員に加入できることを知りました。その話を理事会で発言したところ、理事の方でも知らなかった人がいたので、女性役員登用が進んでいる当農協でも、まだ理解されていないこともあると感じました。
 
   私たちの地域でも、農家の戸数と正組合員の数がほとんど同じで、一家に一人という状態が続いています。当地域は地域柄、果樹がほとんどで、作業の特性などから性別での役割分担がとてもはっきりしているところが多い印象です。この進みすぎている役割分担が、一家の中での農協との関わり方に表れているのではないでしょうか。行き過ぎた役割分担にならないような工夫をしていくことが怪我や病気で誰かが作業を離れても他の人がフォローして、滞りなく仕事を進める上でも重要であると若い世代に伝えていきたいと思います。
 
小内
   
   やはり、農作業分野の性別役割分業の在り方が、そのまま男性社会を作ってしまっているというお話しでしたね。
 
佐藤
   農協は女性を役員にしたいと言う割には、女性や家族を正組合員にしていくような活動をしていたかと疑問に思うところがあります。女性や家族の正組合員を増やさないと女性の役員は増えていかないのではないかと思います。
 
小内
   ある農協では妻が正組合員になることを嫌がる男性がいると耳にしました。この点に関して、農協がしっかり女性の正組合員を増やすことに力を入れていかないと、女性の役員は増えていかないと思います。家族全員が正組合員になれるような組織の地盤づくりが重要なのだと思いました。

   理事・参与に就任するにあたって、どのような枠で就任したのかを教えてください。
 
丹羽


   女性部枠です。
 
椿


   女性枠です。
 

   JAよいちでは枠を作っていませんが、前組合長が働き掛けを頑張ってくれたので、理事になることができたのだと思います。
 
佐藤

   今年までは女性参与でしたが、来年から女性枠となります。女性部枠にすると女性部に入ってくれる人が少なくなるのではという懸念から、あえて女性枠にしてもらうよう依頼しました。

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