加東市で家族でぶどう園を営む、岩崎農園の岩崎弘明さんにお話しを伺いました。
ぶどう園は祖父母が昭和30年代に山を切り拓いて始め、私で3代目です。自分では特に決意もなく漠然と農業高校に進学したのですが、高校2年のころには新しい園地が増設されていて(笑)。家族からは期待されていたのかもしれません。ぶどうの本場、岡山県の農業大学校で学ぶ頃にはどんどん興味が湧いてきて、卒業して親元就農し、3年後には親とは別に管理する園も任され、今年で20年。父母と妻の4人で、80aで種無しのぶどうを栽培しています。
就農当時は家族や大学校時代の研修先くらいしか相談相手がいなかったのですが、平成26年に発足した北播磨地域の若手生産者の会「プラチナぶどうの会青年部」に参加するようになり、仲間が広がりました。同会では、勉強会や先進技術の実証試験をするなど、栽培技術や品質の向上を目指していて、いつも刺激を受けています。
収穫したぶどうは道の駅、庭先直売、宅配などで8月~10月にかけて販売。主力の7品種をはじめ、多品種を栽培しているので、黒系、赤系、緑系など3色の詰め合わせや、販売期間を長くすることができ、お客様に喜んでいただいています。
手をかけて丁寧に栽培しているので、味はどれも自信がありますが、おすすめは皮まで食べられるシャインマスカットと、形もおもしろい瀬戸ジャイアン。プチっと弾ける食感とともに口の中に甘味が広がります。
摘粒作業などコツコツとした作業や良いぶどうを作るための試行錯誤も好きで、良いものができ、楽しみにしていたという声をいただくと、嬉しくなります。祖父の代からは周囲のぶどう農家も年々減ってきていますが、これからも技術を磨き、ひと房ひと房大事に育てあげ、たくさんのお客様の期待に応えたいです。
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