~地元にアイガモワールドをつくりたい~
多可町で、有機栽培の酒造好適米「山田錦」などを生産し、米粉や米粉加工品を販売している、農園若づるの辻朋子さんにお話を伺いました。

辻朋子さん(辻さん提供)
就農したきっかけは?
実家が造り酒屋であったことから、日本酒や酒造好適米「山田錦」への強い思いがありました。ある時から「悔いのないよう生きよう」と考え、自ら山田錦を生産したいと強く思い、令和2年に兵庫県多可町で就農しました。

山田錦のほ場で雑草や害虫を食べてくれるアイガモ(辻さん提供)
どのような取組みをされていますか?
山田錦の親である「山田穂」が見出された多可町東安田地区で、環境にも体にも負荷のかからない有機農業により、消費者に選ばれる高品質な
山田錦づくりを目指しています。
しかし、就農してすぐに新型コロナウイルス感染症の影響で日本酒の需要が低迷。せっかく生産した酒米を酒づくりに活かせないという事態に直面し、酒米である山田錦を粉に挽くという決断をしました。
山田錦を粉に挽くきっかけは、山田錦栽培の師匠が病で倒れたこと。今まで作り続けてこられた山田錦を美味しく食べてもらうため、α化米粉(※1)を製造し、嚥下食として利用してもらえる道を考えました。
有機や無農薬の米粉の需要が見込めたことで、地域の仲間と山田錦以外にも米粉用品種のお米を作付けしています。
また、多年生雑草に悩まされていた圃場へ、昨年はアイガモ農法(※2)を導入し、除草や害虫駆除の効果を実感しました。

米粉・α化米粉・フィナンシェなど様々な商品を開発されています
今後の展望は?
嚥下食だけではなく離乳食にも利用できるα化米粉を仲間と生産拡大し、需要に応えていきたいと考えています。
また、昨年は一圃場だけに導入したアイガモをさらに広げ、仲間を募って多可町の東安田地区にアイガモワールドを作りたいと計画しています。
※1 : α化米粉とは、すでに火が通っており、水やお湯で解くだけ
で食べられる米粉。
※2:アイガモ農法は、田植え後にアイガモのヒナを放ち、雑草や
害虫を食べさせて駆除する農法。アイガモの糞は圃場の肥料
となり、成長したアイガ モは精肉して食用として出荷される。
お問合せ先
近畿農政局兵庫県拠点
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