工務店の技術で栽培施設を建設
加東市で、トマトなどを生産する株式会社木心ファームの工場長 鷹尾賢一さんにお話を伺いました。
工場長の鷹尾さんとレンガ造り風のオシャレな直売所
農業に参入したきっかけは?
東日本大震災を機に、安全でかつ安心してもらえる農産物を日本の消費者に届けるためにはどうすればよいかを考えていました。もともとは工務店であり、建築の専門家の立場から考えた時に、建物の中で隔離した状態で生産すれば良いということに思い至りました。建築の技術を活かして植物工場を建設し、外界から遮断した状態でレタス生産を始めたのがきっかけです。
植物工場の1室
収穫後の圃場の様子
どのような取組みをされていますか?
生産した農産物に付加価値を付けるため、様々な商品に利用可能な作物であるヨモギ生産を開始し、せっけんやバームクーヘンなどの商品を開発し販売しています。
小麦粉の価格高騰もあり、お菓子作りには米粉を使うこととし、地元に貢献するため地元産のお米を米粉に挽いて材料にしています。
周辺の露地トマト生産者に影響を与えないため、事業拡大の際には自社オリジナルビニールハウスでトマトの養液土耕栽培を始めました。
トマトにストレスを与える特殊な栽培方法により、糖度の高い小ぶりなトマトを生産しています。この高糖度のトマトもケチャップ・ジャム・ストレートジュースに加工して販売し、お客様にたいへん喜ばれています。
生産したトマトなどの野菜や加工品は、近隣の直売所やスーパーマーケットに出荷していますが、本社敷地内にある直売所“mogiyomogi”でも販売しています。また、県内各地にある工務店のモデルハウスの敷地でマルシェも定期的に行っていますので、加東市から遠いお客様にもトマトやバームクーヘンを購入していただくことができます。
これからどんどん色付いていきます
収穫直前のトマト
今後の展望は?
農業を始めて太陽の恵みを実感しました。建築に携わる者としての技術で植物工場に太陽光を取り入れる手法はないかと試行錯誤しているところです。
当初掲げた売上げ目標金額にはまだまだ到達できていませんが、農業部門だけでの黒字に近づいているので、まずそれを達成させ、その後、生産のノウハウと建物をパッケージとして販売していきたいと考えています。
お問合せ先
近畿農政局兵庫県拠点
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