小ギク栽培の省力化と安定出荷に向けた取組 ~西和花卉部会との意見交換(平群町)~
平群町におけるキク栽培の歴史は古く、明治末期頃より輪ギク中心に生産が始まり、昭和50年代に輪ギク中心から小ギク中心に転換されました。昭和57年に小ギク生産者で組織する西和花卉部会を結成し、その2年後に共撰共販出荷が開始され、令和5年に花き販売総額16億円を達成しました。現在の課題として生産者の高齢化が進み、新たな担い手の確保や防除・収穫・調整作業の省力化が求められています。
このような状況の中、課題解決に向けて奈良県、平群町、JAならけん椿井営農経済センターの協力のもと、近畿農政局が西和花卉部会と意見交換を行うとともに、西和花卉部会青年部の育種試験ほ場において品種育成の様子を視察しました。
(取材・撮影:令和6年11月)

【意見交換の様子】
JAならけん椿井営農経済センターから現状と課題について説明を受けた後、意見交換を行いました。

【意見を述べる向井会長】
「小ギク栽培における病害虫防除作業にあたっては、秀品の小ギクを生産するため、薬剤散布を丁寧に行っている。大変労力が掛かる作業であるが、大型機械の導入も進まないことから、奈良県やJAならけんなど関係機関の協力を得ながら、省力化を図っていきたい。」と協力を求める意見を述べられました。

【西和花卉部会青年部の皆さん】
亀井青年部長(写真左端)から育種試験ほ場について説明を受けた後、オリジナル品種育成の様子を視察しました。

【オリジナル品種育成の様子】
オリジナル品種の育成方法について、内村苗部長(写真中央)から、説明を受けました。

オリジナル品種の育成では、出荷物の不足する時期に出荷できる、病害虫に対する抵抗性がある、機械選別に適した草姿となっていることなど、産地に求められている特性に合った系統を選抜しています。

選抜された系統にタグを付けて行きます。

選抜された小ギクは、試験栽培を経て西和花卉部会の生産者に提供され共撰品種として導入されます。
出荷物の不足する時期に出荷できる品種を導入することで、安定的な出荷を図っています。
【西和花卉部会に関するお問合せ先】
JAならけん椿井営農経済センター
電 話 : 0745-45-4601
お問合せ先
奈良県拠点
電話:0742-32-1870