大阪漁業の発展と地域の活性化を目指す〈大阪府鰮巾着網漁業協同組合〉


【大阪府鰮巾着網漁業協同組合事務所】
~大阪湾漁獲量No.1の漁業協同組合~
岸和田市の大阪府鰮巾着網漁業協同組合を訪問し、組合長の岡 修さん、総務課長の森 政次さんにお話を伺いました。
(令和4年6月)

【荷捌き施設】
大阪府鰮巾着網漁業協同組合の概要
昭和24年設立。大阪湾を主要漁場とし、中型まき網漁業5統(注1)、船びき網漁業17統を有し、組合員は約120名。
漁獲量は大阪府下第1位で全体の約7割を占め、主要魚種は、中型まき網漁がマイワシ、カタクチイワシ、ボラ等、船びき網漁がシラス、イカナゴ等です。

【水揚げされたシラス】
取組の特徴
≪相対取引から入札取引へ≫
近年、シラスの漁獲量が減少傾向になったことから、平成26年に漁業者の収入を増やすため、従来のシラスの取引を相対取引から入札取引(セリ)に移行しました。その結果、魚価が従来比約1.7倍となり、所得が向上したとのことです。

【入札の様子】
≪入札データのデジタル化≫
セリは入札で行われ、入札データは漁をしている漁師のスマートフォンに送信され、シラスが獲れている位置情報を把握することが可能になり、漁の効率化が図られています。
≪資源管理の徹底≫
シラス漁の操業期間は、4月~12月。操業日は月火木金で、週休3日制。夏は夜明けから10時まで、冬は夜明けから11時までと決め、一定量取れたらそれ以上は取らないようにする等、資源管理を徹底されています。これにより、船びき網漁のシラスで、マリンエコラベル認証(注2)を取得されています。(中型まき網漁はマイワシ、マアジ、マサバ、サワラで取得)

【シラス等でマリンエコラベル認証取得】
≪水産物の輸出≫
カタクチイワシを韓国へ、ボラを中国へ輸出するなど、水産物の輸出にも取り組み、収益の向上につながっているとのことです。
≪担い手の確保≫
入札方式への移行による所得向上、資源管理の徹底による休日の増加等により、若い担い手の参入が増え、組合員の平均年齢は40代と非常に若く活気のある組合です。

≪地域活性化の取組≫
鮮魚販売や飲食を楽しめる「地蔵浜みなとマルシェ(毎週日曜日)」や「大漁!親子祭り(毎年10月)」の開催、また、漁協直営の飲食店「泉州海鮮きんちゃく家」ではシラス等の地元で水揚げされた新鮮な水産物を使った海鮮料理を販売する等、地域の発展、活性化にも取り組まれています。

【岡組合長(左) 森総務課長(右)】
今後の展望
岡組合長及び森総務課長は、「今後、牡蠣養殖、陸上養殖等の新たな水産業にも挑戦したい。漁場データを活用したスマート水産業を推進し、コスト削減等にも取り組みたい。」と抱負を語られました。
(注1)「統」とは、船団の単位
(注2)「マリンエコラベル認証」とは、水産資源や生態系などの環境にやさしい方法で行われている漁業や養殖業を認証する仕組みのことで、認証された漁業や養殖業から生産された水産物や、これらの認証水産物を利用して作られた製品に対して、マリンエコラベルというロゴマークを表示することができる。
大阪府鰮巾着網漁業協同組合HP
http://www.iwashikincyaku.com/
お問合せ先
大阪府拠点
TEL番号:06-6941-9062
FAX番号:06-6943-9699