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近畿農政局

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都会(大阪府堺市)の高校生がアイガモ水稲同時作に挑戦!!

刈り取った稲を束ねて頭にのせる生徒たち

田植えをする生徒

大阪府立農芸高等学校では、1999年以降、毎年、資源動物科総合環境専攻の生徒が畜産と水稲栽培を耕畜融合させた「アイガモ水稲同時作」(注1)による環境保全型循環型農法について学んでいます。自然飼育によるアニマルウェルフェア(動物福祉)により生徒がアイガモをヒナから飼育し、アイガモ農法による水稲栽培を行うとともに水田から引き上げたアイガモの肥育、と畜・解体・調理・販売までを一貫して行い、6次産業化に取り組んでいます。

田植え

並んで田植えをする生徒【田植え実習】

上級生に指導を受けながらの田植え【上級生に指導を受けながらの田植え】

5月下旬に資源動物科の1年生(80名)が、総合環境専攻の2年生及び3年生の指導を受けながら稲苗を手植えしました。 品種は「ヒノヒカリ」で、大阪府立農芸高校が所在する堺市美原区は、「ヒノヒカリ」の栽培が盛んで、地元では「黒山米」と呼ばれ食味も良好です。

水田放飼:すいでんほうし

水田放飼する様子【水田放飼1】

水田放飼したアイガモを見守る生徒たち【水田放飼2】

6月中旬に資源動物科3年生が、水田7aにアイガモ(45羽)、水田9aに大型改良種46羽、7月中旬に追加で53羽の雛を放飼しました。水田放飼は、8月中旬まで行われました。

稲刈り

手で稲刈りをする生徒たち【稲刈り実習】

稲架がけする生徒たち【稲架(はさ)がけ】

9月下旬に資源動物科の1年生が手作業で稲刈りをしました。刈り取られた稲は1週間程度、稲架(はさ)がけにより天日乾燥を行った後、脱穀、もみすり、精米を行いました。精米したお米は農芸祭等で販売されました。


水禽舎及び食鳥処理棟

【水禽舎及び食鳥処理棟】

水禽舎及び食鳥処理棟について

令和4年度に水禽舎及び食鳥処理棟を新たに整備し、食鳥処理業、食肉処理業、製造業、飲食店営業の許可を取得しています。合鴨処理場の許可施設としては、農業高校では国内初です。
大阪府立農芸高校で生産・加工された鴨肉は、地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所(羽曳野市)において、肉質分析調査を行い「農芸鴨」(注2)の更なるブランド化を進めています。

鴨の飼育ゲージ

【鴨の飼育ゲージ】

今後の取り組み

また、地元地域の飲食店等事業者と連携して「高校生レストラン」(注3)を開催し、豊臣秀吉の時代から盛んであった大阪の鴨食文化の復興と振興をめざしています。

(次回、「高校生レストラン」を取材し、フォトレポートに掲載する予定です。お楽しみに!!)

(注1)「アイガモ水稲同時作」とは、水田に鴨を放飼し、鴨肉と米の生産を同時に行う耕畜融合型の農法。水田に鴨を放飼することで、害虫や雑草を食べてもらい農薬や除草剤がなくても稲の栽培ができ、鴨の糞が追肥となり化学肥料もいらない。また、成鳥となった鴨はと畜されて食用となる。しかし、水田放飼時の外的防除対策などの労力やコストなどの課題もある。
(注2)「農芸鴨」とは、大阪府立農芸高校が自然飼育によるアニマルウェルフェア(動物福祉)による飼養管理で生産したあい鴨肉。
(注3)「高校生レストラン」とは、大阪府立農芸高校の生徒が飼育した鴨を校内の食鳥処理施設で、生徒自らがと畜・解体・商品化した鴨肉と生徒がアイガモ農法で生産したお米を用い、地域の飲食店で生徒自らが調理、接遇など全てを行い消費者に提供する取り組み。「命」を「食」としていかすための「命の授業」の集大成として2017年より取り組んでいる。

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