環境に優しい農産物でみんながハッピーに!~ハッピーファーム~
羽曳野市でいちじくやさつまいもを栽培しているハッピーファーム代表の吉川幸一郎さんにお話を伺いました。
吉川さんは、大阪府の若手農業者の集まりである大阪府4Hクラブ連絡協議会の会員でもあり、いちじくの剪定枝をバイオ炭に変えて、土壌改良剤としてさつまいもの栽培に使用する、環境に優しい農業に取り組んでおられます。
(令和7年7月)


吉川さんは、もともとIT関連のお仕事をされていましたが、いずれは独立したいとの思いと、「食はなくならない」との考えから、退職して農業大学校に入学されました。その間、自分が何を作りたいのかを考え、その結果、都市近郊の強みを生かし、いちじくを完熟の状態で、地元で販売するという決心をされました。しかし、いちじく栽培を始めた最初の年に植えたほ場が、5年目にして、成園化を前に株枯病で全滅してしまい、大変苦労されたそうです。

現在、吉川さんは、市内数ヶ所のいちじく畑(合計30a)で3種類のいちじくを栽培しておられ、その殆どが「桝井ドーフィン」という品種ですが、その他は稀少価値のある「ビオレソリエス」という黒いちじくと「ブルジャソットグリース」という白いちじくです。販売は自宅前の直売所、通信販売がメインです。吉川さんはそのほかにもいろいろな稀少品種を試験的に栽培しておられます。

いちじくの畑には、地元のワイナリーからぶどうの剪定枝やワインの搾りかすを入手し、糠や鶏糞を混ぜて発酵させたオリジナル肥料を使用しています。

吉川さんは以前、インターネットで「木炭を使って栽培したさつまいもについて」の論文を見て、木炭の代わりにいちじくの剪定枝を使えないかと考え、自身の剪定枝に加えて、地元のいちじく農家からも譲り受けて、2022年よりバイオ炭の製造を開始されました。バイオ炭は、剪定枝を2~3カ月乾燥させ、無煙炭化器を用いて3時間かけて製造しますが、それを1日3回、2~3週間、毎日、燃え尽きずに炭化するまで付きっきりの作業をするそうです。出来上がったバイオ炭は、炭素(C)とカリウム(K)を豊富に含んでおり、土壌改良剤としてさつまいも畑に鋤きこまれます。

バイオ炭は土中に埋めることによって二酸化炭素(CO2)の発生を削減することができます。また、バイオ炭に含まれるカリウム(K)が肥料成分となるため、さつまいもの収量が増加するそうです。収穫したさつまいもは、ブランド「福めぐり」として販売されています。
最後に吉川さんは、「都市近郊の強みを生かし、食べてもらっておいしいと喜んでもらいたい。バイオ炭づくりは大変ではあるが、環境のためにも継続していきたい。今後、地域としても拡大していけばと思っている。」と、笑顔で語られました。
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