自作の環境制御システムで新規就農!~IchigoLab Izumisano~

大阪府泉佐野市で、いちごの観光農園とメロンやトウモロコシの栽培をしているIchigoLab Izumisanoの代表 加茂嵩人(KAMO SHUTO)さんにお話を伺いました。 (令和7年8月)※一部画像は、加茂さんからの提供

加茂さんは、大学在学中の2022年10月に専業農家であった祖父さんの跡を引き継ぎ、新規就農し、2023年2月に泉佐野市では初となる、いちごの観光農園「IchigoLab Izumisano」をオープンされました。

祖父さんは、お米やたまねぎ、キャベツ、ブロッコリーなどを露地で栽培されていましたが、加茂さんは、昨今の気候変動で、年々、露地栽培が難しくなっていることや、大学で施設園芸の環境制御を学んでいたことから、天候などの外的要因に左右されず安定した収穫量が見込める環境制御システムを活用した施設栽培を選択されたそうです。

環境制御システムは、省力化や高品質生産が実現できる一方、整備費用が高くなりますが、加茂さんは有線LANを使用したユビキタス環境制御システムを自分で構築し、費用を抑えられたそうです。それでも栽培用ハウスの建設やその他の設備の導入費用が高く、新規就農のハードルの高さを実感したそうです。

いちごを栽培し、観光農園をオープンしようと思った理由は、いちごは需要が安定していて、農園の近隣に新築の家が増え、関西国際空港からも近く、家族連れや観光客の集客が見込めたからだそうです。加茂さん自身、いちごが好きだったことも理由の1つで、せっかくなら自分の好きなものを作りたい!と思ったそうです。

いちごの栽培技術は、市外のいちご農家で半年間研修を受け、その後は試行錯誤をしながら、栽培品種を増やし、今年は9種類のいちごを栽培したそうです。観光農園には、年間4千人程が訪れ、そのうち1割程度が海外からの観光客だそうです。

いちごの収穫が終わった後は、その培地を利用してメロンを栽培されています。こちらは熊本県の指導者から種を取り寄せ、アドバイスを受けながら栽培しているそうですが、通常より土の量が少なく昨今の高温のため、栽培が難しいとのことです。土や気候に合う品種を見付けるため、今年は6種類の品種を栽培し、どれも品質も良い出来栄えになっているとのことでした。

トウモロコシも1万本栽培されているほか、バナナの栽培にも挑戦しているそうです。 残念ながら、最初に植えた株は実をつける前に枯れてしまいましたが、現在は、その枯れた株の根元から生えてきた子株を育てているところだそうです。

栽培ハウスの近くには、年内のオープンに向けて農園カフェの準備が進められていました。お洒落な店内の壁に描かれた鮮やかないちごの絵がとても印象的でした。
加茂さんは、「自分が育てたものを美味しいといって食べてもらえることが一番嬉しい。もっと多くの方に味わってもらうため、栽培規模を拡大していきたい。」と抱負を語られました。
IchigoLab Izumisanoのホームページ
https://ichigolab-izumisano.com/
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大阪府拠点
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