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近畿農政局

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「中田の棚田」でスマート農業に挑戦中(紀美野町)

— 「デジ活」中山間地域へのフォローアップ —


「デジ活」中山間地域は、「デジタル田園都市国家構想総合戦略」の地域ビジョンの一つに位置づけられ、基幹産業である農林水産業を軸として、地域資源やデジタル技術を活用し、課題解決を図りながら活性化を目指す地域を「デジ活」中山間地域として登録し、関係府省が連携しつつ、その取組の後押しをしています。

紀美野町「中田の棚田」の再生・保全に取り組む小川地域棚田振興協議会では、スマート農業技術を活用した棚田の維持管理方法について検討が行われており、令和5年6月、第1回「デジ活」中山間地域に登録されたことも契機となって、令和6年度から本格的な実証に取り組んでいます。



 


〇通信環境の整備と水管理システムの導入
中山間地域の棚田は、面積が狭小で、圃場の枚数も多く、かつ急傾斜地に広がっているため、日々の水管理の作業は大変です。
スマート農業を推進するための通信環境の整備に向けて、ファーモが開発した長距離無線(LPWA)の通信機の導入で、半径3kmのエリアで通信が可能となり、中山間地でもインターネットにつながる環境が構築されました。

水管理の省力化の課題に対しては、構築した通信環境でつながるファーモ水管理システム(水位センサー、給水ゲート)の導入により、スマホで水位を確認し、水田への給水・止水も遠隔操作が出来ることから、水管理作業の負担軽減に繋がっています。





    〇水田除草作業の省力化
    「中田の棚田」では、農薬や肥料を使用しない自然栽培で米作りが行われているため、水田の除草対策も大きな課題となっています。水田の除草は、田車を活用して手作業で行われており、体力を必要とする作業です。




      この除草作業の省力化に向けて、今年度からエンジン式水田中耕除草機のほか、(株)ハタケホットケが開発中の水田雑草対策装置(商品名:ミズニゴール)を試験的に導入しました。


       

      このミズニゴールは、水田を走らせることにより田の水を濁らせ、雑草の光合成を遮り生育を抑制するもので、田に入らなくても畦畔等からリモコンで操作することができます。

      効果的な活用方法について検討する余地はあるようですが、本年7月に「中田の棚田」を現地会場として開催された令和6年度棚田学会現地見学会において、参加者に操作を体験してもらうなど、ミズニゴールはイベント等にも活用されています。




      〇「デジ活」中山間地域のフォローアップに向けて
      中山間地等の条件不利地域では、平場の農業地帯に比べてスマート農業技術の開発が遅れており、活用できる技術も限られています。一方、人口減少や高齢化が急速に進行し、様々な課題を抱える中山間地域こそが、社会課題の解決にデジタル技術の活用を必要としています。急傾斜地に広がる棚田地域においても適用可能で、かつ生産性の向上に資するようなスマート農業技術の開発が待たれるところです。

      「デジ活」中山間地域へのフォローアップでは、活用可能なデジタル技術に関する情報提供や、課題・ニーズ等を把握しながら、中山間地域の課題解決に向け、引き続き取組のサポートに努めていきます。



      お問合せ先

      近畿農政局和歌山県拠点

      ダイヤルイン:073-436-3831