色川の小さな解体処理施設から資源循環・人の交流の大きな波を
―色川の小さな解体処理施設「だものみち」―
和歌山県那智勝浦町の色川の小さな解体処理施設「だものみち」代表の原裕(はらひろし)さんを訪ね、お話を伺いました。
原さんは、地元を獣害から守るためUターンして獣害対策の請負人として活躍しています。獣害のまま終わらせず地域の資源に変え、地域全体で獣害に立ち向かい、資源が巡ることで交流の輪が広がり、もっと地域が元気になる。そんな想いを実現するために令和2年にクラウドファンディング等により、色川の小さな解体処理施設「だものみち」をオープンしました。

代表の原さんは、高校を卒業後、鹿児島大学農学部で家畜の勉強をし、大学卒業後に田舎で働き隊(地域おこし協力隊)として地元色川に戻って獣害と向き合っています。
獣害対策の一環として捕獲された獣の命を無駄にせずに循環させていくこと。それが原さんが目指すところです。

【色川の小さな解体処理施設「だものみち」】
施設の名称「だものみち」は、けもの(けだもの)との共存を目指す、まだ道半ばという想いを込めて付けられたそうです。
「だものみち」は、シカやイノシシの解体、ジビエの販売だけではなく、狩猟体験ツアーも行っており、「体験」を重視した施設です。

【体験レストラン「Aima」】
体験レストラン「Aima」は、「だものみち」の隣りにあり、令和4年にオープンしました。野菜の収穫体験や卵の収獲体験、シカの解体体験などを通して食の背景を知ることにより、普段口にする食べ物がどのように作られるのか、その背景を知ったうえで食事をいただくことができる体験レストランです。
原さんが解体したジビエも実際に食べることができます。

敷地内では人馴れした、にわとりがお散歩中です。訪れた人の心を和ませます。

【応援していただいた方々】
クラウドファンディングは想像以上の反響があり、目標金額を大幅に超えて達成したそうです。
クラウドファンディングにより、応援していただいた方々に感謝の意を表して名前を掲示しています。
色川地区の獣害対策は、捕獲に加えて、防護柵の設置による侵入防止対策や獣の生息環境管理など、原さんが会長を務める「色川鳥獣害対策協議会」を中心に、地域住民が一体となった取組が行われています。また、サルへのGPS発信機の装着やセンサーカメラの設置など、ICT技術を活用した効率的・効果的な獣害対策も行われています。
「だものみち」によるジビエ利活用や狩猟体験等の取組を通じて、獣害対策に対する理解がより一層進むことが期待されます。
小さな解体処理施設「だものみち」HP:https://damonomichi.com/
体験レストラン「Aima」HP:https://aima2022.wixsite.com/website
お問合せ先
近畿農政局和歌山県拠点
ダイヤルイン:073-436-3831