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近畿農政局

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歴史の隠れ里、杉野原で地域課題の解決に向け意見交換を行いました!(有田川町)


有田川町杉野原地区は、有田川町の東部、高野山を源流とする有田川上流に位置し、開墾された棚田や農村集落が広がっています。同地区には南北朝時代の城跡や古戦場跡などの史跡が数多く残っており、知る人ぞ知る歴史の隠れ里となっています。

近畿農政局は、令和6年6月20日(木曜日)杉野原地区を訪問し、棚田の現地視察と「杉野原の棚田地域振興協議会(以下、協議会という。)」関係者と意見交換を実施しました。

同地区は、令和元年に施行された棚田地域振興法に基づき協議会を設立し、集落活動による棚田の保全のほか、国指定重要無形民俗文化財「杉野原の御田舞(おんだまい)」の保全・継承に向けた取組、杉野原ふるさと市(直売所)の開設、農家民泊や「棚田ウォークin杉野原」のイベント開催等、都市農村交流により関係人口を創出するなど、棚田を核とした地域の活性化に熱心に取り組んでいます。

また、令和4年2月には「つなぐ棚田遺産~ふるさとの誇りを未来へ~(ポスト棚田百選)」に認定されており、関係者のたゆまぬ努力により美しい棚田や景観が維持されています。

現地視察後に、杉野原活性化センターにおいて、集落の現状と課題等についてお話を伺った後、農地の維持、担い手確保に向けた取組等を中心に意見交換を行いました。





「ささゆり」は日本に自生するユリ科の球根植物で、葉の形が笹の葉に似ていることから「ささゆり」と呼ばれています。開花は5月~7月頃で、淡いピンク色の大輪の花を咲かせることから、盗掘されることも多いようです。通常、種子から花が咲くまでには7年以上かかるといわれています。杉野原地区では、地域を代表する花にしたいという思いから、大切に守られています。







協議会の松本会長(写真手前)のご案内により、棚田を視察させていただきました。







杉野原地区は、昭和28年の豪雨により大規模な土砂災害が発生しましたが、現在の棚田は圃場整備が行われており、棚田の面積は比較的大きいことが特徴です。

水稲の生育も現在順調に推移しています。





杉野原地区では、景観作物として「あじさい」の栽培に力を入れています。視察当日は、色とりどりの「あじさい」の花が咲いていました。





雨錫寺阿弥陀堂(うじゃくじあみだどう)(国指定重要文化財)は、御田舞の舞殿である茅葺きの五間堂で、須弥檀と厨子を置くほかは間仕切りがない開放的な建物です。永正11年(1514年)に現在地に建立され、中世に遡る遺構として貴重な文化財となっています。(引用:有田川町ホームページ)






御田舞は、田起こし、収穫、籾すりまで稲作の全生産工程を歌と舞で模倣的に演じることによって、その年の豊穣を祈願する伝統文化で、全国的にも貴重なものです。昭和56年に国指定重要無形民俗文化材に指定されています。






御田舞に先立ち行われる「裸苗押し」は、燃え盛る大火鉢を中心に円陣を組み、歌いながら揉みあって回る勇壮なものです。

現在、御田舞は休止していますが、御田舞の復活と再度の一般公開が待たれるところです。(御田舞の写真は、有田川町清水行政局より提供。)







意見交換では、担い手の高齢化、後継者不足、鳥獣害等から営農継続が困難になっている現状や、地域で農業生産を維持し、地域活性化を図るためには人材と収入源の確保が課題となっていることを伺いました。

また、「しみず山椒生産組合」の白藤副組合長から、地域の特産物である山椒栽培の現状と課題についてお話を伺うとともに、農地の維持、担い手確保に向けた取組等を中心に意見交換を行いました。

今後も引き続き、地域課題の解決に向け地元協議会や関係機関との連携に努めていきます。



お問合せ先

近畿農政局和歌山県拠点

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