令和6年産の「ゆら早生(わせ)」も味覚は最高!!
【由良湾を一望できる高台にある園地】

極早生みかん「ゆら早生(わせ)」の発祥の地域であるJA紀州管内の和歌山県由良町などでは、11月上旬に今シーズンの出荷を終えました。
今シーズンは、暖冬などによる影響から春期のカメムシの被害、蛾による吸汁害や夏期の猛暑による影響から日焼け果・割れ果などが多く収穫量は昨年の7割程度となっています。また、8月~9月にかけて夜温が高かった影響で着色が遅れましたが、その後は天候にも恵まれ糖度と酸味ともバランスがよく品質は良好に仕上がっています。
(ゆら早生:みかんの品種である「宮川早生」の枝変わりとして昭和60年に発見され、平成7年9月に品種登録されました。収穫期は9月中旬~11月上旬で極早生品種の中では非常に糖度が高く品質が良いため販路拡大が期待されます。)

2021年7月に由良町三尾川地区の海を見下ろせる高台に「ゆら早生発祥記念碑」が建立されています。
紀州選果場

【紀州選果場内】
JA紀州では今年(2024年8月)管内2カ所の選果場を合併し、「紀州選果場」が竣工しました。最新のシトラスセンサー、プールライン:駆動式(貯留施設)、ロボットパレタイザーなどを導入し省力化を図ったことで、従来の選果場より品質判別機能、出荷処理能力が向上しています。

<荷受けライン>
コンテナ吊り上げ機を導入し、省力化しています。

<目視による2度の選別作業>
荷受けされたゆら早生は、作業員が目視でキズや腐敗果等が混入していないか1次選別、2次選別と2度にわたり確認し、品質向上に努めています。

作業員が確認した後、最新鋭のシトラスセンサーに送られます。

<最新鋭のシトラスセンサー(※)>
最新鋭のシトラスセンサーを導入し、計測カメラが5画面から6画面に増えたことにより腐敗果感知機能が向上しています。
(※)シトラスセンサー:高感度センサーにより糖度・酸度等を高速で測定する装置。

ひとつずつ機械に通され、シトラスセンサーで大きさ・糖度を選別し、最終チェックが行われ、腐敗果の除去・大きさ・糖度を選別し、箱詰めされます。小さなキズも見逃しません。

各エリアで自動化・省力化が図られ、重量も自動計測し、出荷箱ごとに識別番号を印字し、生産履歴が確認できることによりリスク管理を行っています。

JA紀州では選果場を統合したことにより、出荷箱のデザインを統一しコスト削減が図られています。

<プールライン:駆動式(貯留施設)の保管状況>
出荷箱ごとに品質規格をバーコードで管理されており、自動で規格毎にロットで倉庫に保管し出庫されます。

<ロボットパレタイザー(※1)>
輸送パレットへの積み込み作業もロボットパレタイザーを導入し、省力化・積荷作業の安全性と作業時間の短縮及び輸送時間の短縮が図られ、スピーディーに市場出荷が出来ます。
また、流通パレットについては、将来の流通形態の統一化を見据えたイチイチパレット(T11型パレット)(※2)を導入している。
(※1)ロボットパレタイザー:段ボール箱の荷物を自動で輸送パレットに積み付けるシステム。従来は手作業でトラックへ積み付けていたが、導入することで人手不足の解消・省力化や積荷作業の時間短縮が図られる。
(※2)イチイチパレット(T11型パレット):国内の物流で使用されている標準サイズのパレットで多くの業界で用いられているサイズ。

<出荷を待つ「ゆらっ子」>
糖度11以上のゆら早生は、「ゆらっ子」のブランド名で全国各地の市場に出荷されます。
年々、知名度が上がり、販売量も増えてきた「ゆら早生(わせ)」。気になった方は、JA紀州ほか直売所等販売店へ!!
お問合せ先
近畿農政局和歌山県拠点
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