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近畿農政局

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「七川桜」を生かした地域づくり(古座川町)

-協議会による七川桜を未来につなぐ取組-

古座川町七川地域で活動する七川ふるさとづくり協議会(以下、「協議会」という。)を訪問し、下山会長と地域おこし協力隊の谷井さんから協議会の取組状況についてお話を伺いました。

七川地域について
七川地域は古座川町北西部、古座川の上流に位置し、人口は333人(令和6年1月1日、住民基本台帳人口)で高齢化率は70%を超えるなど、県内有数の過疎高齢地域です。主な特産品は、ゆず、ゆず加工品、シキミ、サカキ、鮎、しいたけ、日本ミツバチの蜂蜜などです。

七川ふるさとづくり協議会の設立
平成28年に持続可能な地域を継承することを目的として協議会が設立され、翌年から地域おこし協力隊の受入が開始されました。協議会のメンバーは、七川地域内自治会長、公民館七川分館、農事組合法人古座川ゆず平井の里、地域住民、地域おこし協力隊で構成され、部会組織は、桜チーム、空き家チーム、防災チーム、生活支援チームを設置し、地域運営組織として諸活動が行われています。
協議会設立後、約50軒を訪問して聞き取った調査結果をもとに、地域の課題と対策を分析し、平成30年度~令和2年度の3年間で、総務省の事業、和歌山県、古座川町の予算を活用して、➀クマノザクラを活用した名所づくり➁買物支援バスの実証、➂若者移住者を呼び込む環境整備等、地域の「めざす姿」の実現に向けて取組が行われました。

「七川桜」を生かした地域づくりの取組
七川ダムが建設された昭和30年に、地域住民の手により約3千本のソメイヨシノの苗木がダム湖畔に記念植樹されました。七川ダム湖畔の桜は、公益財団法人 日本さくらの会により「桜の名所100選」に選定され、桜の開花期には大勢の人で賑わうそうです。また、約100年ぶりに発見された新種の桜クマノザクラは、町内のソメイヨシノに比べ1~2週間程度開花が早く、花びらはうっすらとピンク色に着色することが特徴です。このクマノザクラ、ソメイヨシノ、ヤマザクラなど、地域に自生する桜を七川桜と呼び名を統一し、桜チームを中心に苗木の生産や植樹を行うなど、七川桜を未来につなぐ取組が行われています。
七川桜を生かした地域づくりに取り組む七川地域を一度訪れてみてはいかがでしょうか。




【夏目商店&カフェ】
地域おこし協力隊と地域住民が協力し、古民家を改修して、協議会の活動拠点、地域の交流拠点として整備され、運営が行われています。




【夏目商店&カフェの店内】
店内は、レトロな雰囲気が印象的です。
ゆずの加工品、ブルーベリージャム、にんにく、日本ミツバチの蜂蜜など、七川地域の特産品を購入することができます。
カフェはコーヒー、ゆずジュースなどの飲み物のほか、きつねうどんなどの食事も提供されています。
営業日は毎週火、金、土です。




【きつねうどんと炊き込みご飯セット】
きつねうどんの油揚げは、地域のおばちゃんに煮込んで味付けしてもらっているそうです。特産のゆずの風味も味わうことができます。





【七川の手ぬぐい】
店内では、七川を紹介する手ぬぐいが販売されています。
手ぬぐいには、古座川の源流である大塔山、鮎、オオサンショウウオ、ゆず、日本ミツバチ、よもぎ餅、桜等、七川のシンボルが描かれています。




【七川ダム湖畔の桜】
昭和30年七川ダム完成時に、地域住民の手により湖畔の周囲5kmにソメイヨシノの苗木約3千本が記念植樹されました。
七川ダム湖畔の桜は日本さくらの会により「桜の名所100選」に選定されています。和歌山県内では、紀三井寺の桜、根来寺の桜、七川ダム湖畔の桜が100選に選ばれています。(写真は協議会より提供。)





【夏目商店&カフェの2階からみた景色】
古民家を改修した地域の交流拠点「夏目商店&カフェ」の2階から見るダム湖畔の桜が絶景で、お花見の特等席として部屋の貸出が行われています。
(写真は協議会より提供。)





【クマノザクラ】
クマノザクラは、紀伊半島南部にもともと自生していた桜で、森林総合研究所の勝木氏らによって、新種の桜であることが発表されました。
花弁は白~淡紅色で、色合いに濃淡があり、ソメイヨシノより1~2週間程度早く咲き始めます。
野生のクマノザクラを保全するために、種子や接ぎ木により苗木の育成が行われています。(写真は協議会より提供。)





【よもぎ餅の復活】
七川地域では地域の食文化であるよもぎ餅の復活に力を入れており、令和5年の春に手作りのよもぎ餅が復活しました。基本的に春のみの販売ですが、行列ができるほどおいしく、人気だそうです。地域の人と連携してよもぎ餅を作り販売する、また地域の人が喜んで買いに来るという、地域資源を生かした活動により地域が元気になり、地域おこしに繋がっています。
(写真は協議会より提供。)




最後に
中山間地域では過疎高齢化が進み、農業生産活動のみならず、集落維持に必要な農地や水路等の地域資源の管理や、買い物、子育て等の生活扶助等、集落機能が衰退しています。和歌山県拠点では、地域コミュニティーの機能を維持するため、農村型地域運営組織(農村RMO)等の施策を通じて、地域課題の解決に向けた取組を実践する組織のサポートに引き続き努めていきます。

七川ふるさとづくり協議会ホームページ
https://furusatokozagawa.wixsite.com/shichikawa

お問合せ先

近畿農政局和歌山県拠点

ダイヤルイン:073-436-3831