 田辺市上芳養日向地区
 (左)解体長官 湯川さん (右)代表 岡本さん
 ジビエ加工処理施設 ひなたの杜(外観)
 ジビエ加工処理施設 ひなたの杜(内部)
 わかやまジビエ処理施設衛生管理認証
 改修工事中の空き倉庫(外観)
 改修工事中の空き倉庫(内部)
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獣害対策で地域活性化に取り組む (田辺市 株式会社 日向屋)
取組の概要
鳥獣害対策、耕作放棄地、担い手不足等、地域の農業経営にかかる課題解決のため、田辺市上芳養日向地区の若手農家5人が、平成28年害獣捕獲チーム「チームひなた」を結成、平成30年には幅広く事業を展開するため、株式会社日向屋を立ち上げました。メンバー5人がそれぞれ自営農業をしながら、この活動を進めています。
日向地区では高齢化等による耕作放棄地の増加により、野生鳥獣による農作物への被害が深刻な問題となっていました。鳥獣害対策は、追い払いや防護柵による対策だけでは解決できないことから、メンバー全員が狩猟免許を取得し、野生鳥獣の捕獲に取り組んだ結果、年間120頭程度を捕獲し、地区内の駆逐に成功しました。野生鳥獣被害が減り、地元の農家から感謝されるなど、大きな成果を上げています。
また、地域の厄介者であったイノシシやシカなどの野生鳥獣をジビエとして地域資源での活用に取り組み、日向地区に誘致したジビエ加工処理施設「ひなたの杜(紀州ジビエ生産販売企業組合)」と連携し、地元で食肉加工を行うとともに、ジビエ料理の普及、販路拡大のほか、ジビエ料理レストランを地元に開業(令和2年2月から営業予定)するなど、地域活性化にも貢献しています。
そのほか、(1)耕作放棄地を活用(柑橘、梅、トウモロコシなどの野菜を栽培)し、保育園や福祉施設と連携した食育活動、(2)地元の規格外みかんを仕入れ、和歌山市の福祉施設に製造委託したジュース、ジャム等の加工品のブランド化、(3)高齢化や担い手不足により需要が増えている剪定作業等の農作業代行サービスなど、地域の課題を解決することを生業とした様々な取組を行っています。
今後の活動
空き倉庫を地域の活動・交流拠点とするため、リノベーションを行っています。改修に必要な資金はクラウドファンディングにより調達し、年内の完成を目指して、現在DIYにより改修工事を行っているところです。 「地域を何とかしたい」という思いは強く、会社のスタッフや地域住民の協力を得ながら、農業とジビエを軸にした新たな農業のスタイルを確立し、次の世代に地域資源を残していくための活動を通じて、持続可能な地域づくりを目指しています。
〈株式会社 日向屋のメンバー〉 代 表 岡本 和宜(運営、広報、営業、柑橘類栽培責任者) 狩猟長官 辻田 直樹(罠の設置、狩猟体験、農作業受託責任者) 解体長官 湯川 俊之(獲物の解体、狩猟体験、梅栽培責任者) 野菜長官 垣内 利彌(野菜の栽培、保育園連携、福祉施設連携責任者) 金庫番長 更井 考行(会計、梅加工責任者) 料理長官 更井 亮介(フードコーディネート、調理責任者)
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お問合せ先
近畿農政局和歌山県拠点
〒640-8143 和歌山市二番丁3 和歌山地方合同庁舎
電話:073-436-3831