「人」・「みかん」との出会いから新規就農へ!
和歌山県 有田市| 井笹大地さん、裕香さん
有田市でIターン新規就農をされ、柑橘農業を営む井笹大地(だいち)さん、裕香(ひろか)さんのご夫妻に新規就農への道のりと、将来の展望について伺いました。
ご家族は、長男の陽仁くん、長女の日葵さん、養父の卓也さんの五人。うんしゅうみかん200aと不知火20aを栽培しています。
なぜ農業を?
大地さんは三重県、裕香さんは兵庫県のご出身で、共に大阪のIT関連会社に勤務されていました。
農業は自然とのやりとりが基本ですが、生きていくために欠くことのできない食材の生産であり、栽培技術における伝統と革新の調和・発想の転換を活かせること、努力が成果と直結していることなど、可能性と魅力を感じていました。
裕香さんとの交際が始まった当初から農業で生計を立てたいという夢を語っていた大地さん。とくに嗜好品として創意工夫が活かされる果樹栽培に注目。インターネットや刊行物等で就農に関する情報を調べる中で全国農業会議所が実施する「第三者継承事業」を知りました。
和歌山の地でご縁に恵まれ
この事業を利用して他県の柑橘農家で2年間の実習を終えましたが、2014年更に学びを深めるべく事業を利用し和歌山の地へ。ここで後に養父となられる井笹卓也さんとのご縁に恵まれました。
これまで柑橘栽培の技術は学んできたものの、実際に生計を立てるとなると、営農の知識が全くない状況だったとのこと。同年8月から卓也さんの元での研修が始まり、みかんの栽培技術(施肥・剪定・防除・潅水など)のみならず、資材の購入、選果・出荷販売に至るまで、農家として必要なノウハウを伝授されました。
満を持して
2018年1月、親族として向かえ入れられ、新規就農を果たされました。同年5月に認定農業者の資格も取得。
卓也さんは当時を振り返り、「配偶者と早くに死別し後継もいなかったことから、50年間も丹精込めて守ってきた樹園地が荒廃することが忍びなく、また、長年お世話になってきた市場の要望にも応えられないもどかしさにさいなまれる日々でしたが、大地君らが我が家に来てくれたことにより悩みが晴れ、孫もできて生き甲斐となっています。」と目を細め語ってくださいました。
大地さんは「卓也さんから居宅、農地、販売先、屋号の「誠のみかん」を継承させて頂けたことに凄く感謝しています。量より質を重視し、農業技術を更に向上していきたい。後継者のいない農家が他にも多くあります。新規就農の経験者として、何かお役にたてればと思っています。友人たちにも情報を提供しています。井笹家の後継者として、近隣の高齢農家から委託栽培の声もおかけ頂けるようになりました。有名産地の農地を守っていくため、何ができるかを常に考え行動することにより、有田みかんの産地に貢献することで、卓也さん、有田地域へ恩返しができれば」とのことでした。
編集後記
1から教える卓也さん、1から学ぶ大地さん。お互いの誠意と意欲が信頼関係を構築し、そのことが地域の一員としての認知にもつながったのでしょう。
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