「スマート農業を実践して「いちご」を栽培」
和歌山県 岩出市 よしむら苺ファーム 吉村 学さん
いちご栽培に最適な環境を目指して、日々、いちごの生育状況やハウス内の温湿度などのデータを分析し、環境制御装置の調整や改良を行うなど、試行錯誤をしながらスマート農業を実践している岩出市のよしむら苺ファームの吉村学さんにお話を伺いました。![]() |
<夫婦でいちご栽培を始めました> 2006年に実家の農業を継ぐため就農し、両親と一緒にお米、レタス、水ナスの栽培をしていました。2010年に結婚したのを機に、夫婦でいちごを栽培することを決め、30aの農地に5棟のハウスを新設し、2011年から和歌山県オリジナル品種「まりひめ」の高設栽培を始めました。 |
![]() 【和歌山県オリジナル品種「まりひめ」】 |
培地に自然由来の元肥を使用するなど通常よりも培土の量が多くなる工夫のほか、農薬の使用を減らすため、天敵による害虫防除や和歌山県内では初めて、UV-B灯(紫外線)を導入し、病害虫の抑制をしています。 |
![]() 【根元部分にCO2を施肥】 |
<より最適な栽培環境を目指して> 当ファームでは、スマート農業を実践していちごが美味しく育つ環境を整えています。2019年に環境モニタリング装置、2020年に環境制御盤とAI潅水施肥ロボット、2021年に加温設備を導入して、現在、栽培ハウス内の温度、湿度、CO2濃度や潅水施肥の自動制御を行なっています。 スマートフォンでモニタリングデータの確認や環境設定ができ、早朝や夜間など自宅に居てもハウス内の環境を快適に保つことができています。 環境制御を自動化したことで、手作業でしかできない作業に専念できる時間が増え、いちごの品質が安定し、収量も向上しました。 |
![]() 【最適な栽培環境を目指しています】 |
<スマート技術でつながる仲間> 環境モニタリング装置を導入した年に、スマート技術を習得するため「和歌山県スマート農業塾」を受講しました。そこで自作の環境制御システムを開発するなど環境モニタリングに詳しい生産者と知り合い、環境制御盤の製作やモニタリングデータの分析・制御設定など、技術面のサポートをしてもらい、今も交流が続いています。また、県の農業試験場でも同時期にいちごのハウス栽培で環境制御システムの研究を始めたので、その当時から相談して、スマート技術の向上を図ってきました。 |
![]() 【美味しさには自信があります】 |
<自分の知識を若手生産者に伝えたい> 日々、試行錯誤しながら環境制御に取組んでいますが、環境制御システムを導入してみて「もっと早く導入しておけば良かった」と感じています。 新しい機器の導入や使用にあたっては、実際に使用している生産者の声はとても参考になったので、これからは私がこれまでに得た知識を新規就農者や若手農業者に伝えていければと思っています。 |
![]() 【毬姫様(まりひめさま)」】 |
<まりひめプレミアム「毬姫様」> よしむら苺ファームの「まりひめ」は、地元の量販店で5月初旬頃まで購入することができます。 「まりひめ」の中でも特に味と大きさにこだわった「まりひめプレミアム(愛称:毬姫様)※」は、東京の市場に出荷しています。また、12月から2月までの期間限定で、岩出市のふるさと納税返礼品にもなっています。 ※「毬姫様」とは、「まりひめ」の中でも35g以上、糖度9度以上の完熟果実を厳選した特別ないちごで、12月から2月までの期間限定商品。 |
よしむら苺ファーム
住所:和歌山県岩出市中島878
ホームページ:https://yoshimura-ichigo.com/item
お問合せ先
近畿農政局和歌山県拠点
ダイヤルイン:073-436-3831
FAX番号:073-436-0914