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近畿農政局

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トレビス生産で地域農業を盛り上げたい

和歌山県 日高町  アッセンブル日高(代表  白井雄太さん)


「アッセンブル日高」(左が代表の白井さん、右が西さん)


和歌山県日高町の若手農業者による農作業支援団体「アッセンブル日高」(代表  白井雄太さん)は、後継者不足による遊休農地を解消し地域農業を盛り上げようと、農業分業化の仕組みを考案し、行政及びJA紀州と連携・協力して地中海原産野菜の「トレビス」の産地化に向けて試験栽培を行っています。


<農業分業化の仕組みを考案したきっかけ>
日高町農業委員を務める白井さんのもとには、周辺農家から、「後継者がいないので農地を引き受けて欲しい」「農機の更新費用が捻出できないので、これを機に農業をやめようと思う」「若手農業者で資金繰りが大変。機械を購入できない」等、切実な悩み相談が数多く寄せられており、常々、大型農業機械は持てないけれど生産意欲のある農家をサポートしたいと考えていました。
これまでも、地域の高齢農家から依頼があれば農作業のサポートをしていたそうです。
一方、地域では、後継者不足による遊休農地が増加する中、日高町の圃場整備が完成間近なこともあり、これらの農地を有効活用し、農家の所得向上と担い手の確保及び地域の活性化ができないかと考え、地域農産物の相場に影響が少なく高収益を見込めるトレビスを、農業分業化の仕組みにより生産することを考案しました。
具体的には、大型農業機械が必要な作業(耕耘、畝立、施肥及び定植)をアッセンブル日高が受託、栽培管理作業(水管理、農薬散布、収穫及び集荷)を参画農家が行います。収穫したトレビスは、アッセンブル日高が販売先を確保、JAと協力して販売し、労務費などの必要経費を差し引いて、収穫量に応じた収益を参画農家が得るしくみです。
白井さんは、「トレビスの栽培管理作業はあまり手間がかからず高齢者や非農家の方でもできる作業なので、地域の幅広い層に農業に関わりを持ってもらえて、地域の活性化にもつながるのではないか」と話します。


<試験栽培について>
JA紀州から資機材や栽培指導等の技術的サポートを受け、試験栽培に取り組みました。トレビスの苗は、JA紀州の施設で育苗したものを9月に定植。12月~2月にかけて収穫しました。
令和5年度は、合計60aの面積で3期に分けて複数の栽培条件により試験栽培を行いましたが、今冬の気象条件が特異的に推移し、例年と比べて気温が乱高下したためデータ取りには適しませんでした。
令和6年度は2~3haまで面積を拡大し、より確実に収穫できるデータ集積のため試験栽培を行い、令和7年度から本格実施する予定です。






<地域の活性化>
トレビスは、連作障害を回避するために、米と緑肥栽培との輪作とすることから、1年ごとに圃場を移して栽培します。
行政担当者は、「将来的に農業者数の減少は避けられない中、農地を保全しながら面積に余裕をもってトレビスを生産し、日高町として産地化を目指したい。また、一つのアグリモデルとして農業分業化の仕組みが上手く回れば、地域の活性化につながる可能性がある。アッセンブル日高の皆さんに期待しています。」と話します。


お問合せ先

近畿農政局和歌山県拠点

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