
岩手の冬の伝統行事と郷土料理 R5.2.24
「食育ブログをみんなで書いてみよう」第五弾は、おにぎり屋さんや昆虫の自動販売機など、仙台の街の食を探索中のIKさんからお届けします(^o^) ******************
 |
2月も下旬になりましたが、まだまだ寒さが厳しいですね。 我の部屋は毎日氷点下で、布団にくるまりながら震えて寝る毎日ですがな。 あ~、気密性のあるあったけぇ家さ住みでぇなあ~(>_<) 湯たんぽならぬ猫たんぽがないと寝てらんね~(T_T)
|
この、寒い日々の中でも、今年の豊作を祈願するための行事が岩手県各地で行われています。
変わったところでは、氷の太さでその年の作柄を占うという行事があります。 寒さによって沢水が山の中腹で凍り付き、時に高さが10メートル以上、 太さ8メートルの巨大な滝状のつららとなります。
岩手県花巻市石鳥谷地方では「つらら」のことを「たろし(たるひ)」と呼び、毎年2月にその大きさを計測するたろし滝計測会を執り行い、その年の豊作・不作を占います。今年は2月11日(土曜日)に計測会が行われ、太さ5メートル40センチで平年作が予測されるとの結果となりました。 |
 |
我の地元(岩手県奥州市胆沢)でも、2月11日(土曜日)に豊作祈願、農作業の安全等を祈願した冬の行事として「農はだての集い」というお祭りが開催されました。 「はだて」とは始めの意味を持ち、「農はだて」は正月後の農作業の始まりに1年の農業の豊作と安全を祈願し、縄ない、庭田植え(雪の降りつもった庭を田に見立て稲わら等を植えることで豊作祈願を行う)等を行う行事として伝えられてきました。
 |
 |
しかしながら、行事を伝える農家が少なくなってきたことから、伝統を後世に伝えるべく「全日本農はだての集い」と名付け平成2年から旧胆沢町の冬の行事として開催され、今年で34回目となっています。 |
農はだての集いでは、農作業始めをイメージして稲わらを使った「縄ない競技(時間内に何メートルの縄をなうか)」「豊作安全祈願」「庭田植え再現」等の伝統行事や神楽、剣舞、厄年連による踊りが披露され寒い中大変に盛り上がりました。 また、地元商店街や産直等により出店が出され、地元の名産品や縁起もの、暖かい汁物などが販売され好評でした。そのほか、岩手県南の食の文化の一つである餅つき、福もちまきが行われ、最後に冬の花火が打ち上げられ農はだての集いが終了しました。
ですが、本来は「農はだての集い」の目玉として「福俵引き」なるイベントがあったのです。 残念ながら、ここ数年新型コロナの影響で本イベントは中止されております。この福俵のサイズは直径2.5メートル、長さ4メートル、重量8トンの超巨大な俵となっており、これを、そりに乗せ、雪が舞う夜の7時頃から、さらし姿の厄年連の猛者がそりを引き、会場を練り歩き、最後にスロープに福俵を引き上げ、雄叫びを上げつつ豊作、安全、厄除け祈願を行う姿は、厄年連、観客ともに大いに盛り上ったものです。
 (福俵は、現在、公園に保管されてます。)
まあ、言葉で書くのは簡単ですが、我も厄年を迎えたときに参加させられ、真冬の雪がちらつく中、さらしにふんどし姿で外に放り出され、御神酒を呑み(まったく酔えん)、足袋で雪を踏みしめつつ極寒に凍え(さみ~より、いてぇ~)ながら馬車馬のようにそりを引き、あげくに人の気も知らんと周りの観客は遠慮せずに水をかけやがる(ええかげんにせ~(*`Д´*) ) 今となっては、いい思い出かな?(我のふんどし姿は見苦しいのでNGで~す(*^-゚))
さて、花火も見たし、体も冷えたし、家に帰ってあったげぇ~もんでも喰うべぇ~。 ということで、今日は体がぬくだまる(温まる)「はっと汁」を食べようと思います。 東北地方では「はっと」は昔から親しまれる郷土料理で、地区によっては「すいとん」「つめえり」「とってなげ」などいろいろな名称で呼ばれています。 小麦粉を水などで練り、熟成させ、のばした生地をゆであげたもので、汁の具にして食べるのが一般的な食べられかたです。奥州市の食堂、料理店でも創意工夫を凝らして、様々なはっと料理(カレー味、中華風等、デザートもあるようですよ。)を提供することで「奥州はっと」としてグルメ観光に一役買っています。
ちなみに、「はっと」の由来については諸説ありますが、当地方では伊達の領主様から、おいしすぎて仕事に身が入らなくなるため食すのは「御法度(ごはっと)」である、とされたことから「はっと」と名付けられたと言われています。
なお、我の家の「はっと」は、特に変わった作り方はせず、市販のすいとん粉を水で練り、具に鶏肉、大根、にんじん、ねぎ、ごぼう、きのこ(今回は舞茸)を使用して、醤油、みりん、だしの素 で、味を調え具を煮込んだ鍋に、はっとを投入し煮込んで出来上がりとなります。 |
 |
はっとは、シンプルな作りですから、その家々独自の作り方があると思います。知り合いのところでは、マサカ(ムレオオフウセンタケ)で出汁を取ると「すんげぇあんべ(按配)いいべ」という人もいます。 みなさんも、ちょっと工夫しながら寒い冬のお供に作ってみてはいかがでしょうか。あったまりますよ~。 はっと汁のセットも市販されているので、手早く食べたい方はお店で探してみてください。
注:我は標準語を使い慣れていないので、時々ずうずう弁を使ってしまいました。読みづらいところはご容赦くださいm(_ _)m
令和5年2月24日
給食で郷土料理(福島の「ざくざく」) R5.2.17
「食育ブログをみんなで書いてみよう」第四弾は、いつも、彩りの良い美味しそうなお弁当を作ってくる、癒やしのYCさんからのお届けです(^o^) ******************
ある日、中学生の娘が「給食で『ざくざく』っていうのが出るんだよ!」と言うので、「ざくざく?ざくざくって何??」と献立表をよく見てみたところ、確かに「ざくざく煮」と書いてありました。どうやら、その日は福島県の郷土料理を取り入れた献立のようです。

面白いネーミングに興味をそそられ、農林水産省ホームページの「うちの郷土料理」で探してみると、ありました、福島県の「ざくざく」! 【農林水産省ホームページ うちの郷土料理 「福島県 ざくざく」】 https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/30_8_fukushima.html 上記のページによれば、「ざくざく」とは“ざくざくと具材を角切りにした汁物”。
 |
これが「ざくざく」だそうです。
|
写真を見てみると、なんだか見た目は、同じ福島県の会津地方の郷土料理「こづゆ」に似ている気がします。
 |
こちらが、以前食育ブログで紹介された「こづゆ」。
|
と思ったら、「うちの郷土料理」にも
~ ざくざくに煮た郷土料理として会津若松で食べられている「こづゆ」がある。だしに煮干し、こづゆは貝柱を使うなどいくつか違いはあるものの、共通する部分も多い。さらにこづゆのことを「ざくざく」と呼び、同じものと認識している地域もある。 ~
との記載がありました。 「ざくざく」は主に福島県二本松市で江戸時代から親しまれている郷土料理で、冠婚葬祭や市日、初午、大みそかなどに供されるとのこと。「こづゆ」とは、だしなどに違いがあるようですね。 作り方はシンプルで、根菜やこんにゃく、干し椎茸などの材料をすべて1センチの角切りにし、だし汁で煮て、醤油で味を調えます。 (詳しい作り方は「うちの郷土料理」をごらんください。)
具だくさんで、野菜不足の解消にもぴったりだと思い、我が家でも休日に子供たちと作ってみました。
【ざくざく】 ○材料 里芋、人参、ごぼう、こんにゃく、大根、干ししいたけ、だしパック、醤油
 体に良さそうな食材ばかりです。
 ひたすら「ざくざく」刻んで
 大鍋で煮込みます。 だしはお手軽に、市販の煮干し入りだしパックを使用しました。
 できました!(一緒に写っているのは、修学旅行のお土産の赤べこです。)
子供たちは小学校の修学旅行で訪れた福島県を思い出しながら、「『こづゆ』に似てるね。この『ざくざく』もおいしいね。」「大根に味がしみておいしい。」「給食の『ざくざく』には鶏肉入ってるのかな?」と、話を弾ませていました。野菜の大きさがちょっとふぞろいになってしまいましたが、味もよくしみて、とてもおいしくできました。根菜をどっさり食べられて、大満足です♪
限られた予算の中で、いつもバランス良く食べ盛りのお腹を満たしてくれる給食は本当にありがたいものですが、こんなふうに献立に郷土料理を取り入れる取組は、様々な食文化への興味も広げてくれますね。 子供たちにはこれからも、作ってくれる方々への感謝の気持ちを忘れずに、しっかり味わって給食を食べて欲しいと思いました。
令和5年2月17日
カヌレ R5.2.10
来週2月14日はバレンタインデー。こんなお菓子をいただいたら嬉しいですね(*^_^*) 「食育ブログをみんなで書いてみよう」第三弾は、食育推進班の謎のパティシエTHさんの再登場です(^o^) ******************
今回は、最近少し話題になっているフランスの伝統的な焼き菓子の「カヌレ」をご紹介します♪
カヌレは、とても古い歴史を持っているため、正確な由来は明確になっていないとのことですが、一般的には、フランスのボルドー地方の女子修道院が発祥と言われています。
ボルドーといえば、皆さんもご承知の通り赤ワインが有名な産地で、カヌレの誕生にも、このワインが深く関わっているとのことです。
|
 |
当時(16~18世紀ごろ)のボルドーでは、醸造中のワインの澱(おり)を取り除くために、大量の卵白が使用されていました。そのとき余ってしまう卵黄を何かに活用できないかと生み出されたのがカヌレの起源と言われています。
今回は、米粉を使ったレシピで作ってみました。 米粉は生地を寝かせる必要がなく、グルテンフリーなので、焼いたあとにすぐ食べても美味しく、作り方も比較的簡単です。
【カヌレ(米粉バージョン)】
○材料(6個分) 米粉70g 牛乳250cc 三温糖70g(白砂糖でも可) 卵(全卵)1個 バニラビーンズ(ペースト)3g バター10g ラム酒(リキュール)20cc 型用のバター少々 |
 |
○作り方 1.米粉と三温糖は混ぜて、ふるいでふるっておきます。 2.卵をよく溶いておきます。 3.牛乳とバニラビーンズを一緒に火にかけ、沸騰する直前まで温めます。火を止めたら蓋をして60度まで冷ましておきます。(ふたをすることで牛乳にバニラビーンズの香りがしっかり移ります) 4.型にバターを塗り、冷蔵庫で冷やしておきます。 5.バターをレンジで溶かしておきます。(600Wで40秒程度) 6.60度まで冷ました3.を1.に注ぎ、三温糖を溶かすように混ぜます。 7.6.に2.の溶き卵を混ぜ、5.の溶かしバターを混ぜ合わせます。 8.最後にラム酒を混ぜて、細かいざるなどで濾して生地はできあがり。
9.冷やした型に8.を均等(八分目程度)にいれ、230度に予熱したオーブンで15分程度焼き、その後190度に下げて50分程度(焼き加減をみながら)焼きます。 10.焼き上がったら、すぐに網に敷いたクッキングシートにひっくり返して粗熱を取ります。(やけどに注意)
焼き上がりは、外はカリッと、中はしっとりもちもちしています!
初めて作ってみましたが、食べた職場の方からは、「売り物みたいで美味しい」との感想をいただきました。 次は手間と時間をかけて作ってみたいと思います。
令和5年2月10日
食育セミナーを開催します R5.2.3
今回は、イベントについてのお知らせです♪ 東北農政局では、来月3月2日(木曜日)に、令和4年度第2回目の食育セミナーをオンラインで開催します(^O^)
テーマは「持続可能な食と環境を支える食育の推進」です。
食は、健康的な暮らしのために欠かすことのできない大切なもの。 そして、健全な食生活は、自然の恩恵、環境の上に成り立つものです。 農林漁業体験や地産地消の推進、有機農業に対する理解の増進、食品ロスの削減など、SDGsを意識したエシカルな消費に配慮できるような食育の推進について、一緒に考えてみませんか。
セミナーチラシ(PDF : 326KB)
|
 |
本セミナーでは、佐々木裕子 氏(仙台白百合女子大学人間学部教授) による基調講演のほか、佐々木氏、石森さと子 氏(指導農業士)、片桐祐治 氏(株式会社明治北日本支社コミュニケーション課長)によるパネルディスカッションも行います。 興味深いお話がたくさん聞けると思いますので、みなさん、ぜひご参加下さい!
【開催日時】令和5年3月2日(木曜日)13時30分~15時30分 【開催方法】オンライン(Zoom)配信のみ 【募集人数】先着100名 【申込締切】令和5年2月24日(金曜日)
 |
【基調講演】 テーマ:「健全な食生活と環境を支える食育の実践」 講 師:佐々木裕子 氏 (仙台白百合女子大学人間学部教授)
|
【パネルディスカッション】 テーマ:「持続可能な食と環境を支える食育の推進」 パネリスト:佐々木裕子 氏(仙台白百合女子大学人間学部教授) 石森さと子 氏(指導農業士) 片桐祐治 氏(株式会社明治北日本支社コミュニケーション課長) ファシリテーター:木村恭子(東北農政局消費・安全部消費生活課)
詳しくは、東北農政局ホームページをご覧ください。https://www.maff.go.jp/tohoku/press/syouan/syouhiseikatsu/230127.html
定員に達しましたので、お申し込みを締め切らせていただきます。
ここ数年、各分野で全国的にデジタル化に対応したオンラインでのセミナーやシンポジウムなどが増えています。 オンラインのメリットは、何といっても自宅や遠方からでも参加できること。 皆様のご参加を心よりお待ちしております(*^_^*)
【おまけ】 明日2月4日は立春です。 暦の上では春になりますが、先週は今季最大の寒波が到来(>_<) そのような中、職場のWさんから露地物の「ふきのとう」をいただきました。 もう少し厳しい寒さが続きそうですが、春はそこまで来ています♪ 一足先に春の訪れを感じ、暖かくなるのが待ち遠しいこの頃です(*^_^*)
|
 |
令和5年2月3日
|