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東北農政局

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令和5年度食品安全に係る消費者団体等との意見交換会概要(第2回)

  東北農政局では、食品の安全確保と消費者の信頼の確保に向けて、管内各県において消費者団体等との意見交換会を開催しています。
  令和6年2月1日(木曜日)、東北農政局本局(仙台市)と東北農政局福島県拠点(福島市)をオンラインで接続し、「ゲノム編集技術の農業・食品への実用化」「エシカル消費、食品ロスの削減」「食料・農業・農村政策の新たな展開方向に基づく施策の全体像」について消費者団体等(20名)と意見交換を行いました。

宮城県会場

  福島県会場

(メイン会場) 東北農政局本局



(サブ会場) 東北農政局福島県拠点

1.日時・場所

日  時 : 令和6年2月1日(木曜日) 13時30分~16時00分
場  所 : 東北農政局7階入札室(宮城県仙台市青葉区本町3-3-1(仙台合同庁舎A棟))
             東北農政局福島県拠点会議室(福島県福島市南中央3-36(福島県土地改良会館4階))

2.出席者等

出席者 : 宮城、福島県内の消費者団体 等 7団体20名
説明者 : 国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構、東北農政局

3.主なやり取り

(1) ゲノム編集技術の農業・食品への実用化について
 (ア)説明:国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 企画戦略本部 新技術対策課 高原課長
 (イ)意見交換・質疑応答
【消費者団体等A】
   1.クリスパーキャスナインは、細胞の中で働き遺伝子を切る仕事をしていなくなるとのことだが、具体的にいなくなるとはどういうことか。
   2.遺伝子組み換えの規制対象でないものについても事前相談をして、その中で確認をされて最後届出をするとあるが、誰が確認、審査するのか。
【農研機構:高原課長】
   1.クリスパーキャスナインは酵素であり、分解されてなくなる。その他の酵素も同様である。
   2.担当省庁が、専門家の委員会を開催する等して、確認している。

【消費者団体等B】
   1.ゲノム編集食品に表示がないと、消費者は店頭での判断ができず消費者の「選ぶ権利」が脅かされる。表示の義務化が必要ではないか。
   2.オフターゲット変異(目的の遺伝子以外も切断すること)が起こった場合に、毒素やアレルギーの発生など有害な影響が生じるのかについて教えていただきたい。
   3.アメリカやEUなど海外での研究開発、商用化に関する進捗状況を教えていただきたい。また、輸入された場合の国としての情報提供のあり方、仕組みはどうなっているのか。
【農研機構:高原課長】
   1.ゲノム編集によって得られた変異と従来の育種技術によって得られた変異とを科学的に区別することはできないため、消費者庁ではゲノム編集食品について、表示を義務づけることは現時点では妥当 でないとしている。また、開発または販売する方からの情報提供は大事であるので、積極的に情報提供するよう努めるべきとされている。
   2.ゲノム編集では、狙った遺伝子を切っているが、オフターゲットが生じることもある。しかしながら、私たちが食べるものとしては、問題のないものが選ばれている。
   3.海外での規制は、EUでは基本的にはゲノム編集を使ったものは遺伝子組換え規制対象とされているが、現在見直しに向けた議論が進んでいる。
なお、輸入された場合は、それぞれの国内のルールで扱われる。

【消費者団体等C】
   (意見)ゲノム編集技術は食料不足などの面から期待される分野だと思う。ゲノム編集技術で生産されたものに表示が義務付けられていないのは非常に残念。新しい技術だからこそ積極的に表示してほしい。

【消費者団体等D】
   1.遺伝子の働きがまだ分からないものをゲノム編集することは危険ではないか。
   2.医療分野でのゲノム編集では、「ゲノム編集による、細胞のがん化」との報告を聞いた。専門分野ではないかもしれないが、分かる範囲で教えてほしい。
【農研機構:高原課長】
   1.ゲノム編集では、機能が分かっている遺伝子をターゲットとしている。
   2.ゲノム編集医療によってがん化を引き起こすといった報告は承知していない。

【消費者団体等E】
   1.農研機構では、今、どのようなゲノム編集食品を開発しているのか。
   2.海外で遺伝子組換えで作られた飼料が日本に輸入され、その飼料を家畜が食べ、その家畜の肉を消費者が食べていると思われるが、その事実関係を教えてほしい。
【農研機構:高原課長】
   1.農研機構では、代表的なものとして、じゃがいもと小麦を開発している。
   2.我が国は、ブラジル、アメリカ、カナダ等から飼料用の遺伝子組換え農作物を輸入している。

(2) エシカル消費、食品ロスの削減について
      説明:東北農政局消費・安全部消費生活課 中島課長補佐 エシカル消費、食品ロス削減説明資料(PDF : 480KB)
(3) 食料・農業・農村政策の新たな展開方向に基づく施策の全体像について
 (ア)説明:東北農政局企画調整室 林田室長 食料・農業・農村政策の新たな展開方向に基づく施策の全体像説明資料(PDF : 909KB)
 (イ)意見交換・質疑応答
【消費者団体等C】
   就農者が数十万という数で急速に減っており、これに伴って休耕地の問題が起きている。
   農地を相続しても税金や維持管理が大変なため要らない。耕作者や買い手もいない。
   行政は税金の減免や補助金支出を行い、民間企業の農地保有などの規制を緩和して休耕地の有効活用を図るべき。農水省だけの問題ではないが、食の安全保障に関わることでもあり、ぜひ省庁間で連携し、土地に関して抜本的、弾力的に見直しをしていただきたい。
【東北農政局:林田企画調整室長】
   耕作放棄地の増加は、農林水産省として大きな問題と認識しており、ご意見として承りたい。
   これまでは、農業法人を含めて農業をできる人が規模を拡大し、できるだけ耕作放棄地が出ないように取り組んできた。しかしこれ以上の規模拡大は限界との声も聞く。
   農業法人は、建設業や製造業等の法人に比べて経営基盤が弱いと言われており、より強い体質で経営ができるようにして、農地の総量確保と有効利用を図っていく方向での見直しの検討が進められている。

【消費者団体等E】
   ニュースでは食料安全保障が危うくなった時、国は食糧の供給確保の指示を出して生産拡大を図ると聞いた。今、農業従事者の数が大きく減っている状況であり、このまま農業従事者の人口が減っていけば、そんなことができるのか疑問に思う。
   大規模農業やスマート農業を進めることはもちろん大事だが、農業従事者の人口がこれ以上減らないよう、儲かる農業となるよう、農水省はもっと予算措置を取っていくべきだと思う。
【東北農政局:林田企画調整室長】
   農業従事者の減少への対応としては、2つのアプローチがある。1つ目は新規就農者の確保。このための各種施策を講じてきており、今後もしっかり取り組んでいかなければならない。2つ目は農業生産の省力化、効率化により、少ない人数でもより大きな面積での営農を可能としていくこと。スマート農業技術の導入等の対策を講じてきており、こちらも今後もしっかりやっていく。

【東北農政局:原次長】
   二つのご意見に関して併せてお話しさせていただく。

   農業従事者の減少は本当に大きな問題である。お話しいただいたとおり5年、10年、20年の中で数10万人単位での減少が趨勢としては見込まれる。新規就農の方々を増やす支援策を充実させてきており、昨年、東北では青森と岩手を除いた4県の新規就農者数は過去最高になった。特に若い方の農外からの就農が増えており、農業に関心を持つ若者は以前よりも増えているので、しっかり関わりを作り支援対応を強化していくことが大事。
   また、食料・農業・農村基本法の見直しの方向性において、農業者が減少する中、中心となる農業法人も含めて担い手を強化していくこととしている。また、担い手以外のいろいろな形で農業に関わる方々も含めて大事な人材として、しっかり育成していけるよう、支援策の充実も進めていくことにしているところ。
   簡単に農業就業人口を維持・増加できるということではないが、できる限り減少の影響を少なくして地域農業、食料供給を確保できるようにしていかなければならない。

   先にいただいた意見について、土地の問題は全国各地で起こっており、相続した土地がもう要らないという話が社会現象になってきている。
   先ほど室長が話したとおり、目指したいのは農地としての活用。地域の中での流動を高めていくことが大事なところ。本年度から来年度に向け、法律の下で地域の中でどういうふうに農地を使っていくかという地域計画を作ることになっている。市町村農業委員会の方々を中心に、農家の方を交えた懇談会などの場において、少しでも有効利用されるよう、今議論しているところ。
   なお、政府全体の話となるが、今年度から法務省が中心となって相続土地の国庫帰属制度という新たな枠組みができたことを参考にお知らせしたい。

4.アンケート結果

【問1】ゲノム編集技術について
(1)本日の講演を聞く前の、ゲノム編集に対するあなたの印象を選択してください。 (2)本日の講演を聞いた後の、ゲノム編集に対するあなたの印象を選択してください。

ゲノム編集1-1



ゲノム編集1-2

(3)社会全体として、ゲノム編集技術を使った農林水産物・食品の開発を進めていくべきでしょうか。 (4)本日のゲノム編集の講演内容について、満足度をひとつ選択してください。

ゲノム編集1-3



ゲノム編集1-4

【問2】エシカル消費、食品ロスの削減について
(1)この取組についてご理解いただけましたか。 (2)取組状況について

エシカル消費、食品ロス1



エシカル消費、食品ロス2

    【問3】食料・農業・農村基本法の見直しについて説明しましたが、ご理解いただけましたか。
                                   食料・農業・農村基本法

お問合せ先

消費・安全部消費生活課

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