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東北農政局

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「きゅうりの水耕栽培を始めて、農業の楽しさを実感」桑原 慶太さん(会津坂下町)(2021年3月)NEWアイコン    

桑原慶太さんは、会社員として働いていました、昨年就農、8aロックウールを使用したきゅうりの水耕栽培を始めました。水耕栽培の経験がない中での苦労についてお聞きしたところ、「まわりから多くのアドバイスを受け、そのとおりにやっただけ。」とのこと。桑原さんの両親が花き栽培をしていて、使用していないハウスを活用できたこともありますが、農業を進める上では、バンド仲間や消防団の先輩など地元の多くの方々からの協力が大きな力になっているようです

実際に栽培した感想は「水耕栽培は苦労した点もあったが、作物をコントロールしやすく、収量も確保できた。1年間栽培して色々な事がわかり、今後はその経験を活かしたい。」とのこと。工場勤務の経験を活かし、作業工程の改善のため自分で工作こなし「水タンクの満水センサーや、水溶肥料の攪拌機などを自分で作った。」と楽しそう。

将来の展望については、地元の集落の集まりに出席したら若者がおらず農業の高齢化問題を感じたため、「きゅうりの水耕栽培の作業簡単にできるので、集落の雇用の場として活用し、自分は地域の仲間と水田作業を引き受けることができるかも。」と自ら集落の担い手として地域を支えていく意気込みを話してくださいました。

桑原 慶太さん きゅうりの共選
(画像提供:会津野菜館)

「地元の棚田等を確保し、規模拡大、経営発展を目指す」株式会社ヤマセイ 古川 清幸さん(郡山市)(2021年2月)    

郡山市逢瀬町河内地区で米の生産・販売事業を営む株式会社ヤマセイの古川清幸(ふるかわ・きよゆき)さんは、以前、家族経営で米を中心に大葉や花木類等の生産・出荷に取り組んできましたが、平成26に米部門のみを分離させ会社を設立しました。現在は、農業をリタイヤした地元の農家等の農地を利用集積して、約16haの水田で主食用米、飼料用米の生産に取り組んでいます。また、20歳代の従業員1名を雇用して「農の雇用事業」を活用し、農作業等の実践研修を通しての人材育成も取り組んでいます。農地は地区内の平場と山間の水田を中心に耕作していますが、地区内の急傾斜地を含む地帯は、耕作放棄地が増え、近年、イノシシの活動の温床となり、周辺の農地や平場の優良農地にまでその被害が拡大し、生産活動への影響が懸念されています。

こうした中、会社経営の発展と安定化を図るため、今後も意欲的に生産規模の拡大を進めていく意向です。古川さんは、「地区内の現状を見た場合、優良農地のみでの利用集積は限界にきている。持続的な農業生産に向け、担い手不足による耕作放棄地や鳥獣被害の拡大等、地域の危機的な状況を打開するため、耕作条件の不利な農地も含めて確保し、しっかりと耕作していきたい。」と話されていました。現在、昨年8月に棚田地域振興法による「指定棚田地域の指定を受けた地域内(河内村)の急傾斜地にある耕作放棄地約2haを新たに確保し、復田による耕作の準備を進めています。

代表取締役の古川清幸さん 指定棚田地域内の耕作予定のほ場

「こだわりの野菜をもっと身近に手軽に味わってもらいたい」株式会社あいづロジカルファーム 諏訪 美江さん・宏吉さん(会津若松市)(2021年1月)    

諏訪美江さんと宏吉さんご夫妻は、約2haの畑で葉物やトマト、豆類などの野菜と食卓を彩る食材として近年注目をあびているエディブルフラワー(春・秋期間)を化学農薬や化学肥料を使用しない農法で栽培しています。冬の間もハウス12棟で栽培し、年間を通して地元スーパーの地場野菜コーナーや飲食店のほか、東京のレストラン等の飲食店向けにも出荷しています。

また、地元の方から有機栽培で育てた野菜を購入できるところ
が身近にないと聞き、約1年前から「化学農薬・化学肥料不使用で栽培」した旨の自社シールを作成して商品に貼付し、消費者の方が見て分かるように一般商品との差別化を図っており、有利販売にも繋がっています。

現在
は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、東京向けの取引が止まっていますが、地元のNPO法人を介して地場産や有機栽培などこだわりの野菜を使用する県内の飲食店との繋がりもできました。エディブルフラワーはコロナ禍の中、家庭向けケーキに彩りが欲しいなど、地元のケーキ店やカフェからの需要があり、身近なところにも需要があると感じています。

「今後は、こだわりをもって育てた野菜を地元の方がもっと身近に、手軽に味わえるように情報発信や販路拡大に取り組むとともに、地元で栽培されていない味と伝統にこだわった枝豆の栽培拡大や、新たな果樹の栽培にも取り組み、自社の看板となる商品を作っていきたい」と意欲的に話されていました。


諏訪さんご夫妻 エディブルフラワー

「新たな産地形成をめざして」南相馬ねぎ出荷組合株式会社 田岡 義康さん(2020年12月)    

首都圏市場の青果仲卸のキャリアと横浜市での就農経験がある田岡義康(たおか・よしやす)さんは、平成28年に農業関係のアドバイザーとして南相馬市を訪れたことをきっかけに翌年移住し、知人の未耕作地を借りて長ねぎの栽培を始めました。

長ねぎは、業務用加工食品向けと一般消費者向けのどちらにも対応できることや、南相馬市は夏冷涼で冬降雪が少なく周年栽培に適していることから、地元農家と南相馬ねぎ出荷組合を設立して現在20haで栽培に取り組んでいます。また、障がい者や高齢者も共に生き生きと働けるよう出荷作業の手順を工夫して雇用の場を提供するなど、農福連携の推進にも積極的に取り組んでいます。

卸の経験なども踏まえ、田岡さんは「需要や供給の動向で日々価格が決まる市場向けだけでは生産計画も立てられず経営が安定しないため、出荷先や価格が安定している業務加工向けを中心に取り組んで経営を安定させ産地形成を図っている。今年からサツマイモの試験栽培を始め25haまで拡大すること目標長ねぎとの両輪で更に安定的な経営をめざしたい。そうした取組を通して被災地の農業を活性化南相馬市が元気になるよう頑張りたい。」と力強く話してくださいました。

代表取締役の田岡義康さん 管理の行き届いたねぎのほ場

「さるなし生産と地域交流により活力ある地域を目指す」玉川村さるなし生産組合 大和田 宏さん(玉川村)(2020年11月)    

本県南部中央に位置する玉川村東部(標高600m前後)で、さるなしの生産に取り組む大和田 宏さんは、約20年前に葉たばこからさるなしに作付転換し、現在30aの樹園地で栽培を行っています。さるなしはベビーキウイとも呼ばれますが、表面にがありません。生産するさるなしは、毎年9月中旬から10月中旬に収穫期を迎え、主に地元の道の駅たまかわへ出荷・販売をしています。

村内には、東部の四辻新田地区の生産農家で組織する「四辻サルナシ生産組合」と西部の数地区の生産農家で組織する「玉川さるなし生産組合」があり、3年ほど前に両組合を統括する組織「玉川村さるなし生産組合」が設立されました。大和田さんは統括組織の組合長に就き、関係行政機関や地元の流通事業者と連携し、村の特産品であるさるなしの生産強化や村内外への情報発信を通じた加工品等のPRに取り組んでいます。

村内で生産するさるなしは、平成元年から本格的に栽培が始まり、手間があまりかからず、加工品原材料としての用途幅が広く、栽培しやすい品目として導入され、既に数十種類の加工品(ワイン・ジュース等)が商品化されています。

大和田組合長は、「さるなしの品質評価をより高めるため、高品質な生産にシフトしていきたい。また、将来も一定の生産量を確保するため、村内の定年帰農者等に対する育成・支援、さらには摘み取り体験等の地域交流を推進し、地域の活性化にしっかりとつなげていきたい。」と語っていました。

組合長の大和田 宏さん さるなしの棚栽培風景 たわわに実るさるなし

「攻めの農業で未来を拓く!」古山農園 古山浩司さん(福島市)(2020年10月)    

努力の結果が自分に直接返ってくる仕事がしたい。その答えを農業に求めた古山さんは、サラリーマン生活を経て2010に父から農園を引き継ぎ経営者となって桃リンゴを生産し、それらを原料にジュースも作っています。就農の翌年に発生した東日本大震災を契機に、新たな土づくりや、木が持つ力を最大限引き出す栽培方法などにチャレンジして試行錯誤の末、糖度が高く品質の良い桃を生産することができるようになりました。また、東京や大阪の有名スイーツ店とのコラボレーションや新型コロナの影響で取引先に出荷できなくなったジュースを新たに通販サイトを活用して販売するなど、多様な販売チャンネルの開拓にも積極的に取り組んでいます。

古山さんは、「講習会や勉強会への参加や、全国の先進農家を訪ねて教えを請うなど、日々いいものを生産しようとチャレンジしている。教科書どおりに生産していては、ほかとの差別化は図れないし、高い評価を得ることもできない。誇りを持って生産したものを自信を持って販売していく。」とアグレッシブに語ってくれました


古山農園 園主の古山浩司さん 光センサーで糖度を測定

梨園の改稙とFGAPに取り組み、経営改善を図る!」上の山 彩果園 阿部智輝さん(郡山市熱海町)(2020年9月)   

阿部智輝(ともき)さんは、平成24年に郡山市熱海町玉川地区で100年以上続く果樹農家で、母方の祖父所有する梨園1haを引き継いで就農され、和梨(幸水、豊水、二十世紀等)のほか、洋梨、りんご等を栽培しています。現在は経営者として農業に携わる傍ら、介護職にも就き、奥様、父親の3人で農作業を切り盛りしています。現在の梨園は就農3年目から生産性の低い樹木の改植進め、JAや地区の梨農家からの助言等もあって、樹体ジョイント栽培を新たに導入し、現在17aまで拡大。高祖父の代(明治時代)に植栽された樹齢100年程になる二十世紀梨の巨木の管理にも力を入れ、今もたくさんの実を付けています。

生産した梨等は、園地に隣接の直売所や市内の農産物直売所等で販売するほか、JAにも出荷しており、毎年、JA出荷の二十世紀梨は、ベトナム国向けに輸出もされています。こうした中、昨年には和梨のFGAP(ふくしま県GAP認証を取得して生産に取り組んでいます。阿部さんからは認証取得によって、「作業スケジュールの明確化や農薬・資材等をリスト化したことで、農作業効率化が図られ、無駄を極力なくしてコスト削減につながった。」また、8月下旬から幸水梨の収穫・販売を開始していますが、「新型コロナの影響の中、自身のFGAPによる取組のPRを通じて、安全・安心の見える化を図り、品質の良い梨を提供することで、顧客には満足してもらいたい。」と話されました

山の上 彩果園代表の阿部智輝さん 梨の樹体ジョイント栽培風景 たくさんの実を付ける梨の巨木
阿部さん御夫妻 梨園に隣接する直売所での販売風景

 

「江戸時代から続く「おたねにんじん」を守る」清水薬草(有)清水琢さん(喜多方市)(2020年8月)    

おたねにんじんは「朝鮮人参」「高麗人参」和名で、江戸幕府から人参の「種」を分け与えられたので「御」をつけて「おたねにんじん(御種人参)」という名前になったそうです。会津地方では江戸時代から栽培され、かつては栽培面積、収穫量が日本一になったこともありましたが、現在では長野県に次いで2番目の栽培面積となっています。近年、外国産との競合や栽培農家の高齢化等で栽培面積も減少、生産を支えてきた会津人参農協も解散し、その事業を清水さんが経営する清水薬草(有)が引き継ぐことに。まずは原料確保のために栽培方法の習得が必要と考え、経験豊富な農家から栽培技術を継承しなければと動き出しました。

栽培経験のない清水さんは自ら栽培してみないと話にならないと畑借りて栽培始め、現在50aで栽培を続けています。実際に栽培を始めると、土づくりが難しく、除草剤も使わないため手間がかかるなど大変なこともあったとのこと。「以前に比べおたねにんじんの認知度も高まってきたように感じていて、おたねにんじんを使用した飴などの新商品も考えています」と前向きな清水さん。「商品を通じて会津で300年の歴史があるおたねにんじんを作る農家の役に立ちたい」と地元生産者とともに産地を守る思いを語っていただきました。

清水薬草(有)清水琢(しみず たく)さん 収穫したおたねにんじん

「農家レストラン開店しました」すずよし農園 鈴木敬行さん・侑香さん(福島市)(2020年7月)    

鈴木敬行さんと侑香さん御夫妻は、東日本大震災後に地元福島で就農しました。現在は40aの畑でアスパラガスを栽培し、福島駅東口広場で開催されるマーケットや直売所などで販売して好評を得ています。

「アスパラガスは栄養豊富で、洋食の中でメインを張れる数少ない野菜だから栽培に選びました。」と話す御夫妻は、就農当初から自ら栽培したアスパラガスをおいしく食べてもらいたいとの思いがあり、自宅1階を改装して「SUZU農家のレストラン」を本年4月に開業。調理は市内のホテルで料理人をしていた敬行さんが、接客やスイーツ作りは侑香さんが担当し、二人で栽培したアスパラガスや地元の野菜をふんだんに使ったスープとグリル、敬行さんの実家で生産したりんごを使用したアップルパイなどを提供して評判を呼んでいます。レストランは、金曜日と土曜日の週2日、午前11時から午後5時まで営業し、それ以外はアスパラガス作りに専念しています。

お二人は、「新型コロナウイルス感染防止のため、当面の間は一日3組限定の予約制で営業し、落ち着いたらお迎えするお客様を増やしていきたい。福島のおいしい野菜を使い生産者が見える料理を提供して、消費者と生産者をつなぐことで福島が元気になるよう頑張りたい。」と話してくださいました。

すずよし農園 鈴木御夫妻 新鮮なアスパラガス 旬の野菜を使った料理
すずよし農園 鈴木御夫妻 新鮮なアスパラガス 旬の野菜を使った料理

「農福連携で労働力確保、経営展開を目指す」関谷裕幸さん(白河市白坂地区)(2020年6月)    

関谷さんは、白河市で野菜1.2haと水稲16ha(作業受託を含む)を経営する農家です。経営の主軸であるハウス栽培の夏秋トマトは、定植前に土づくりを入念に行うなど、高品質かつ安定生産に取り組んでいます。また、露地のブロッコリーは、通常の生食用サイズに比べ、1.5倍相当(500g/個)の大きさを収穫目標に生産に取り組んでおり、連作障害を回避するため、にんじん栽培との輪作を行っています。生産したトマトは主にJA出荷と直販、ブロッコリー等は地元の食品製造業者へ出荷し、学校給食の食材や冷凍業務用野菜に利用されています。本年2月にはトマトのJGAP認証を取得し、農産物の生産の見える化を図るなど、販売力の強化に繋げる取組も行っています。

平成30年10月から労働力の確保のため、農福連携に取り組んでおり、市内の社会福祉法人から紹介を受けたことがきっかけとなって、地域生活サポートセンター(就労継続支援B型)から施設外就労により、障がい者3名と指導員1名を派遣してもらっています。作業は1日3時間で、主にトマトの栽培管理(脇芽かき)やにんじんの収穫等に従事してもらっています。これにより、繁忙期の作業体系の見直しを図ることができて、慢性的な労働力不足の改善や販路開拓等に取り組む時間を確保することができました。より良い農福連携の取組を進めていくためにも、障がい者の心身の負担にならないよう、作業技術の習熟度等に応じて指導員に相談し、障がい者が安心して作業ができるように努めています。

関谷さんは、「自身の経営展開には農福連携は必要であり、課題把握とその改善を繰り返しながら、障がい者が働きやすい環境を作っていきたい。」と語っていました。

関谷裕幸さん トマト栽培風景

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