バイオマス用語集(か行)
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カーボンニュートラル
二酸化炭素の増減に影響を与えない性質のこと。植物の燃焼によって発生する二酸化炭素は、成長の過程で光合成により大気中から吸収したものであるため、ライフサイクルでみると大気中の二酸化炭素を増加することにはならないと言われている。
海洋植物
海洋で生育する植物で、本戦略では、エネルギーや製品の資源として利用することを主目的に生産されるもの(ジャイアントケルプやコンブ等)を想定している。
環境調和型産業
産業活動の中で、生産工程から製品の廃棄時にいたるまであらゆる面で環境負荷を低減し、企業間連携やリサイクル施設の活用等により資源循環を行う産業のことをいう。
乾式メタン発酵 (←→湿式メタン発酵)
バイオマス技術用語。
家畜ふんや生ごみ、古紙などの固有有機性廃棄物をメタン発酵槽内で発酵させ、メタンガスを生成する方法。メタン生成が発酵槽内に充填された固体表面で起こっている点で、湿式メタン発酵方法(発酵槽内の液体中で生成する、以下湿式)と異なる。
特徴は、メタン発酵後の残さがほとんどないことから、消化液の処理の課題が解消されるとともに、処理水の放流がなくなり周辺水域の水質保全に寄与できる。また、発酵槽内の原材料成分濃度を高く設定できるため、湿式で困難であった固形物の投入が可能となり、地域におけるバイオマスの分布状況から湿式によるメタンガス生成が困難であった地域においてもバイオマスを効率的に利活用することが可能となる。あわせて、湿式では必要であった発酵槽内の攪拌(かくはん)が不要となり、発酵槽内のメンテナンスが容易となる。

γ(ガンマ)-アミノ酪酸
哺乳類の神経伝達物質としての機能を有するアミノ酸の一種であり、ギャバ(GABA)と略称される。脳の血流を改善し、脳代謝を活性化する働きがあることから、脳卒中や頭部外傷後遺症による頭痛、耳鳴り、意欲底下などの治療薬として既に用いられている。また、長期記憶(学習能力)の増強や血圧降下作用に加え、最近ではアルツハイマーの予防改善効果も報告されている。
キトサン
甲殻類などに多く含有されるキチンを加水分解して得られる多糖類。分解の方法・程度などにより様々な性状を持つものが生成される。コレステロール吸収抑制や抗菌性など多くの機能を持ち、抗菌繊維用原料として広く利用されていることに加え、医薬品・健康食品原料などとしても期待されている。
逆有償
廃棄物などの処理を委託する者が処理費用を支払うこと。
共同実施(JI)
気候変更枠組条約において規定されており、各国が有する地球温暖化防止に関する技術、資金等を組み合わせることにより、世界全体として地球温暖化防止対策を費用効果的に実施することを目的として、条約締約国が共同して温暖化防止のための政策及び措置を実施すること。
グラファイト
黒鉛のことであり、カーボン系素材としてテニスラケットや釣り竿、ゴルフクラブ等に使われている。また、熱伝導性や通電性が高く、ハイテク材料には欠かせない素材となっている。黒鉛は通常石油系炭化水素から製造するが、木材を圧縮しながら急速炭化させることにより、グラファイト構造になることが最近明らかになり、バイオマスを原料としたグラファイト製造が注目されている。
クリーン開発メカニズム(CDM)
京都メカニズムの一つ。開発途上国において実施された温室効果ガスの排出削減等につながる事業によって生じる削減量の全部または一部に相当する量を排出枠として獲得し、その事業に投資した国の削減目標の達成に利用することが出来る制度。その事業が実施された途上国にとっても、自国に対する技術移転と投資の機会が増し、その持続可能な発展に資する。
建設発生木材
土木工事等の建設現場や住宅等の建築現場から発生する木質バイオマスで、着工時の廃材と解体時の廃材が含まれる。
黒液
パルプ生産段階で木材チップから回収できるリグニンを主に含んだ廃液のこと。
コラーゲン
人間や動物の体を形づくる繊維状のタンパク質。細胞の外にあって、細胞と細胞をつなぎ合わせる役目を果たしており、繊維の間に水分やカルシウムなどを包み込んで、健康維持に欠かせない丈夫な骨や血管を作り出している。