平成26年度 中国四国地域 食育セミナー
「ココロもカラダも“農”で変わる」~食文化を伝える『味覚の授業』~の概要
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中国四国地域で取り組まれている食育活動を知っていただき、今後の活動の参考としていただくとともに、行政や地域、食育実践者等が益々連携して未来につなげる食育を推進していくきっかけとするため、食育セミナーを開催しました。
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1 農林水産省からの情報提供
情報提供者 : 農林水産省大臣官房政策課食ビジョン推進室 連携推進係長 渡邉 誠 氏
〈情報提供要旨〉
- 2013年12月4日に「和食;日本人の伝統的な食文化」が、ユネスコ無形文化遺産に登録された。無形文化遺産とは、形のないものや世界中にある文化をお互いに認め合い尊重しようという制度。
- ユネスコへ申請した「和食」は、4つの特徴について整理したものを、「和食;日本人の伝統的な食文化」と題し、「自然の尊重」という日本人の精神を体現した食に関する「社会的習慣」としてユネスコへ提案した。
- ユネスコ無形文化遺産に登録されたものは、「和食をめぐる文化」であり、日本食の具体的なメニュー、料理の一ジャンルとして提案したものではない。
- 「和食」の保護・継承については、国民一人一人が多様な食文化を次世代に向けて保護・継承し、活かしていくことが重要。
- 農林水産省としては、「和食」の保護・継承の推進について検討会等の立ち上げを行い、その活動を支援する。
- 和食の良さは海外でも認められるようになったが、日本では忘れられそうになっているという危機的状況がある。この状況をいかに克服するかが課題。
- 現代社会では、食の多様化や家庭環境の変化等により、国民の生活から「和食」が離れつつある。今後とも、和食会議との連携や、国としての事業の実施、各地域の様々な活動などが相まって、「和食」の保護・継承の推進に努めていく必要がある。
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配付資料 :
全体版
「『和食』のユネスコ無形文化遺産登録と今後の展開」(PDF : 3,560KB)
分割版
1. 表題、目次(PDF : 374KB)
2.1. 「和食」のユネスコ無形文化遺産への登録 P1-5(PDF : 1,338KB)
3.2. 登録を契機とした「和食」の保護・継承の展開 P6-12(PDF : 1,476KB)
4.2. 登録を契機とした「和食」の保護・継承の展開 P13-20(PDF : 1,794KB)
2 体験授業
テーマ : 「だしがお吸い物になるまでの過程を飲みくらべてみよう!!」
講 師 : 学校法人本山学園 西日本調理製菓専門学校 校長 室山 哲雄 氏
〈講演要旨〉
- 昆布は湿気が大敵。使うときにはパキンと折れるくらいの乾燥度が望ましい。また、鰹節は薄く削る(0.08ミリメートルくらい)ほど、水に対する表面積が多くなるので出汁がよく出る。
- 日本料理は「引き算の料理」という言い方をする。美味しい出汁を引くことにより、色々と付け加える必要がない。「うま味」は日本人が作り出した味。
- 魚介類には、それ自体が持つ味も多くある。シジミやハマグリなどの魚介からはコハク酸という少し色の付いたうま味も出る。
- 家庭の中で「おいしそう」「おいしい」「うまい」「おいしかった」というような教育が食育の核心だと思っている。家族団らん等の時間を最大限活用して、食べものに対する感謝や味を教え込んで欲しい。
- 天然出汁と化学出汁は、上手に使い分けることが必要。
- 家庭の味は毎日変わってもよい。料理に変化がつき飽きがこない。自分の思ったようにやって欲しいし、それを人に自慢して欲しい。
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3 グループワーク
グループワークでは、農林水産省からの情報提供と室山校長の体験授業を踏まえて、「今日一番の発見」、「伝えたいこと」、「すぐに始めたいこと」について、グループで話し合い、各グループで出された参加者の意見等を代表者が発表しました。
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4 意見交換
意見交換では、参加者から、「授業で生徒に出汁をとらせて調理実習をしているが、簡単にとる方法があれば知りたい」、「出汁をとる水について、何か注意することがあるか」などの質問が出されました。
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【食育セミナーの詳細はこちら】
5 その他
中国四国農政局では、多くの国民の皆さまが食に関する体験活動や食育推進活動を実践できるよう、多様な「体験活動」に取り組んでいる個人や団体等から情報を収集し、食育活動事例集を作成しており、平成27年2月に「食文化継承のための食育活動事例集」を発行しました。ぜひご覧ください。
お問合せ先
消費・安全部消費生活課
担当:食育推進班
代表:086-224-4511
ダイヤルイン:086-224-9428














