「女性活躍推進セミナー~農業の未来を共に考える~」の開催
理事・参与として今後力を入れて行いたいこと
小内
女性の理事としてでも、一理事としてでもいいので、こういう点に力を入れていきたいということがありましたら、一言ずつお願いします。
佐藤
私は参与として、女性理事を登用させることが、農協に一番貢献できることだと思っています。本当は男女関係なく、女性の名前が推薦会議で出ることが一番理想的ですが、まだ当農協では難しいかもしれないので、女性枠を設けて女性理事を登用することが私にできることだと思っています。
笠
私は、次に理事になる人が同じ思いをしなくて済むようにしたいと思っています。 内容が分からない状態で会議に参加することは非常に辛い上に、会議での貢献度も下がり、会議に同席している人にとってもマイナスにしかならないと思います。ですから、研修費をしっかり使って研修内容を充実させることや、理事会に傍聴が可能な時間を設けて、理事の業務等に興味を持っている人に対して傍聴参加の機会を作るということも一つの手段だと思います。
理事に同時期に就任した農業の大先輩の女性理事と、いつもそういう話をしていますが、 やはり会議の雰囲気や、理事会で議論する議案などは、理事になってみて初めて分かった部分が多いです。例えば、発言しても、「それは理事会が終わってからにしてください」と言われてしまったことがあり、新規事業のことや、新設される道の駅への農協の関わり方などは理事会の議案には入らないことだと言われてしまったこともあります。そのため、理事会終了後に議案以外を話し合う時間をこちらから提案することで、(規定の議案だけをこなすことだけに終始してしまっている現状から)先を見据えたことに時間を使えるように少しずつ舵を切って行きたいと思っています。
理事に同時期に就任した農業の大先輩の女性理事と、いつもそういう話をしていますが、 やはり会議の雰囲気や、理事会で議論する議案などは、理事になってみて初めて分かった部分が多いです。例えば、発言しても、「それは理事会が終わってからにしてください」と言われてしまったことがあり、新規事業のことや、新設される道の駅への農協の関わり方などは理事会の議案には入らないことだと言われてしまったこともあります。そのため、理事会終了後に議案以外を話し合う時間をこちらから提案することで、(規定の議案だけをこなすことだけに終始してしまっている現状から)先を見据えたことに時間を使えるように少しずつ舵を切って行きたいと思っています。
椿
私は、女性の正組合員の数を増やしたいと思っています。女性部の部員数が少しずつ減少しているため、できるだけ情報発信をしてどんどん増やしていけたらと思っています。
丹羽
私は、女性部の方からいろいろな活動に誘っていただいたり、いろいろなところでお料理やお漬物を教えるなど、そういう輪を作っています。また、広報誌に力を入れている役員や職員の方がいらっしゃるので、少しでも力になれたらと今年1年間特に活動を行いました。女性部の部員を集めるということはなかなか難しいので、若い人を中心に勧誘する方法がいいのではないかと思います。ただ、農家の方と結婚された後も保健師さんとか看護師さんの職業を続ける人にはほとんど入っていただけないので、まず、自分の身内の方から力を入れてやっていきたいと思っています。
小内
ありがとうございました。次に、坂本次長の資料にありましたように、女性登用を増やすために女性枠や女性部枠、参与のポジションを作るということについて、どのようにお考えでしょうか。
椿
周りの男性理事はいろいろな経歴を経て理事に就任されていて、私は女性枠で飛び級したかのように理事に就任していることを、男性理事がどう感じているのかという思いがあり、今日ご参加の方に聞いてみたいと思っています。
私は部会の役員や、女性部の役員を務めてきましたが、周りの男性理事と比べると経験が少ない状態で理事になったこともあり、女性だからといって女性枠で理事になっていいのかなと感じていました。
私は部会の役員や、女性部の役員を務めてきましたが、周りの男性理事と比べると経験が少ない状態で理事になったこともあり、女性だからといって女性枠で理事になっていいのかなと感じていました。
笠
私は、正組合員ではなく、部会や女性部に加入しているわけでもない、農協に出荷もしていないことから、「なぜあなたが理事に選ばれたのか」との複数の声があることを間接的に耳にしています。また、理事は農協の損失を出した時の負担など、責任を取ることがありますので、「経営者でもないのに負担できるのか」と理事会で言われたことがあり、総会の時に睨まれているような視線を感じるようなところもあります。 そのように快く思ってない人たちに対して、私は農協をより良い方向に変え、仇を恩で返したいと思っています。
小内
地位が人を育てるということがあると思いますが、そのような地位になかなか女性が就任することは難しいです。一方、就任した皆さんはそこで成長し、これだけすごいことを発言できる方々になっています。企業に勤めても、男性には研修がきちんとあるのに、女性には研修は用意されていないということがあり、これは学ぶ機会がないことが原因で経験が積めなかったということなので、役職に就くことによって力をつけていくことが必要かなと思います。また、女性枠は過渡的なものと捉えていいと思います。佐藤さんのお話を聞くと、推薦委員の中に女性がいないようなので、推薦委員が推薦して総会で理事を決定する流れを考えると、推薦委員に女性が割り込むことはなかなか難しいことだと思うので、女性枠を作ること自体はいいことだと私は思います。ただ、それが固定化されて「女性枠を作るだけでいい」となっては困るため、それをステップにどんどん違う枠でも女性が増えていくといいのかなと思っています。
丹羽
JAさっぽろにおいては、「女性枠から2人以上でも出してください」という言葉が男性の方から出てきます。当農協では、もし人数が足りない場合は、農家ではない方を役員に入れるという話も進んでいます。
小内
それは、農家さんが減っているからでしょうか?
丹羽
農家が減り女性部もだんだん少なくなって、合併しても今300名くらいです。また、私も77歳で役員を3期やっていますが、それだけ高齢者が多い状態なので、女性枠の中に役員を入れようと思えば、準組合員の方からでもいいのではないかという話は出ています。
女性の個性や感性を活かすことについて
小内
女性枠を作るということに対しては、私は過渡的な措置として捉えておきたいと思っています。それから、先ほど椿さんが女性であるということは個性だと考えているとのことで、女性活躍に関する活動をしている方の中にはよく、女性ならではの感性を活かしてやっていくということを言われる方がいますが、皆さんはどのようなお考えでしょうか。
椿
前職でスケートの指導者をやっていた時は、男の人に負けたくないと思い、男性指導者と何が違うのか観察をして、足りないところを補っていきたいと思っていました。しかし、張り合っているとストレスになってしまったため、他の男性指導者にないもので自分が持っているものは何かと考え、そこを伸ばしていけばいいのかなと思いました。男女を異なる生き物として考えて、違う個性やそれぞれ得意不得意を持っていることから、違う個性を持つ人が集まれば、もっといいことができるのではないかと思っていたので、そういう経験から自分が男性の中にいてもいいのではないかと思うようになりました。
笠
私も結構負けん気が強い方で、少年漫画とかを読んで育ちました。女性としてみたいなところは逆にないように男女同じ立場でできることを、といつも逆に意識してきました。 ただ、どうしても出産とか暮らしに関わることをより多く担うこともありますので、そこの分業も農作業の分業と同じように、もうちょっとイーブンになることで女性がこういう場に出てこられる後ろ盾になるのかなと思います。女性の個性を活かすということで、例えば、道の駅に農協でブースを設ける話になると、みんな今作っている農作物を置きたがり、売場がリンゴやプルーン、さくらんぼばかりという風になりがちです。一方で農家の家庭菜園では、様々な野菜を作っています。いつも買い物をしている身からすると、産地ならではの部分は出しつつも、農協として多品目の農作物を扱えるようにした方がいいのではないかと思います。また、2024年問題で配送が難しくなっているので、給食の食材を農協から出荷できないか考えたときに、出荷物も多様でなければならず、売りやすいものを売るのではなく、自分たちが欲しいものを扱ってもらえるようにセッティングできる立場だと思います。
小内
女性ならではという本質論ではなく、経験の違いですよね。 やっぱり子供を産むのは女性なので、どうしても子育てなどが中心になる中で、そこからの発想というのは、ずっと仕事をし、農業だけをしている男性とは違う発想が出てくるのは当然で、そういう多様な発想が農協の経営にも必要だということですよね。
笠
そうだと思います。例えば、野菜であれば、ちょっとした虫食い穴は看過できないと、農家は芸術品的なものを出荷しようとしますが、虫食い穴1個を我慢したら農薬散布が20回減るのであれば、中長期的なスパンで商業ベースや命ベースで考えたときに、違う判断になってくるのかなと思うところはあります。
小内
ありがとうございました。女性だけではなく新規就農者も含めて、地域農業の多様な担い手がそれぞれ農協運営に関わることで非常に農協の可能性を広げるのではないかと思いながら私は聞いていました。
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企画調整室代表:011-330-8802