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関東農政局

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千葉県産米の輸出拡大に向けた勉強会

我が国の米の輸出実績(援助米を除く)は毎年伸び続けており、2023年には3万7186トンと、4年前の2019年の1万7381トンの約2.1倍になっており、今後、輸出の拡大が大いに期待される品目となっています。また、輸出用の米は国の水田活用の直接支払い交付金で新市場開拓用に位置付けらており、千葉県や一部の市町村でも単独事業として直接支払いの支援がなされています。

しかし、海外では諸外国産の安価な米が流通していることから、価格が輸出促進のハードルになっています。それを乗り越えるためには、実需者との結びつきの下で、多収量品種の導入や直播栽培などの低コスト生産への取り組みが必要です。

このため、千葉県拠点では千葉県での輸出米拡大の取り組みに役立つよう、関係者、関係機関のご協力も得て、定期的に県内各地で勉強会を開催していきます。

【第10回勉強会の様子】日時:2025年3月17日   場所:千葉県拠点(Teams開催)


1 乾田直播機による施肥・播種の同時施用と鎮圧後のほ場の様子(百目木営農組合)
2 日本産米の輸出の取り組みについて報告する木徳神糧株式会社の山田取締役執行役員(右前)
3 千葉県産米輸出拡大協議会の概要について説明する同協議会の布施会長
4 関係者・関係機関等のご協力をいただき、多様な主体による人的ネットワークが広がりました!

最終回となる第10回の勉強会は、オンラインで各発表者と拠点を結んで開催しました。

〇関東農政局管内で"第1号"となる「スマート農業技術活用促進法(以下「スマ農」)に基づく生産方式革新実施計画」の認定を受けた農事組合法人百目木営農組合理事宗政恒興氏及び水地悠樹氏から、スマ農認定の計画概要、3月11日に行った「乾田直播」の様子について動画を含めた説明と「湛水直播」に向けたほ場の畦畔除去・均平化や節水型での稲WCS(ホールクロップサイレージ)の取組について情報提供がありました。スマート農業(直進アシスト機能付直播機+栽培管理システム)による労働生産性の更なる向上が期待されます。

〇「コメ輸出商社の輸出・販売状況」と題して、木徳神糧株式会社海外事業部山田智基氏から、輸出促進に向けた取組として、海外バイヤーの産地招聘や生産者の海外視察、海外での商談会・展示会、日本産米の炊飯指導・PR活動について情報提供がありました。今後の千葉県産米の輸出に向けた販路拡大が望まれます。

〇令和7年1月22日に設立した「千葉県産米輸出拡大協議会」の取組状況について、同協議会会長(株式会社つばめ農園)布施俊章氏及び同事務局(豊田通商株式会社)出口拓郎氏から、協議会の事業概要、25年産米の生産実証、流通実証、技術・規格導入の考え方や取組方針の情報提供がありました。今後、輸出用米の大幅な増加が見込まれています。

〇本勉強会の最終回にあたり、当拠点浦杉支局長から「成果と課題」について報告しました。
多収量品種の導入、直播栽培や再生二期作などの低コスト生産、スマート農業の導入による省力化を推進し、輸出産地を形成できたことは、勉強会にご参加いただいた関係者、関係機関等の皆様のご理解とご協力を得られた成果です。
今後も多様な主体による人的ネットワークの拡大と低コスト化に向けた課題解決を支援してまいります。

当日生産者、事業者、行政機関等から77名の参加がありました。

「農業の生産性の向上のためのスマート農業技術の活用の促進に関する法律」に基づく生産方式革新実施計画の認定について:農林水産省
木徳神糧株式会社
米の輸出について:農林水産省

【第9回勉強会の様子】日時:2025年2月20日   場所:千葉県拠点(Teams開催)


1 拠点内の様子。浦杉支局長(左)と事務局の増田農政推進官(右手前)、佐藤主任農政推進官(右奥)
2 発表者とモニターで資料を共有して説明を受ける
3、4 発表者と参加者がオンラインで繋がり情報共有や質疑応答をする

当拠点主催で行っております第9回千葉県産米の輸出拡大に向けた勉強会が、Teamsで発表者と参加者及び当拠点を結んで開催されました。

最初に農林水産省輸出・国際局新興地域グループ 佐伯国際専門官から「DDSR実証米によるケニア・メキシコ・ブラジル試食・商談会」と題して、情報提供をいただきました。上記3か国でDDSR実証米(Dry Direct Seeding Rice(乾田直播米)、品種は「きたくりん」「ほしじるし」「華麗舞」など)の試食・商談会をし、概ね好評であったことのお話があり、質疑応答では生産コストについて質問が出ました。

次に「JETROの輸出支援の取組と輸出事例の紹介」というテーマで、3名の方からお話をいただきました。まず、独立行政法人 日本貿易振興機構 千葉貿易情報センター 所長 戸塚隆友様から「JETRO千葉の輸出の取り組みについて」と題し動画共有と輸出初心者向けの説明ののち、独立行政法人 日本貿易振興機構 デジタルマーケティング部 プラットフォームビジネス課 課長代理 二宮美穂様から「オンラインカタログ”Japan Street“の事業紹介」と題して輸出に取り組みたい事業者への支援策の1つであるJapan Streetについて情報提供をいただき、そして実際にそれを活用している株式会社鍋屋商店 専務取締役 齋藤敏之様から「千葉県企業からの”Japan Street“の報告」と題して戸塚所長との対話形式で報告がありました。

続いて、初めて輸出に取り組む場合の疑問点について参加者とJETROとで活発な質疑応答が行われました。
当日は生産者、事業者、行政機関等から25名の参加がありました。

【第8回勉強会の様子】日時:2024年12月12日   場所:千葉県市原市


1. 冷たい風が吹く中、多くの方々の参加をいただきました
2. 乾田直播機の機構や特徴を熱心に聞く参加者の方々
3、4. 乾田直播機のデモ走行と鎮圧後のほ場状況
5. 農業用ドローンの機構や機種別性能を細かく確認する参加者の方々
6. 農業用ドローンのデモフライト

第8回の勉強会は、株式会社つばめ農園ほ場にて乾田直播機と農業用ドローンのデモンストレーションを行いました。

〇乾田直播機の実演では、耕起、施肥・播種、鎮圧を一体化し作業が可能な松山株式会社(長野県)の<ニプロスリップローラーシーダーSRシリーズ>を使用してのデモ走行、農機の機構については同社関東営業所の大島係長から「ほ場条件を選ばず安定作業が可能なこと、強制駆動のスリップローラーによる鎮圧能力と播種深度の安定性」などの説明がありました。湿田でも可能なモーター駆動によるスリップローラーの動きを間近で見ることができました。

〇農業用ドローンの実演では、産業用ドローンの専門業者であるドローンプロフェッショナルサービス株式会社(千葉県)の田中代表取締役社長から機体メーカー4社のドローンの機構や性能についての説明があり、2社のドローンによる農薬散布を想定したデモ飛行がありました。途中、風が強く飛行できるか心配でしたが、複数社の機種を比較しながら実際の飛行を確認できたことは大変貴重でした。

乾田直播機や農業用ドローンについては、今後の担い手不足、省力化と面積拡大、低コスト生産へ向け、益々有益な効果が期待されます。

当日は、県、市町村、事業者等から38名の参加がありました。

株式会社つばめ農園
ニプロ 松山株式会社
ドローンプロフェッショナルサービス株式会社
スマート農業:農林水産省

【第7回勉強会の様子】日時:2024年11月26日   場所:千葉県拠点(Teams開催)


1.茂原市箕輪地区の取組を報告する羽賀総括
2.今回のメインテーマである「産業用ドローンを活用した農業事業の取組について」
3.農地耕作条件の「千葉県における取組の課題」
4.協議会について報告する株式会社つばめ農園  布施社長後日掲載予定

第7回の勉強会はTeamsにより各発表者と拠点を結んで行いました。

最初に「産業用ドローンを活用した農業事業の取組について」と題し、一般社団法人 国際ドローン協会代表理事の榎本 幸太郎様から、ドローンの現在の環境や水稲におけるドローンの活用法、農業分野の活動事例などを詳細にご説明いただきました。

次に「農地耕作条件改善事業の活用に向けて」と題して、浦杉支局長からは「千葉県拠点における事業活用推進について」を、県東地区担当総括の羽賀から「茂原市箕輪地区の取組について」、千葉県農地集積推進室の足立 真吾様からは「千葉県における取組の課題」についてそれぞれ具体的な事例をもとに説明を受けました。

最後に情報提供として、豊田通商株式会社様、株式会社つばめ農園様から今取り組んでいる「千葉県産米コメ輸出産地づくり協議会(仮称)設立に向けて」と支局長から君津市で再生二期作の稲刈りを行った結果について報告を行いました。

当日は、県、市町、生産者、事業者等から95名の参加がありました。

【第6回勉強会の様子】日時:2024年10月22日   場所:千葉県拠点(Teams開催)


1. 開会にあたり挨拶をおこなう浦杉支局長
2. 農研機構の発表(新たな多収穫技術)を聞く浦杉支局長
3. 松山株式会社からは乾田直播機の説明を受けました。
4. 株式会社神明の小城さんによると日本の米輸出の2割以上が同社によるものだそうです。

第6回勉強会も前回同様、Teamsで各発表者と拠点を結んで行いました。

最初に、農業・食品産業技術総合研究機構 中日本農業研究センター 主席研究員・博士の中野洋様から「再生二期作の紹介~米の新たな多収穫技術・稲の再生能力を活用~」と題して、再生二期作を行うことで10a収量を向上させる栽培方法について情報提供をいただきました。また、これに関連して拠点からは千葉県で再生二期作を行っている生産者(株式会社田中屋庄右衛門様)を紹介しました。

次に「かん湛!の紹介~無コーティング直播」と題して、農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター 研究員の今須宏美様から、今まで直播を行う場合にはコーティングする手間がかかっていたものを水深について気を配る必要があるものの、無コーティングであれば資材代も手間も非常に少なく抑えられる栽培方法について情報提供をいただきました。

続いて、松山株式会社 営業部営業技術科の宮尾紅葉様から「耕起&播種&施肥&鎮圧一体型乾田直播機の性能等」と題し、自社で販売している「ニプロシーダー(UFG/SR series)」の性能について紹介いただきました。

その後、「コメ輸出商社の輸出・販売状況等について」を株式会社神明 海外事業部の小城拓也様から、「全米輸の組織と事業内容及び中期計画について」を一般社団法人 全日本コメ・コメ関連食品輸出促進協議会 専務理事の細田浩之様よりコメ輸出の現状と課題について情報提供をいただき、各々意見交換を行ってきました。

当日は生産者、事業者、行政機関等から70名の参加がありました。

【第5回勉強会の様子】日時:2024年9月25日   場所:千葉県拠点(Teams開催)


1. JETROロサンゼルスからの中継
2. ドローンによる可変施肥の説明
3. KSASで簡単にほ場管理ができます
4. アイガモロボットによる除草作業の説明

第5回勉強会は、海外(ロサンゼルス、パリ)からも中継をしながら行いました。

第1部はロサンゼルスから、米国における日本産米の取り扱い状況等についてリアルな視点でご説明いただきました。また、遊休農地の解消の実態や、その手続きの方法、乾田直播や生物刺激剤の利用による低コスト栽培の実証についてご報告いただきました。

第2部では、10月1日に施行された「スマート農業技術活用促進法」についての説明、スマート農機を利用した生育予測システムの説明、パリからフランスにおける日本食・日本食材のマーケットの概況について、こちらも現地からのリアルな現状の報告を受けて、活発な意見交換を行ってきました。

当日は、生産者、事業者、行政機関等から42名の参加がありました。

【第4回勉強会の様子】日時:2024年8月6日   場所:茨城県稲敷美浦村及び茨城県下妻市


1. 第1部では立派な看板がお出迎え
2. 挨拶する浦杉支局長、参加者も日陰に入っていただきました
3. 松原副支店長からの説明
4. 百笑市場の会場は満員です
5. 長谷川代表取締役による場内説明
6. ライス&グリーン石島の代表取締役社長 石島氏は田んぼの中から説明
7. 乾田直播ほ場に参加者は興味津々

第4回の勉強会は、茨城県にお伺いしてきました。第1部を美浦村にあるスガノ農機株式会社、第2部を下妻市の百笑市場及び株式会社ライス&グリーン石島のほ場にて行いました。

〇第1部はスガノ農機株式会社で千葉県も担当されている関東甲信越支店松原副支店長より「乾田直播機の機構と特徴」について実機をご紹介いただきながら、細かくご説明いただきました。

〇第2部は下妻市に移動し、株式会社百笑市場において行ってきました。初めに本省輸出・国際局輸出支援課 猪狩班長より「GFP大規模輸出産地生産基盤強化プロジェクト」の説明を受け、その後「茨城県の生産者と流通、販売が一体となった取組」について株式会社百笑市場 長谷川代表取締役、阿久津経営企画室長より説明がされました。

その後、百笑市場の場内案内を受け意見交換。場所を株式会社ライス&グリーン石島のほ場に移動し、「乾田直播栽培ほ場の見学」を行いました。

当日は、生産者、事業者、県、市町からWEB及び現地に52名の参加がありました。

スガノ農機株式会社(SUGANO) (sugano-net.co.jp)
株式会社百笑市場 | 日本の美味しいお米を世界へ (hyakusho-ichiba.co.jp)
ライス&グリーン石島 (isijima.main.jp)

【第3回勉強会の様子】日時:2024年7月9日   場所:千葉県香取郡神崎町


1. 勉強会では活発な意見交換が行われました
2. 農事組合法人神崎東部の概要を説明する大原代表理事
3. 乾田直播の田んぼは分けつも旺盛です
4. 遠隔水管理システムはスマートフォンで作動できます
5. 浦杉支局長も自動運転システムのトラクターに試乗しました
6. 神崎町まちづくり課の石橋課長の説明に耳を傾ける参加者

第3回の勉強会は、第1部を神崎町役場3階大会議室、第2部を農事組合法人神崎東部ほ場にて行いました。

〇第1部は神崎町スマート農業実証プロジェクト研究会メンバーから、「発酵×オーガニックビレッジ宣言」、「農事組合法人 神崎東部の概要」、「"発酵の里 こうざき"におけるスマート農業技術の導入事例」と「水稲の作付方法別での生産コスト」をそれぞれご説明いただきました。

乾田直播を行うのに必要な機械とそのおおよその金額など、具体的な内容を話され活発な議論がされました。

〇第2部は農事組合法人神崎東部のほ場にて、実際に自動運転のトラクターによる試乗体験、遠隔水管理システム、ライスセンター内において、スマート農業機械等の見学を行いました。

当日は、生産者、事業者、県、市町からWEB及び現地に35名の参加がありました。

発酵オーガニックビレッジ宣言|千葉県神崎町役場ウェブサイト (town.kozaki.chiba.jp)

【第2回勉強会の様子】日時:2024年6月18日   場所:千葉県市原市、袖ケ浦市




a.将来ビジョンを語る布施代表 b.意見交換する布施代表(左)と浦杉地方参事官(右) c. 午前(第1部)の様子
d.午後(第2部)の様子 e.事業説明する宗政理事 f.雨の中、多くの参加者に見学していただきました g.勉強会当日の湛水直播ほ場の様子

第2回の勉強会は、午前と午後、それぞれ場所を変えて2部制で開催しました。

〇第1部は市原市農業センター研修棟において、農業生産法人 株式会社つばめ農園の布施代表取締役から『輸出用米を有効な販売先の1つに見据えて』と題し、取組の説明をいただき、その後、参加者と意見交換を行いました。千葉県からは独自助成の説明や、生産者からの現状報告など活発な論議となりました。

〇第2部は袖ケ浦市の百目木(どうめき)営農組合ライスセンターにおいて、百目木営農組合宗政理事から『水稲直播栽培で低コスト化を目指す』と題し取組の説明をいただき、その後、意見交換を行いました。千葉県君津農業事務所及びアドバイザーからは、補足として湛水直播の説明もあり、参加者からは技術的な質疑も出て活発な意見交換となりました。

また、ウェブ会議終了後には、同ライスセンター近くの湛水直播したほ場に雨にもかかわらず多くの参加者が見学しました。

当日は、県、市町村、JA、事業者等からWEB及び現地に69名の参加がありました。

農業生産法人 つばめ農園 (tsubamefarm.co.jp)

【第1回勉強会の様子】日時:2024年5月28日   場所:千葉県拠点(Teams開催)


a. 千葉県拠点会議室から、千葉県産米の輸出拡大に関心がある方々に対してTeamsで情報を発信
b. 千葉県拠点にて説明を行う本省 輸出・国際局 新興地域グループ 佐伯国際専門官
c. 司会進行を務める千葉県拠点浦杉地方参事官
d. 当拠点の職員も別室で勉強会に参加し、知見を広めました。

第1回の勉強会では、「新市場開拓米(輸出用米)の拡大に向けた低コスト米の取り組みについて」農林水産省 輸出・国際局 新興地域グループ佐伯国際専門官(同取組で乾田直播での低コスト米生産実証を行っている、農業法人NEW GREENの黒光氏も参加)、WEBで関東農政局から「米の輸出をめぐる状況について」関東農政局生産部生産振興課前田課長補佐(土地利用型農業推進)及び「米の輸出における実務について- 生産から物流及び販売戦略 -」関東農政局輸出産地サポーター室熊沢輸出産地サポーターからそれぞれ説明を受け、参加者からの質問もあり、活発な討議がなされました。

今後継続して行われる千葉県拠点主催の千葉県産米の輸出拡大に向けた取組は、今回、県、市町村、JA、事業者等39の機関から59名の参加があり、幸先の良いスタートとなりました。